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【クラウドファンディング大手】Makuake利用規約を読み解いてみた

利用規約ウォッチャー みなしボウイです。
Makuake利用規約」をウォッチしていきます。「Makuake」は、サイバーエージェントの新規事業として生まれた、年間流通総額200億円を超える国内屈指の(購入型)クラウドファンディングサービスです。

Makuake

今回、重要な4つのポイントに注目して利用規約をウォッチしていければと思っています。


安心安全にサービスをご利用頂けるポイントになりますので、最後までよろしくお付き合いください。


Makuakeとユーザーの関係性

Makuakeとユーザーの関係性については、第2条(本サービスと当社の役割)にしっかりと定義が記されています。

1. 本サービスは、アタラシイものや体験の応援購入サイトであり、会員間での交流やプロジェクトに関する応援購入の場や機会を提供するサービスです。
2. 会員間契約は、プロジェクトに関しサポーターとプロジェクト実行者の間において成立するものであり、当社は、その契約には一切関与いたしません。また、プロジェクトに関与するサポーターとプロジェクト実行者以外の会員又は第三者(以下「関連当事者」といいます)が会員間契約に基づき何らかの権利を持ち又は義務を負うか否か、会員間契約又は関連当事者の権利義務の消滅や返金、補償等の取り扱いについても、当社は一切関与いたしません。
3. 会員間又は関連当事者との間においてトラブル等が発生した場合についても、当社が定める基準を満たした場合を除き、当社が紛争の解決のためのあっせん、調停、仲裁その他の紛争解決に向けた措置を講じることはありませんので、本サービスの利用に際しては十分に注意し、予めご了承の上ご利用ください。

Makuake利用規約 第2条(本サービスと当社の役割)

Makuakeの場合、プロジェクトのサポーターを募集するユーザーのことを「プロジェクト実行者」、プロジェクトに共感して「応援購入」の申込みをするユーザーのことを「サポーター」と呼んでいます。そして、応援購入とは、サポーターが、プロジェクトに共感等をし、応援等の意味合いも含めてプロジェクト実行者に対してリターンの対価の支払いをすることとなっています。

Makuake の仕組みと料金について

サポーターとプロジェクト実行者との契約は、「会員間契約」により直接成立し、Makuakeは一切関与しないことになっています。これは、サポーターとプロジェクト実行者との間でトラブルが発生した場合は、そのユーザー間によって解決する必要があります。クラウドファンディングの場合、プロジェクトの遅延や中断などが時折ありますが、その場合の解決もユーザー間で直接行うことになります。


プロジェクト実行者に関する条件

Makuakeでは、プロジェクト実行者に対しては利用規約に加えて、「実行者ガイドライン」へ同意するように求めています。

1. プロジェクト実行者になろうとする会員は、「プロジェクト実行者ガイドライン」(https://www.makuake.com/pages/guideline/)に同意した上で、当社が定める方法によりプロジェクト実行者登録をする必要があります。
2. プロジェクト実行者登録をした者は、当社の定める方法にてプロジェクトのサポーターの募集の申請をすることができます。
3. 当社が、「プロジェクト実行者ガイドライン」に従い前項の申請を承認した場合には、プロジェクト実行者は、当社の定める方法によりプロジェクトをMakuakeにおいて発表・掲載し、プロジェクト期間における目標金額の達成を目指すものとします。

Makuake利用規約 第5条(プロジェクトの発表・プロジェクト実行者に関する条件)

実行者ガイドラインにおいても、サポーターとプロジェクト実行者の間に会員間契約が成立することが明記されており、プロジェクト実行者がプロジェクトの進捗について責任をもって管理し、サポーターに対して適宜報告するように求めています。


応援購入金の取扱い

プロジェクト実行者は、会員間契約に基づきサポーターにより支払われるリターンの対価を、プロジェクト実行者に代わって受領する権限をMakuakeへ付与することになります。

1. プロジェクト実行者は、会員間契約に基づきサポーターにより支払われるリターンの対価を、当社がプロジェクト実行者に代わって受領する権限を当社に付与するものとします。
(中略)
3. 会員間契約に基づくサポーターのプロジェクト実行者に対する支払い代金債務の弁済(以下「会員間契約の決済」といいます)が完了する時期は、応援購入の完了時点となります。

Makuake利用規約 第9条(サポーターのお支払いとプロジェクト実行者による応援購入額の受領)

いわゆる「決済代行スキーム」と呼ばれるものであり、プロジェクト実行者がMakuakeへ代金の「代理受領の委託」(代金を受領する権限を預けること)をし、サポーターがMakuakeへ代金を支払った時点で支払いは完了し、その後、Makuakeがサポーターから受領した代金をプロジェクト実行者へ引き渡す、ということになります。

1. 当社は、当社の社内規程等に従い、応援購入金を専用口座に当社の自己資金とは分別して管理した上で、サポーターごとの入金額を帳簿により管理するものとします。
2. 応援購入金の支払いから会員間契約の決済完了までの間に、当社のほか銀行、収納代行会社、決済代行会社等が破綻し、又はその他の理由により取引履行することができなかった場合、会員間契約の決済が完了しない場合があります。この場合には、会員間契約は自動的にキャンセルされるものとし、プロジェクト実行者はサポーターにリターンを提供する義務を負わず、サポーターはプロジェクト実行者に応援購入金を支払う義務を負わないものとします。
3. 本利用規約に従い会員間契約の決済が完了した場合、プロジェクト実行者は、本利用規約に別に定める場合を除き、応援購入金の受領の有無を問わず、サポーターにリターンを提供する義務を負うものとします。ただし、サポーターが会員間契約のキャンセルにつき同意した場合はこの限りではありません。

Makuake利用規約 第10条(応援購入金の取扱い)

ECサイト等の運営するエスクローサービスが、登録の必要な「資金移動業」であるのか、それとも登録が不要な「決済代行」であるのかは、度々議論になるところですが、Makuakeの場合は、決済代行として立てつけられています。


Makuake STOREについて

Makuake STORE

Makuakeは、成功商品を購入することの出来る「Makuake STORE」をスタートしています。Makuake STOREに関する利用規約として、「「ECサービス」利用に関する特約(購入者様用)」が定められています。

1. EC会員間契約は、販売者と購入者の間において成立するものであり、当社は、その契約の履行には一切関与いたしません。また、EC会員間契約に関する販売者と購入者以外の会員又は第三者(以下、「関連当事者」といいます)がEC会員間契約に基づき何らかの権利を持ち又は義務を負うか否か、EC会員間契約又は関連当事者の権利義務の消滅や返金、補償等の取扱いについても、当社は一切関与いたしません。
2. 会員間又は関連当事者との間においてトラブル等が発生した場合についても、当社が別途定める場合を除き、当社が紛争の解決のためのあっせん、調停、仲裁その他の紛争解決に向けた措置を講じることはありませんので、ECサービスの利用に際しては十分に注意し、予めご了承の上ご利用ください。

Makuake利用規約「ECサービス」利用に関する特約(購入者様用) 第2条 (ECサービスと当社の役割)

Makuake STOREについても、販売者と購入者の間において「EC会員間契約」が直接成立するということになっており、Makuakeは一切関与しないことになっています。

Makuakeが直接の販売者とはならないスキームとなっているようです。インボイスの扱い等に注意が必要です。


購入型クラウドファンディングには、先進的な魅力あるプロダクトが入手できる機会がある一方で、通常のECサイトとは異なる責任分界点があると言えます。これまでにもいくつかの事象がありましたが、気をつけて利用していきたいものです。

今回は、このあたりで終わります。ありがとうございました。


なお本投稿における、発表内容は発表者個人の見解に基づくものであり、本投稿にて取り上げられている組織及びサービスの公式見解ではありません。

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