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膝関節外傷の鑑別

今日も柔道整復師、理学療法士、整体師の方、新人の方に向けて、僕の実際行っていることについて書いていきます


今日は外傷系のことを書いていきます

膝関節で有名な外傷と言えば

①内側側副靭帯損傷(MCL)損傷

②半月板損傷

③前十字靭帯損傷

があげられると思います

それぞれについて書いていきたいと思います

①内側側副靭帯損傷(MCL)損傷

MCL損傷の圧痛点は大腿骨側に認めることが多いです

これは、大腿骨内顆が大きいため、大腿骨側のMCL部が大腿骨内顆によって内側から張り出されている状態になるので、普段からやや緊張していると言えます

この状態で、緊張が加わり大腿骨側のMCLが損傷をきたすことが多いとのことでした

ほか、MCLの深層は内側半月板と結合しているので、合併損傷を引き起こすことがあるので注意です

MCL損傷を疑うポイント

①MCL部の圧痛

②伸展での痛み(MCLは伸展位で緊張するため)

③外反動揺での動揺性と痛み

です

②半月板損傷

半月板損傷は年齢によってそれぞれ特徴が違うと思います

まずは小児の場合

こちらは円盤状半月(ディスコイド)が多い印象です

生まれつき、半月板が円盤上で大きいもので、通常の半月板よりも大きい上に柔軟性がなく壊れやすいので、ボロボロになってそれが関節に入りこみ、ロッキングを起こします

こちらは外側半月板に多く、両側性が多いです

なので子供で膝が痛いってなかなかないので、注意するべきだと思います

こちらは半月板の形成術などが必要になると思いますので、病院を紹介しています

臨床的なポイントですが、膝を屈曲していくと、途中でブルブルっとぶれる動きをします(求心が定まらない感じ)

参考になれば幸いです

次は青壮年です

こちらは外傷が多い印象です

きっかけがはっきりしていることが多いので、ポイントをしっかり見れば判断がつきやすいかなと思います

次は高齢者です

高齢者の半月板損傷はいわゆる変性断裂が多いです

半月板の内部から変性が始まって、いつの間にか切れているパターン

断裂形態はさまざまなものがありますが、水平断裂が多いとされています

こちらは半月板損傷が原因での痛みというよりかは、膝関節のOAが基盤となっての痛みが多いような印象です

半月板損傷を疑うポイント

①内側(MJL)、外側(LJL)の(関節裂隙)の圧痛

②関節水腫

③QS(大腿四頭筋)の萎縮

④フルフレクション(最終屈曲)での痛み

⑤マックマレー陽性

③のQSの萎縮ですが、こちらが顕著にみられる場合は、経過が長いんだなと判断できます

基本的に、屈曲時の痛みとJLの圧痛が確認できればマックマレーはやりません

マックマレーによって損傷を広げてしまう可能性があるので

③ACL損傷

ACL損傷を書くと非常に長くなってしまうので、ポイントを書きます

脛骨の前方移動と内旋を制御している靭帯とされています

なので損傷すると前外側回旋不安定になり膝がガクッとなる症状をよく訴えます

こちらを再現するのがピボットシフトやNテストになります

発生機序はknee in toe   outでの発生も多いです

内旋を制御しているので内旋での損傷もありますが、knee in toe   outだと下腿は外旋しています

なぜ損傷するのかというと、knee in toe   outの際に、大腿骨外顆がACLを巻き込むようにして回旋するので、大腿骨外顆によって引き伸ばされる損傷形態を呈するようです

臨床症状は疼痛、関節血腫、ROM制限、歩行障害です

ACL損傷を疑うポイント

①関節血腫

②膝崩れ

③ラックマンテスト、ピボットテスト陽性

④発生機序

同じような発生機序で同じような症状を呈するもので注意が必要だなと思ったのは膝蓋骨脱臼です

こちらも同様の発生機序起こります

ACL損傷と膝蓋骨脱臼との鑑別

膝蓋骨脱臼はほとんどが外側に脱臼します(QSのベクトルが外方に向いているので)

そして患者自身で整復してくるケースがほとんどです

なので外観上はACL損傷と変わりません

ポイントが

①アプリヘンジョンサイン(膝蓋骨を外方に押して、再脱臼しそうな不安感)を訴えるか

②内側膝蓋支帯部の圧痛

外方に脱臼するので、内側膝蓋支帯部にストレスがかかって切れますのでそこの圧痛があるかどうか

こちらをみるようにしています


以上、今日は膝関節の外傷について書きました

それぞれ参考になれば幸いです

今日も臨床がんばりましょう

ではまた



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