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「血の通った仕事」とは何か?2年前に言われたことが気になったので「実況」でセッションしてみます

「何でも実況します」を売りに商売している僕が、あらゆる業界の表現者たちと「実況」でコラボレーションするライブイベント「実況芸セッション」を久しぶりにやることになった。今回はドローイングと実況のコラボで、相手はイラストレーターのたなかみさきさん。去年は初めてワンマンのトークライブ「トーキングトゥルース」に挑戦したので、セッションは実に2年振りとなる。14回目にして女性との共演は初めてだ。

たなかさんは日本大学芸術学部出身、フリーで活躍するイラストレーターである。日常にある男女の姿を題材にしたオリジナルの作風をご存じの方も多いだろう。東京と熊本の二拠点生活を送りながらJ-WAVEでナビゲーターも続ける生き方もオリジナリティそのもので、2年前に僕がベーシストのハマ・オカモトさんとセッションをしたときに、記念グッズのイラストを依頼したのが最初の接点である。

その後にもう一度、接点がある。イラストを依頼した後、僕がラジオ日本でパーソナリティを務める『真夜中のハーリー&レイス』に出演してもらったのだ。たなかさんがラジオで“深夜の保健室”と名乗ってリスナーの悩みに毎週火曜日答えているのを知っていたので、自分の番組の中で僕も相談してみた。

「イベントやっても、なかなかチケットが売れなくて…どうやったら人気が出るんでしょう…?」という問いに「私は清野さんは血の通ったお仕事をされていると思うし、それは人気よりも素晴らしいことだと思います」とスパッと回答してくれたを憶えている。自分のことを理解してもらえた喜びと「血の通った仕事」という言葉が心に残った。いつか実況芸でコラボしてみたい、との思いが今回の共演に繋がったのである。

毎回恒例のフライヤー


では、実際にどんな形でコラボするのか?

たなかさんには即興で絵を描いてもらい、僕が即興で実況する。いわゆる”実況付きライブドローイング”が軸だが、途中から先攻と後攻を入れ替えるのもやりたい。本来、絵を描写するはずの実況が絵を追い越すのだ。ドローイングと実況が互いに影響を受ける瞬間こそ、セッションの醍醐味だと思う。

絵の題材は架空のレスラーである。身長や体重、出身地、コスチューム、得意技などのお客さんから募集したアイデアを基にどんな絵が完成するのか?ベビーフェイス(善玉)とヒール(悪玉)の二種類のキャラクターを描いて対決させるのもありだ。たぶん、プロレスファンには楽しんでもらえると思う。

「似顔絵、得意なんです。お客さんの似顔絵も描きますよ」
「いいですね。じゃあ、デモンストレーションでやってもらいましょう。そうだ、イベント限定グッズも作ります?」
「じゃあ、私、絵描きます!」

当日に向けてアイデアを膨らませている時間が本当に楽しい。会場では記念グッズとしてTシャツとステッカーを用意している。

グッズ用に描いてもらったイラスト

が、果たしてお客さんはたくさん来てくれるのだろうか…?

そう言うと、たなかさんからは「もう人数を気にするのはやめましょう」と笑われるのだが、どうしても券売のことを口にしてしまう。自分が面白いと思って力を注いでいるものに需要なしと判断されるのが恐いのだ。

今週の「midnight chime」でイベントの告知をしてくれたのを聞いた。「28日、空いてる方がいらっしゃったらぜひ…」という控えめな言い方が、実にたなかさんらしかった。放送を聞いて自分も何かしたくて書いたのが、この文章である。

宣伝もグッズ作りも、すべて自分たちでやる。このイベントは僕たちの意思が100%反映されていることは間違いない。たぶん、こういうのが「血の通った仕事」なのだろう。それは人気よりも素晴らしいことだぞ、と自分に言い聞かせて当日を迎えたいと思う。

最後にもう一度だけ。是非、お越しください。チケット購入はこちらから。


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