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マハーバリプラム

連休を利用して、マハーバリプラムという観光地に行ってきた。
我が家から南へ40km。
十分に日帰りで行ける距離だが、マハーバリプラムは世界遺産を抱える町であると同時に、ビーチリゾートでもあるらしいのでのんびり1泊することにした。



家の近くのバス停からローカルバスで行く。

のんびり路線バスの旅。


運転席はこんな感じ。
運転手は当然裸足だし、スピードメーターはヒビが入って壊れている。

1時間半でマハーバリプラムに到着。
車で直行すれば1時間もかからないし、小旅行で来るにはちょうど良い距離である。
何ならオートリクシャーでも来れるかも知れない。

マハーバリプラムは、全ての見どころが徒歩圏内にあるコンパクトな町。
それでいて、小洒落た雑貨屋やシーフードレストラン、ヴィラ風のゲストハウスが点在するリゾート地だ。

サーフショップもあったりして、どことなくバリ島の雰囲気を彷彿とさせる。
バリの中ではあまり開発されていないエリアといった感じ。

町の外れには、プライベートビーチを抱える高級リゾートホテルが立ち並んでいて、チェンナイ郊外のリゾート地としての地位を確立しているようである。



古代王朝の主要港として栄えたマハーバリプラムは、南インド史を語る上で重要な遺跡が数多く残されており、遺跡の数々は世界遺産にも登録されている。
そのほとんどが1,000年以上前に建立されたものである。

海岸寺院

名前の通り、ビーチ沿いにある。
今では防風林で守られているが、もともとは野ざらしになっていたため、壁画は風化の影響で摩耗している。
当時は全部で7つの寺院が建立されていたらしいが、この寺院以外の6つは海の底に眠っているらしい。

five rathas

5つの建造物がある。
これは信仰用ではなく、手本的な意味合いで建設されたと考えられている。
すなわち、当時の南インドの建築物の形状は全て、これら5つのどれかに分類できるらしい。
また、19世紀末に発見されるまで、これらの遺跡は砂に埋もれていたとのこと。
一つ一つのサイズはコンパクトで印象は薄いが、歴史の長さや考古学的な価値を考えると感慨深い。

そんな重要な遺跡であるが、子どもたちがよじ登っていたりして、児童公園のようなのどかな光景が広がっている。

クリシュナのバターボール

遺跡ではないが、マハーバリプラムで最も有名なもの。

絶妙な角度でバランスを保っている大岩。
100年ほど前に移動させようとしたことがあったらしいが、あらゆる手段を使ってもビクともしなかったとのこと。


その他もろもろ


マハーバリプラムの遺跡群の特殊性は、寺院の建設方法の変遷が見られるところにあるらしい。
インドの寺院遺跡は、「石窟寺院」→「石彫寺院」→「石造寺院」という流れを経ている。
簡単に説明すると、洞窟を掘って寺院を作る(石窟寺院)→大きな岩を掘って寺院を作る(石彫寺院)→岩を積んで寺院を作る(石造寺院)という流れである。

マハーバリプラムは全ての形状の寺院があり、ちょうど技術の変遷の過渡期にあったとされているのだ。同時に、この過渡期は、古代から中世への変遷という見方もできるらしい。
流行の移り変わりを体現しているため、未完のまま放置された遺跡もたくさんある。

未完のものたち

最後の写真は、ゴープラムの基礎部分だけで建築が中止になってしまったもの。
ここだけ見ると割れ門のようでもあり、もしかしてバリの割れ門ってこれが由来か⁉︎、なんて思ってしまう(真偽不明)。



遺跡のみならず町の雰囲気も結構良くて、日帰りでも十分に来れる距離ということもあって、また週末にちょくちょく来ようと思ったのだが、実はこの小旅行中に遺跡観光がぶっ飛ぶほどの濃ゆい体験をしたので、その話はまた明日書く。


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