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心の弱さが隙となる。自分の心と向き合う忍者の強さ【義盛百首 忍歌92】

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「番所にて 心の弱き 人はただ 不覚を取らん もといなるべし」
忍歌 義盛百首 第九二首

【現代語訳】番所にて、心が弱い人というのは不覚を取る元である

【解説】番所(警備エリア)で警備を行う人は「敵はいつ現れるか…」と不安に思いオドオド怯えていると、本当に敵や忍びが現れた時、驚いて腰が引けて対処できない。忍びは人の心の隙、心の弱さに忍び寄るので、よくよく自分の心と向き合い落ち着かせるのが大事である。

【超訳】心が弱いこと自体が隙となる。心の弱さは、意識を不安や恐怖、迷い、悩みに向かわせて目の前の問題に向き合えなくする。さらに不安に飲み込まれた意識はうじうじ考えるだけで明確な答えを出せないので心的疲労が激しい。解決するには、自分の心の弱さと向き合い、何に不安を感じているか?掘り下げて解決策を考え出して(解決できないものは諦め)意識を現実に向けるようにする。心が落ち着き、現実を見れるようになれば自ずと上手くいく。


自分の心に向き合う、つまり不安に向き合うことには心の痛みが伴う。だから人は不安から目を逸らすが、不安の発端である現実にも目を合わせられないのでどっちつかずに意識を置く。不安な心は不安定な意識を生み、不安定な意識は精神疲労となり体にも不調を与える。

本当に自分自身を守りたい、救いたいのなら不安と向き合い、自分の弱さを知ることが前に進む一歩となる。

忍術秘伝書『万川集海』の内容は、正心(心の有り様)から始まり、次に防衛、陽忍(諜報・謀略などスパイ技術)、陰忍(忍び込み・夜襲など)…という順番で術の解説がされる。

まずは自分の心と向き合い、弱さを知り、守りを固めて、それから情報を集めて作戦を立てて行動することを『万川集海』は教えてくれている。


義盛百首とは…
伊勢三郎義盛に仮託し作られた忍者の心得を読んだ計百首の歌。伊勢三郎義盛は伊賀出身で、源義経の配下で忍者として活躍したとされる。義盛百首は忍歌と呼ばれることもあり、軍法侍用集や万川集海などの忍術書に登場する。


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