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ゲーム開発技術の身に付け方

ゲーム開発は、創造性と技術的なスキルが交差する、魅力あふれる領域です。
しかし、多くの学生がゲーム開発の世界に足を踏み入れるために、どのように学習を進めていけば良いのか悩んでいるかと思います。

この記事では、学生がゲーム開発、特にプログラミングと企画職のキャリアへの道を探るための具体的な学習段階について考えてみます。

基礎知識の学習から、理解と習得、そして最終的な発展と応用まで、一貫した学習の旅をナビゲートします。
これからゲーム開発の旅を始める皆さん、あるいはすでにその途中でさらなる学習方法を探している皆さん、ぜひ参考にしてみてください。

はじめに

ゲーム開発についての学習を始める際に良くある失敗例が、プロのクオリティの作品をいきなり作ろうとすることです。
残念ながら、いきなりプロのクオリティの作品を作るのは難しく、多くの場合は挫折してしまい、場合によってはゲームを作ることが嫌になってしまいます。
では、どうしたら良いのでしょうか?
プロのクオリティの作品を作る技術を身につけたい場合は、段階的に進めて行くことで効率よく学習できます。
学習の段階は大きく分けて下記の3つの段階があります。

1:基礎知識の学習
2:理解、習得
3:発展、応用

ゲームに限らず学習はこの3つの段階で説明されることが多いです。
日本の伝統芸能ではこの学習の段階を「守・破・離」などとも言いますね。
今回の記事でも、この3つの段階にも続いて、それぞれの段階でどのように学習していくのが効率的かを考えていきたいと思います。

第1段階:基礎知識の学習

技術を身につけるには、基本的な概念や情報の学習が必要です。
この段階では、新しい知識を吸収するための土台を築くことが重要です。

まずは、ゲーム開発でよく使う、Excel・Word・PowerPointなどの基本的なツールの使い方をまず身につけましょう。
プログラミングで使用するVisual Studioなどの知識も必要です。

プログラマ志望:
まずはC/C++などのネイティブ言語の基礎知識とプログラミングの基礎を身につけましょう。
プログラム言語の検定では、初級の範囲が基礎知識の習得を判定基準にしている事が多いので、このような検定の合格を目指すのも良いと思います。

企画職志望:
読解力や文章力が必須になります。どちらもすぐに身につく物ではないので、普段の生活からから意識しましょう。
日記を書いたり、noteの記事を投稿するのもお勧めです。
また、普段ゲーム遊んでいる際にも、遊びの4つの要素やゲームメカニクスについて意識しておくと、ゲームを作る際に活かすことができます。

第2段階:理解、習得

2段階目では、基礎知識を元に、新たな情報や技術を理解し、体得します。理論の理解や新しいスキルの習得が行われる場です。
この段階では、なるべく多くの作品を作ることが重要です。
数多くの作品を作りながら効率の良いプログラミングについての技術や、より多くの人を楽しませる為の知見を身につけていきましょう。

プログラマ志望:
ゲームを実現するために必要なアルゴリズムやデータ構造を作るための技術を身につける必要があります。
そのためには多くの作品を作り、経験を身につけて行きましょう。また、効率よく制作を行うためにオブジェクト指向での開発についても慣れておきましょう。

企画職志望:
まずはなるべく多くの企画を考える必要があります。自分が好きな物で構わないので、数多くのアイデアを出せるように普段から情報収集を行う事も重要です。
慣れてきたら、市場動向や世の中の流行にも目を配り、企画する際に活かせるようにしましょう。
そして、ゲーム制作を通して企画を実現するためのメカニクスの検討や必要な素材の洗い出し、プロジェクトの管理についての技術も身につけましょう。
作品を作ったらなるべく多くの人に遊んでもらい、その反応を見ながらUI・UXについての知見を身につけていき、より多くの人が楽しめるゲームが作るための知見を身につけていきましょう。

第3段階:発展、応用

習得した知識や技術を具体的な状況に適用し、自分のものにする段階です。ここでは、学んだことを実際の問題解決に応用したり、さらに高度な知識や技術へと発展させたりします。
ゲーム業界を志望している方は、就職活動時に提出する作品作りも行いましょう。

プログラマ志望:
チームでの作品作りなどを通じて、より効率の良いプログラミングについての経験を積みましょう。
将来作りたいゲーム作品によっては、UnityやUnreal Engineの高度な機能を活用し、複雑なゲームの開発経験も必要です。
就活の準備としては、業界が求めている技術の習得に力を入れるのも良いと思います。
現在では、3Dに関しての技術だけでなく、通信やAIの技術を求めている会社も多いので、企業のHPを見るなどして調査してみましょう。

企画職希望:
より多くの人を楽しませる企画作りを心がけましょう。
また、企画書などの資料の作成能力も重要です。
会社によっては、面白い企画を考えることよりも、書類作りや仕様検討、データ作成の能力を重視するところもあります。
このあたりの知見は、多くの作品作りを行う事で身についていくので、できる限り多くの作品作りに挑戦しましょう。

マンガにみる効率の良い学習の進め方

ゲーム業界志望の学生を見ていると、2段階目から先に進めなくなってしまうことが良くあります。
その中でよく見かけるのが、1段階目が終わったぐらいの所から、いきなり3段階目に挑戦することです。
1段階目で得た知識の使い方を体得する前に、課題などで凝ったゲームの制作に挑戦して、ハマってしまうことが多いです。
そして、ハマった状態から先に進めなくなり、最終的にはゲーム作りを諦めてしまうことも多く見かけます。

第3段階までの進み方は、人によって大きく2つのパターンが存在します。
どのようなパターンがあるのか、漫画のキャラクターを参考に考えてみたいと思います。

学習は一足飛びには進めない

よく、マンガなどで主人公がそれまでやったことがないジャンルで能力に目覚めていく展開があります。
「はじめの一歩」「弱虫ペダル」などがわかりやすいでしょうか?

それまで地味だった主人公が、一気に注目される存在になる所に物語の魅力を感じます。
しかし、その主人公達も、急に能力を身につけたわけではありません。
「はじめの一歩」では船の上での生活により足腰を鍛え、「弱虫ペダル」では長距離をママチャリで走ることで脚力を鍛えることを地道に行う事で、知らず知らずに基礎を身につけていたわけです。
このように、普段の生活の中で基礎が身についていれば、マンガのキャラクターのように一足跳びに第3段階まで進めるかもしれません。
ゲーム開発の場合も、子供のころからプログラムを組んでいたり、迷路の作成やキャラクターの分析などを趣味で行なっていたりと、遊びの延長で行っていた事がゲーム製作に活かせることがあります。

しかし、多くの場合は普段の生活の中でゲーム開発の基礎が身につく事はありません。では、どのように学習を進めていくのが良いのでしょうか?

それには「ゆるキャン△」というマンガが参考になると思います。

「ゆるキャン△」に見る、無理のない学習の進め方

「ゆるキャン△」は高校生達がアウトドアライフを楽しむ姿を描く漫画で、TVアニメ化や映画化もされた作品です。
この作品の中で主人公はアウトドアについての知識の無い状態からその魅力に触れ、どんどん知識を増やしアウトドアライフを満喫していきます。
その課程は身の丈に合っていて無理が有がなく、以下のような流れで進んでいきます。※原作9巻までの内容を元にしています。

①主人公が遭難した際に、キャンプ中の同級生に助けられ、その際にアウトドアでの食事を体験する。
②アウトドアに興味を持った主人公は、部活に入りアウトドアの基礎知識を得る。
③アウトドア2回目。アウトドア料理をして車中泊。
④部活の仲間と本格的なキャンプ。
⑤キャンプ2回目。料理に凝り始める。
⑥アルバイトをして装備を揃え、部活仲間とクリスマスキャンプ。
⑦一人だけでキャンプ。アウトドア料理の研究を始める。
⑧部活仲間と複数泊キャンプ。

第1段階:
このマンガでは、①~②が「基礎知識の学習」の段階と言えます。
この流れで良いのは、アウトドアに興味を持った主人公が、すぐに部活に入り情報を集めるところが素晴らしいと思います。
一人で情報を集めるのも良いですが、情報が集まりやすいところに参加すると効率よく情報を得ることができます。
また、仲間もできるので、何かを行う際にもやりやすくなるという面でも良い面が多いと思います。
ゲーム制作でも同様に、部活動やSNSに参加すると、情報が手に入りやすくなります。

第2段階:
次に③~④が「理解、習得」の段階です。
ここで参考にしたいのは、いきなり本格的なことを始めていない点です。
まずは、他の人のキャンプに参加したり、宿泊も車中泊したりと、徐々にアウトドアを体験していきます。
この段階では、主人公はキャンプについの事前の計画や道具の準備、現地への移動やテント設営などの大変なことはやっていません。
アウトドアの楽しいところだけを体験していきながら少しずつ知識と経験を身につけて行きます。
ゲーム制作についても、まずは入門書に書かれているゲームをそのまま作ってみたり、ツクールなどの特定のゲームを簡単にできるツールを使用するなどして、ゲーム制作の面白さを体験しながら、少しずつ知識と技術を身に付けていきましょう。
また、この段階では、ものすごくい作品を作ることよりも、数多くの作品を作り、ゲームを作る際の技術を身につけることが重要です。
そのためには、自分が作りたいゲームや、カジュアルゲームなどの規模の小さなゲームで良いので、数多くのゲームの制作を行いましょう。

第3段階:
最後に⑤~⑧が「発展、応用」の段階です。
前の段階で得た知識と経験を元にキャンプを楽しんで行くのですが、キャンプを行う際の計画作成から、仲間と行う際の作業の分担など、回を重ねるごとに洗練されていき、規模も大きくなっていきます。
そして、主人公も「料理を作る」と言う点でメンバーの中での立ち位置ができてくる点も良いです。
ゲーム制作もチームでの作業になるので、効率よく他の人と一緒に作業をするための技術を身に付けていくことは重要です。
また、得意なことでチームの中での立ち位置を作れると良いと思います。
自分の興味がある技術などがあったら、どんどん突き詰めていきましょう。

まとめ

ゲーム開発の学習は一種の旅です。
いきなりゴールに到達することは難しいですが、各段階ごとに必要な技術を身につけていけば、ゲーム開発の世界で成功を収めるための重要なスキルを効率よく習得できます。

それぞれの段階を楽しみながら、焦らずに自分のペースで進んでください。そして、自分が追求する目標に向かって、一歩ずつ進んでいきましょう。

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