6/11 レー市内でのんびり
朝から晴天。
日向にいれば、半袖でもちょうど良いくらいの陽気である。
昨日もこんな天気だったら良かったのに……。
ところで、今日の朝に鏡を見て驚いた。
顔が真っ赤に日焼けしていて、おでこやほっぺから皮膚がボロボロ剥がれ落ちているのだ。
高山の紫外線は侮れない。
今日は、次の観光に向けた情報収集デー。
ラダックの辺境にあるダー・ハヌ、ヌブラ渓谷、パンゴン湖へ行くための手はずを整える。
上にあげた観光地のように、レーから少し離れた場所へ行くための移動手段は、大きく分けて4つある。
レーからの道路が整備されている(と思われる)ダー・ハヌへはレンタルバイクで、険しい峠越えがあるヌブラ渓谷とパンゴン湖へはローカルバスで行くことにした。
ローカルバスは時間が読めないところがあるが、どうせ時間はたっぷりあるので、最も安い方法で行こうと考えたのである。
そこで、まずはバスターミナルへ。
係員に確認して、「ヌブラ渓谷行きのバスは毎朝発車(1日1便)で予約不要」であること、「パンゴン湖行きのバスは月・水・金のみで予約が必要」であるという情報をゲット。
とはいえインドのことなので、本当にうまくいくかはその時になってみないと分からない。
次は、辺境へ行くためのパーミッションを取得するために、メインバザールへ。
バスターミナルからメインバザールへ向かう途中、デリー出身の謎の美女に声をかけられ、1時間くらい一緒に観光するという謎の展開があった。
束の間のデートを楽しんだ後、目についた旅行代理店でパーミッションの申請を行う。
ダー・ハヌやヌブラ渓谷、パンゴン湖は、パキスタンや中国との国境に近いため、訪問する前に入域許可証が必要なのである。
パーミッションの申請は手間取るかと思っていたが、「どこから来たの?日本?じゃあ、パスポートちょうだい。あ、あと700ルピーね。午後4時にまた来てね」と、30秒で手続きが完了。
その後は、路地を歩いたり、博物館に行ったり、カフェでのんびりしたり、ラダックの後の旅程を考えたりして、時間を潰す。
さて、何とか16時まで時間を潰して、パーミッションを受け取りに旅行代理店まで戻る。
店内に入ると、店の親父が真顔で、
「パーミッションは2人からしか取れないんだよ。君は1人だけだよね。だから、パーミッションはないよ。あれ、朝言わなかったっけ?」と言う。
(え?聞いてないけど。朝、パスポートもお金も預けたよね。まあ、時間はいくらでもあるから良いけど、今日16時まで待ってたのがバカみたいじゃん)
とぼくは思った。
さてどうやって英語に訳そうかと考えていると、親父が不意にニカッと笑った。
「な〜んてな」
そう言って、引き出しから1枚の書類とパスポートを取り出して、デスクの上にパンッと置いた。
「ほら、これが君のパーミッションだ」
ラダックジョークなのだった。
ぼくは思わず「うわあ、びっくりしたあ」と日本語でつぶやいた。
親父は「驚いただろう?イッヒッヒッヒ」と笑う。
なお、パーミッションの取得には最終的に900ルピーかかったようで、追加で200ルピーを支払った。
パーミッションの書類自体にも金額が記載されていたので、これが正式な金額だと思う。
また、ガイドブックにはパーミッションの有効期間は7日間と書かれていたが、実際は10日間のものを入手できた。
10日もあれば、旅程に余裕ができるので安心である。
その後、ラダック内の移動に関していくつか質問をしたが、全て快く答えてくれた。
ただの陽気な親父なのだった。
ところで、親父のラダックジョークにあった「パーミッションは2人からしか取れない」というのは、どうやら事実のようだった。
ゲストハウスに帰ってから、改めてパーミッションを確認してみると、ぼくの名前の他に知らないアメリカ人の名前が書いてあるのだ。
その名前はダミーなのか、たまたま他にも1人で取ろうとした人がいて抱き合わせにしたのかは分からない。
実際、パーミッションの取得に関してネットで調べてみると、2人からしか申請を受け付けないという旅行代理店もあったりしたので、ぼくがお願いしたのは非常に良心的なツアー会社だったということになる。
というわけで、明日はスクーターをチャーターして、ダー・ハヌへ行く。
レーからはちょっと離れているので、1泊2日の遠征である。
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