変形性膝関節症で起こる鵞足部の痛みについて
今日も柔道整復師、理学療法士、整体師の方、新人の方に向けて、僕の実際行っていることについて書いていきます
接骨院、病院では変形性膝関節症と診断されて、来院されている患者が多いと思います
今日は変形性膝関節症に起こりやすい鵞足の痛みについて書いていきたいと思います
変形性膝関節症で多い鵞足の痛みのメカニズム
変形性膝関節症の患者は鵞足部に疼痛を訴えることが多く、むしろ主訴が鵞足部の痛みのこともよくある印象です
なぜ、変形性膝関節症の患者で鵞足部痛を訴えるのでしょうか
鵞足とは、縫工筋・薄筋・半腱様筋の3筋でガチョウの足に似ていることから、鵞足と呼ばれています
いずれの筋も脛骨粗面の内側に停止し、鵞足と脛骨の間にある鵞足部滑液包が牽引ストレス、摩擦ストレスといった力学的ストレスによって刺激を受け発症します
鵞足炎を起こす代表的なアライメントは外反膝と教科書上記載がありますが、変形性膝関節症の患者の多くは内反膝です
ではなぜ鵞足部に疼痛を訴えるケースが多いのでしょうか
論文によると、
原因は荷重時の大腿骨内顆の内側への移動量が増加するため
と記載がありました
大腿骨が歩行の際に、内側に異常偏位するような歩行形態の患者は、大腿骨内顆が鵞足を押し出すことにより、付着部に牽引ストレスが加わり鵞足炎が発症するとのことでした
また、変形性膝関節症の患者は内側の関節裂隙が狭小化するパターンが多いです
そして腸脛靭帯が緊張して、脛骨を外側に引っ張る運動連鎖が起こりやすくなっています
脛骨が外側に移動すると言うことは、鵞足部は伸長されることが予想されます
更に鵞足部には大腿骨内顆が内側から押し上げることにより更に伸長され、鵞足部の疼痛に繋がることが予想されます
つまり、脛骨が外側に引かれ、大腿骨が内側に移動する、この反復の動きによって、鵞足部にストレスがかかり疼痛が出現しているのではないかということでした
変形性膝関節症における鵞足部痛の施術のポイントについて
代表的な施術は鵞足筋のリラクゼーションですが、今日はそれとは違う施術のポイントを紹介します
下腿三頭筋の筋力強化、スパズムに対する施術
鵞足筋は下腿筋膜に付着しています
そのため、下腿三頭筋の筋力が低下すると鵞足筋が過剰に収縮して安定性を高めようとします
下腿三頭筋のスパズムがあり、筋出力が出にくい可能性や単純に筋力不足も原因としてあると思いますので、なかなか鵞足部の施術で結果が出ない時には、下腿三頭筋に対してアプローチしてみるのも良いかも知れません
明日も臨床頑張りましょう
ではまた
参考文献 運動療法のなぜがわかる超音波療法
参考文献 内側型変形性膝関節症に合併した鵞足炎の発生機序
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