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『Pathaan』 主演:Shah Rukh Khan

1/25(水)公開のヒンディー語映画『Pathaan』を観てきた。
主演はシャー・ルク・カーン、ディーピカ・パドゥコーン、ジョン・アブラハム。
この映画を一言で表せば、「小細工なしの王道スパイ映画」って感じ。

↓予告編↓



この映画の感想の前に、個人的な思い出話を挟む。

ぼくが初めてインド映画を観たのは、ジャカルタに住んでいた時のことだった。
インドネシアでは海賊版のDVDが広く流通しており、繁華街や住宅街に行けば海賊版DVD屋が堂々と営業していた。
ブロックMという日本人街に行くと、日本のテレビドラマ(ついこの間放映されたばかりのものもあった)を焼いたDVDが大量に売られているなんてこともあった。

インドネシア自体は映画産業がそこまで盛んではないので、DVDのラインナップは海外のものが多かった。
ハリウッドやボリウッド、日本のアニメや韓流ドラマなど。
ぼくはその中でも、何となくインド映画に目を付けた。
それがぼくとインド映画の出会いだったわけだが、当時は「インド映画=ボリウッド」といったよくある誤認識をしてしまうほどインド映画への理解は薄かった。

初めて外国の映画を観た人にありがちな事だと思うが、最初の方は俳優の顔の見分けが全く付かなかった。
しかし何作か観ているうちに、一人だけ顔を識別できる俳優が現れた。
それがシャー・ルク・カーン(以下、SRK)だった。
顔と名前を一致させたところで、SRK主演の映画だけを探して買うようになった。

ぼくが観た映画がたまたまそうだったのか、SRKはコミカルな役柄が多かった。
コミカルといっても完全なコメディではなく、純情で生一本で不器用な青年といった感じ。

さて、そういったイメージを抱いたまま、本作『Pathaan』を観たのだが……





男も惚れるかっこよさ

渋すぎる!

SRKがただただかっこよすぎるのだ。

そんな激渋おじさんに対する主演女優が……



芸術的な美しさ

ディーピカ・パドゥコーン!

美の象徴。


ビジュアルが強すぎる……

この3枚の写真は、以下のPVから取ってきた。
1つ目のPVが作品の冒頭ディーピカの登場シーンで流れたもので、2つ目はエンディングで流れた映像。




ざっくりとしたあらすじ
2019年、インド政府がカシミール地方の自治権を剥奪したことに激怒したパキスタンの将軍が、インドへ復讐をするために私的テロ組織と手を組む。インドの諜報機関で働くSRKがそれと対決する。
世界を股にかけた諜報活動、謎の美女、秘密組織への潜入、裏切りと騙し合い、小型飛行機や鉄道を使った派手なアクション、絶体絶命のピンチ、予期せぬ援軍、大物俳優の友情出演、SFチックな研究室、氷上のバイクチェイス、愛国心、仲間の死。
小細工なしの王道スパイ映画。

そうそう、これこれ!
こういうのが観たかったんだよ!って感じ。

で、感想を細かく書いていこうと思ったのだが、SRKやディーピカのファンは日本にもたくさんいる。
そのうち、この映画に対する日本語の詳細なレビューがたくさんネットに上がってくると思う。
だから、ぼくは南インドの映画館で鑑賞したヒンディー語映画という観点で、少しだけ感想を書こうと思う。




チェンナイの街中を見ても、『Pathaan』公開に対する盛り上がりはそこまで高くなかった。
バス停などで映画のポスターが貼られていることはあったが、大規模なプロモーションは行われていなかったと言ってもいい。

ポンガルに公開されたタミル映画『Varisu』や『Thunivu』は、公開前からチケットの争奪戦が繰り広げられていたが、『Pathaan』に関しては公開日翌日の朝でも、当日のチケットが購入できた。
実際に行ってみると劇場はほぼ満席だったが、恒例の指笛や歓声はほとんどなかった。
インドは北と南で文化が全く異なるとはよく言われることだが、ここまで盛り上がりに欠けるとは思ってもいなかった。
「King of Bollywood」の異名を持つSRKも、チェンナイの人たちにとっては海外の有名俳優の一人といった程度の認識なのかもしれない。

去年インド映画を10本ほど観たが、それらは全て南インド映画だった。
この作品は、ぼくがインドの映画館で観た初めてのヒンディー語映画ということになるが、南インド映画との雰囲気の違いはよく感じた。
それらをうまく言語化できないので詳しくは書けないが、おそらく何の前情報もなくこの映画を見せられたら、インド映画だということに気づかなかったと思う。


というわけで、うまく感想をまとめられないのだが、難しいことを考えなくても楽しめる王道の娯楽作品だった。
去年はあまり勢いを感じられなかったボリウッドの底力を見た感じだ。
そのうち日本で一般公開されてもおかしくないと思う。

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