いろんな忍術の名前について、なぜ術には名前がつくのか?【術名がつくメリット】

忍者の使う技や術を忍術と言いますが、忍術の名前はなんだかかっこいい響きのものが多いです。秘伝書「万川集海」に出てくるもので例を上げれば、桂男(カツラオ)の術や弦弓(シキュウ)の術などがあります。

<桂男の術>
桂男という月に住む仙人の伝説を借りた術名。反乱する危険がある仲間の近くに、前もって手駒の忍者を近づけておき、本当に反乱を起こした場合その忍者を浸透させて反乱を防ぐ。
<弦弓の術>
弓に張った弦から名付けられた術。弦を張った弓は反って三日月型になるが、弦を取れば弓は元の棒に戻る様子から、味方忍者が敵に捕まり反忍(ソリニン:敵に寝返った忍者)になっても、実は寝返ったフリをしているだけでチャンスを伺い謀略を仕掛ける。

ここでは、かっこいい名前をつけることのメリットについて考えを書いていきます。

結構おしゃれな忍術の名前

忍術の名前は、かっこいいものやオシャレなものが結構あります。そして、やたらかっこいい名前をつけた結果、術名だけではなんだかよくわからないことが多いです。

なぜ単純にわかりやすい名前をつけないのか?その理由は大きく3つあります。

<かっこいい術名の命名理由>
①術の秘匿性を高めるため。(名前を聞いただけで術の内容がわからないように)
②術名を聞いた人に「なんかヤバイ術かも」と思わせるため。(ハッタリで威圧する)
③術者である忍者のモチベーションを上げるため。(かっこいい名前だと、それだけで人の気分は上がる)

術の奥深さ

また、忍術は単純な型があって、それを真似すればいいというものではありません。状況に応じて臨機応変に仕掛ける術の形を変えていかなければならないのが忍術です。

そのため、術名には術技の概要を虫・動物や物の名前、伝説などのストーリーを借りて名前をつけることで、術の細かい部分(奥深い部分)は忍者個人がその場その時に応じて考えられるようにしているとも考えられます。

術を使いやすくする

また、単純に名前がついていれば、仲間と作戦を考えるときや将軍と打ち合わせをするときにスムーズに話が進められます。

これは、術に名前がついていない場合だと、どんな謀略をするのか?いちいち説明が大変になってしまします。決まった謀略の型に対して、それぞれ術名がついていれば話し合いも術を実行するのも迅速にできます。

忍者本の怪しい考察

ある忍者本には、術名がついているのは新人でも使いやすくするため。要するに誰でも使えるから「下忍の僕でも使えるんだ」と思わせるためと書いてありますが、これは安直すぎる考えだと思います。

多少はこのような効果もあるでしょうが、その程度のマインドの忍者を現場に投入することは危険だと考えられます。

忍者は常日頃、日常生活から修行を重ねており、肉体を鍛え上げ、確実な術技を身につけて、絶対の自信を持って、いざ任務に望むものです。(それでなくては謀略は敵にバレ、忍び込みには失敗し、敵に捕まり殺されてしまう。現代の特殊部隊も忍者と同じような訓練、メンタルで戦いに臨むものです)

名前がつくことのメリット

忍術に限らず、いろんなモノゴトに名前はつけられているものです。名前をつけるのは、識別しやすくするためや覚えやすくするため、また思い出しやすくするためなど様々な理由があると思います。

何かの映画で「名前はついていることに意味がある」というセリフを聞いたこともあります。なぜ名前がつくのか?名前があるメリットについて自分なりの考えを巡らしてみてはいかがでしょうか?

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