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ゾンビもの映画や作品のおかしさ、矛盾と、最適生存解の考察

ゾンビ映画の悪夢で飛び起きました。まれによくある?笑 ことですが、今回ばかりは、無性に腹が立ったので、ゾンビ映画のおかしさ、設定の矛盾でもついてみようとおもいます。※あんまりゾンビ映画は好きじゃないので、詳しくはありません。論考が中心です。








感染経路と方法、と潜伏期間と拡散度合

ゾンビと聞けば、感染しないように逃げ回る流れが一般的です。さて、しかしよくあるその流れと、実際にゾンビという病気や異変の感染経路やら方法やらを照らし合わせると、色々おかしいことに気づきます。

例えば、ゾンビの噛みつきや血液が体内に入る等の、単体から単体メインの感染方法であったとすれば、感染爆発とはならないと思います。1から2.2から4と倍々に増加していくので一気に数が増えるように見えますが、人間の歩行速度程度でしか拡散は広がりません。車や新幹線や電車やら本気で人が逃げれば、すぐに安全地帯へ到着です。そのうちに、異常が公になり、異常円の外周から内側へと殺戮作戦を行えば、人間側の勝利に簡単になります。

じゃあ潜伏期間を設けてみよう!という案だとどうでしょう。感染しても、すぐに発症しない、しかし感染後の潜伏期間中に、なんらかの形で人に感染が広がるとすれば、単純な人間の歩行速度を超えて広がらせることができます。実際ゾンビ映画では、仲間の誰かが噛まれてしまい、数時間後には感動ドラマの末に殺すみたいなこともままあります。(噛んですぐに発症するモブキャラもいるのに、そのへんのご都合主義はどうなん?とも思いますが……)

感染した人が色々な街にいけば、多方面で感染が広がるので、これなら感染爆発するかもしれません。しかし、潜伏期間を長く設ければ設けるほど、拡散度合は高まりますが、反面、発症までの時間に差がでてきます。つまり、映画のようにいきなり多人数がドーン!と押し寄せるではなくて、ぽつぽつと各街から感染事例が報告されるみたいなことになります。こうなると、感染は広がったとしても、街や政府が機能停止 → ゾンビへの対抗手段を失う → 映画みたいにただ逃げまとう みたいな流れにはならずに、何らかの形で隔離、駆逐されていくことでしょう。

感染が弱すぎても、強すぎてもダメ(誰も生き残れない)がポイントですね。






ゾンビ映画が成立しそうな3条件

1、噛みつき以外の感染経路を持つ
2、人間 < ゾンビ
3、その他障害との合わせ技


少し考えて見えてきました。上の話を裏返し、上記3条件をしっかり満たせば、ワンチャン、ゾンビ映画のあの感じを再現できるかもしれません。



1、噛みつき以外の感染経路を持つ

1は、噛みつき以外にも蚊が菌を媒介するとか。あるいは人為的なウイルスであり、都市部の駅とかで意図的に同時多発的に撒かれたとか。要は、通常の単体感染ではなく、広範囲に一斉に感染させるような”何か”をおこせれば、ゾンビが多人数で一気にドーン!が再現できます。ただし、前者の場合、主人公らには感染しないうまい菌の媒介は成立できるのでしょうか。虫や微生物や目に見えない何かが原因とした場合、なんか知らぬ間に感染しちゃったデス♪みたいなことになってしまい、映画みたいな緊迫感は損なわれます。気づかないうちに全滅です。

後者のウイルスバラマキの方は、かなりましなプランです。最初こそ広範囲に一気に広がるが、後半は単体から単体なので感染が緩やかになるとなれば、映画の感じにぴったりです。ただ、逆に言ってしまえば、ゾンビ映画のあの感じにするには、人為的しかないということになってしまいそうです。陰謀説とか組織的犯罪というなんとも人間の業というか、ゾンビではなく本当の恐怖は人間という社会派ドラマみたいにテイストが変わってしまいそうです。



2、人間 < ゾンビ

映画の見せ場としても有効ですし、感染の話ともかかわってきます。アイアムアヒーローを思い出しますね。人間 < ゾンビの戦闘力を強調することもゾンビ映画が成立する条件だと思います。これまで単体から単体と表現してきましたが、ゾンビが無駄に強くて、一度に何人も感染させることができる かつ、一般人ではほぼ対抗できないとすれば、少し話は変わります。

上のウイルス説に近くなります。駅とかで突如発生したゾンビ症状の一人が、いきなり辺り一面を侵食する。またゾンビ化した人も、一気に広範囲に広がっていく。そして走るよりも早くゾンビは動き回り、人間を感染させていく。歩行速度を超えた一気に爆発的な感染で、多人数ドーンを再現できます。

ただ、こうすると感染速度とゾンビ作品の進行速度の帳尻があわなくなっていきます。感染が速くなりすぎるからです。イメージしてほしいのですが、プレデターみたいなやつが、どんどん加速度的に数を増やして襲ってくるとして、一介の高校生集団みたいな奴らがどうやって生存できるんでしょうか。無理です。逆に言えば、感染速度の速さと生存率の帳尻をあわせれば、なんとか映画みたいな展開にすることもできるかもしれません。

例えば、やけに凶暴で強くなって感染爆発させるゾンビもいれば、むやみやたらに人を襲わないゾンビもいるとかならばいけそうです。単体だと温厚だが、群れたり扇動されたり大きな音を聞くと狂暴化するとかそういう性質でもいいかもしれません。絶対に音を鳴らしてはいけないみたいな映画も昔ありましたね。笑 人間 < ゾンビではあるが、ゾンビの性質によって全員が襲うだけではないにすれば、感染力は強いが、生存率問題もクリアできそうです。

ただこうなってくると、人権問題というか……ほぼ人間寄りのゾンビ。襲ってこないなら無理に殺さい方が良いとか、差別を問題提起するような社会派ドラマになってしまいそうです。

もしくは、弱体化と先祖返りみたいなアイディアの方がいいかもしれません。たまに発生する凶悪種は強いし一度に感染を広めるが、ほとんどはザコしか生まれない。そして感染が広まるにつれて、ザコの割合が増えていく(ウイルスみたいに弱体化していく)。しかし稀に突然変異で、先祖返りした強い個体が生まれるとかにすれば、感染は速いが生存率もそこそこ問題もクリアできそうです。もうここまでくると人間とウイルスとのお勉強映画みたいになってきて、はたらく細胞みたいに俯瞰した気持ちで眺めてしまいそうな気もします。笑




3、その他障害との合わせ技

なんだかんだいって自衛隊とか、政府機能が維持していれば、自動小銃でゾンビなぞ駆逐できます。政府機能を止めなければ、誰も助けにこない。この世の終わり感を演出できません。

しかし、これまで話した通り、全部ゾンビのせい!として政府機関まで止めるには、感染速度や生存率と進行速度問題から、あまりよろしくありません。というわけで、ゾンビはゾンビ。政府機関やら街の機能が停滞するには、別の要因が重なっているという条件があったほうがゾンビ作品の進行に近くなると思います。

大規模地震による自然災害と同時にゾンビを発生させるとか電気障害攻撃(EMS?)で大規模な範囲で電気設備が全て死ぬとか。後者だと車とかも動けなくなりそうですし。どうなんでしょう。作品の自由度が落ちて後々、展開に困って続きが書けなくなりそうです。






生存最適解

もっとこうすれば生き残れる!みたいな最適解が出てくると思ったのですが、これまでの話を踏まえると、ゾンビの性質による、そのゾンビ次第というなんとも曖昧な答えしかだせなさそうです。

とにかく遠くに逃げる作戦が有効な時もあれば、人気のいない場所を目指すでも。政府機関が執行するまでの数日間~数週間の籠城戦もありえるわけです……。

コロナウイルスとか、災害時のうんたらとも共通しますが、結局は情報戦なんでしょう。相手の性質や傾向をひたすら分析して集めて、周囲の状況の情報も集めて、噂やデマに惑わされない。それが生存率をあげる最適解だと思います。とはいえ、情報を集めることが難しい場合には、これまでの話のように、今起きている現象から逆算して、こういう感染爆発が起きていて助けが来ないしラジオやらネットでも全然なにも情報がながれてこないとなれば、こういう状況だと推測して動くことも必要になると思います。






おわりに

政府機関を止める作戦(とまった時を狙う作戦)まで加味され、ウイルスバラマキ部隊が各都市部で暗躍する国家攻撃。大きなテロ組織の人為攻撃説

大規模自然災害(や考えられないような天変地異)が生じたことによって、その余波として、多種多様なゾンビが生まれ増殖していく世紀末物語。あるいは地球からの反逆みたいな物語。

というわけで、上記二つならばゾンビ作品のような世界観や演出の感じが再現できると思います。ただし前者の本当の敵は人間かよ!という説を採用すると、話が壮大になるのでシリーズ化必須と後半のもはやゾンビ作品ではない感に悩まされそうですね。こじんまりしてしまいますが、黒幕を薬剤会社の幹部の1人にして、薬を盗み出してうまいことばらまいたぐらいでも、ぎりぎり成立するかもしれません。後者の方がスムーズかもしれないですね。ただし壊れた街?壊れた街並みを再現となると制作費がうなぎのぼりですね。小説やアニメならこちらがよさそうですね。

さて、最後に少し話は変わりますが、ゾンビ映画よりも限界状況での人間心理みたいな方が好きです。パッと思いついたのは映画ミストですかね。魔物が召喚されて霧だらけ。スーパーに30人くらいが逃げ込み。新興宗教がおこったり。ズルや駆け引きがうまれたり。最後のシーンがなかなかです。そういうので面白い作品をご存知でしたら教えてください。笑


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