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【短編小説】路面電車の日(歌詞風)

静かに響く音を聞きながら
斜め下を走っていく車を眺める

段々口元が緩んでいく
だって好きなんだもん

通り沿いのビルは歩くときよりも高い位置
カフェでお茶してる楽し気な笑い顔が見える

反対向きの車両がやってきたから
少し顔をそらして車内をぐるり

隣の男の子はこの中をキラキラの瞳で見まわして
その向こうのお母さんも嬉しそう

また来ようねって聞こえるから
きっと少し遠くから来たんだ

じゃあまた今度会えるかも
キラキラの瞳に出会うと元気になれる

あっちにもこっちにもキラキラの瞳
気が付けば笑顔で溢れてる

今日は私もキラキラのはず
お気に入りのTシャツを着てるから

ずーっとしまいっぱでしわくちゃになってた
大事にしすぎて着られなかった

でもやっぱり好きだから、着たくなって
そうよ、季節も丁度いい
今着ないでいつ着るの!って
流行りの先生が脳内で発破をかけた

好きな服を着るのは少し照れくさい
でもそれ以上に
好きが一緒にいるのが嬉しくて幸せになれる

このあとはお気に入りのカフェで大好きなパフェを食べる
好きなTシャツを着て
好きな路面電車に乗って
好きな事をする

このあと訪れる最高の一日に
きっと私の瞳もキラキラしてる
隣の男の子と目が合っちゃったけど
クスって笑って、もっと嬉しくなった


 本日は「路面電車の日」と「蔵出し!Tシャツデー」だそうです。他にも沢山ありましたが、私がピックアップしたのはこの二つ。日本記念日協会様より。

 お気に入りで好きで、でも汚したく無かったり大事にとっておいてしまいこんでしまう、というのは良くある話なんじゃないでしょうか。蔵出し!TシャツデーはまさにそんなTシャツを着よう!という啓発記念日だそうです。わかるなぁ、としみじみしてしまいました。ついつい、あーこれすき!と派手な柄のシャツを買ったものの、手持ちとは合わないな…とか、着ていく場面限られない…?としまいこまれ、結局は部屋着になってしまったり。買うときはウキウキで着る日を思い浮かべていたはずなのに、どうしてこうなった?となってしまう結末です。そうなるのを防ぎ、お気に入りのTシャツを着て、好きな所へお出かけ、きっと楽しいと思うんですよね。
 作中では、路面電車の日も絡めたかったので、路面電車がすきな子にしました。私も割と好きな方ですし、子供たちが、こういう乗り物、好きなんです。遠いので、なかなか乗りに行くことはできませんが、たまにお出かけした時に乗れると、まぁはしゃぐはしゃぐ…大きな声を出さずにいい子でいてもらうのが大変です。でも、その時の彼らのキラキラした瞳はとても元気になれますよね。
 好きな服を着て、気持ちを上げて、好きな事をして、もっと楽しくなって。そんな一日を過ごせる人が沢山いますように。

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