とっても幸せな、ひとりきりの土日のこと
4-5月はオーケストラの本番があったり、出張や土日の仕事が続いていたりで常にパタパタと人にまみれて稼働していたもので、今週末は、とても久しぶりに「何もない」土日だった。
なので、この2日間を徹頭徹尾、自分が住む街で、ひとりで、自分のためだけに過ごすことを強く決めたのだった。
土曜9:30
何もない土曜日は、ドキュメント72時間の再放送からはじまる。
今週は大阪の郵便局の回で、父の遺品である昔の切手を現行の切手に交換してもらうおばちゃんが印象的だった。
上皇様が結婚された時の記念切手など、実際の値段以上の価格で売れそうな貴重なものだが、あえて換金しないことを選んだそうだ。
切手に変えて私がお友達にお手紙でも書いた方が、父も喜んでくれるから、と。
ああ、こんな生き方したいなぁ…と、まだ眠い頭で強く思った。
そして、この土日の過ごし方の方針が定まった気がした。
土曜14:00
午前中に歯の検診に行って、おっちゃん先生に「問題なし!綺麗!」と太鼓判を押されたことでハッピーな気持ちになり、帰り道に寄った海辺のスーパーで梅と氷砂糖を買った。
昨年よりnoteで見ていたいろんな人の「梅仕事」を、ずっと羨ましいと思っていたのだった。
ニトリで大きな瓶も調達し、人生初の梅シロップの仕込みに取り掛かった。
ひとつひとつ、ヘタをとって拭き取る作業には、没頭による快楽を得た。
別件でやりとりしていた友人に梅仕込んだ!と何気なく報告すると、「ていねいなくらし、だねww」と、若干トゲのある不穏な返事が来たので、こういうことは無邪気に人に言いふらさない方がいいのだな、と肝に銘じた。
わかるやつだけ、わかればいい。
土曜18:00
うたた寝から目覚めると、野球が始まる時間になっていた。まだ明るい。
ラジオ中継を聴きながら、のろのろと近くの港に散歩に出掛けた。文字に起こすと完全におっさんの所業である。
土曜22:30
日没とともに帰宅して、あとはテレビで野球観戦。簡単には勝てず、なんだかんだで4時間半ゲーム。最後はサヨナラ勝ちできたが、くったりと幸せな疲労感。おーん。。
思えばこんなにしっかり野球に没頭する時間を確保できたのも久しぶりだった。
日曜10:00
近くの公園の日曜マルシェへ。
農家さんが自らお野菜を販売してくれる。
今週もまた長い出張に出るので、使いきれない量は買わないこと!と自らに釘を刺していざ参戦。
レジに並んでいると、若者が「ありがとうございます!これ、僕が作ったんです!」と声を掛けてくれた。
大事に食べますね、と返した。
日曜13:00
お昼は買ってきたお野菜を早速調理。
チキンのステーキと、そこから出た油でズッキーニと淡路島の新玉ねぎを炒める。
おかずのすべての味付けを塩コショウだけで完結させられた。素材に万歳。
日曜14:00
ためこんだ食品トレイをスーパーのリサイクルボックスに入れに行ってスッキリするなどしていると、今日も野球の時間になった。
佐々木朗希vs才木浩人の投げ合いに震える。
両者、敵ながら試合の中でお互いを高め合っている。
スラムダンクかよ!!
今日のヒーロー(才木、大山、梅野)はそれぞれに大変な時期を越えてきた3人で、その言葉や振る舞いは、なんというか誠実で、私も明日からも誠実に仕事するぞ、と勇気をもらった。ハッキリ言うて。
日曜19:00
そして今、しがないアラサー(阪神ファン)の何もない休日に誰が興味あんねん!と思いながらこのnoteを書いている。
あとは大河ドラマと日曜の夜くらいは…と鬼滅の刃を見て寝るだけである。
こうして無事に幸福のチューニングは完了した。
明日からもまた、人や社会に揉まれながら激務をこなす日々である。
人前で喋る仕事(苦手)も目白押しだ。
仕事や人との関わりを通して得るたくさんの幸せはあるけれど、やはりこうして、美味しいものを食べて綺麗な景色を見て野球で一喜一憂している時が何より幸せだな、と思う。
自分の幸せは意外とお金がかからない。
激務の割に薄給なのでは…?と、お金のことで時折不安になることはあるけれど、自分には、お金をかけずに幸せでいることができる心がある。
そこにもう少し、自信を持っていいんじゃない?そんなことを思える、休日だった。
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