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Mr.CHEESECAKE 田村さんと語る 「長く愛されるブランド作りとデリバリー業界の今後」〈前編〉

KitchenBASE直営店舗の看板商品である「NY屋台メシ‼︎チキンオーバーライス」が生誕1.5周年を迎えました!今回は記念対談として、Mr.CHEESECAKE代表の田村浩二さんをゲストにお招きして「長く愛されるブランド作りとデリバリー業界の今後」をテーマにお話していきます。

 発売開始から1年半が経つ「NY屋台メシ!!チキンオーバーライス」は月商450万円越えの人気商品に成長し、今も尚進化し続けています。(現在は目黒・神楽坂・浅草・中野の4箇所で展開中)

 一方Mr.CHEESECAKEを通して多くのファンを魅了し、ブランドのアップデートを重ねている田村さん。田村さんの考える魅力的な商品づくりとは何かをお聞きしていいましょう!

 今回は新ソース3種も試食していただいたのですが、果たして田村さんの評価はいかに?!

 <参加者>
Mr.CHEESECAKE代表:田村浩二さん
代表大介:山口大介、​​キッチン運営責任者/ブランド開発:武田玲佳、PR:有村理沙

 

山口と田村さんの出会いとチキンオーバーライスの誕生

 
有村:まずは山口さんと田村さんの出会いから振り返っていきたいのですが、どこでお知り合いになったのでしょうか?

 
山口:KitchenBASEを創業して2年半になるのですが、立ち上げたときに自分は飲食業の知見がありませんでした。そんな折、知り合いが田村さんの存在を教えてくれたんです。

初めて田村さんのレストランを訪れたとき、あまりの美味しさにに衝撃を受けまして・・・ダメ元でお話をお伺いしたいと連絡をさせていただいたところ、なんと返信をしてくださったんです。

 当時はシェアキッチンをすることは決めていましたが、デリバリーにするかを悩んでいる状況でした。その時、田村さんからいただいた言葉が大きな後押しとなり、その足で施設用の物件を決めに行ったことを覚えています。 


田村さん:
当時はいろんな方からご連絡をいただいていて、同じような話を聞いていました。その中でも、山口くんは自分で商品販売を行った経験やアイディアを持っており、行動が伴っていたんです。既にPDCAが回せているのであれば、食に関する部分は自分がお手伝いできるかもしれないと思えましたね。

 
山口:田村さんには初期テナントの審査の際もお力添えいただきました。中目黒の施設に入居希望してくださっていた10組ほどのメニューを試食していただき、3テナントを選定しました。


田村さん:
当初は皆さん慣れないキッチンでつくっていましたし、デリバリー向けという想定が為されていないメニューもありました。判断の基準は難しかったですね。

 



有村:4キッチンしかない中目黒に応募が殺到し、選定も難しかったですよね。そしてKitchenBASEとしても1キッチンに直営店舗を出しました。今となっては定番商品となったチキンオーバーライス、ぜひ誕生秘話をお聞きしたいです。

 
山口:キッチンベースの直営店舗では、最初はサラダやスムージーなどの既存ブランドを取り扱ったり、様々なメニューを開発してみたり、試行錯誤していました。求めるメニューができずに食の難しさに直面していた折に、田村さんにご相談させていただきました。

 
田村さん:デリバリーに向いた商品にするには、「多少冷めても美味しくて、やみつきになるもの」が必要でした。その中で味つけがしっかりしていて、ヘルシーでボリュームのある鶏肉がいいとなりましたよね。

 実際にレシピ作成する段階では、自分が作ったものを落とし込むのではなく、KitchenBASEが作った案に自分がアドバイスをして改善していきました。

現場で育てていく料理は、現場のスタッフが作ることが大切ですし、そうしないと社内にノウハウが蓄積していかない。細かい味付けやオペレーションの改善方法など、一連の動作に対して具体的な助言を行いました。

 

アドバイスをくださる田村さん


デリバリー料理の場合は、キッチンで美味しい状態に仕上げても、食べるときの美味しさを完全に一致させることはできません。できる限り同等の美味しさを届けつつ作業工程を簡易化し、お客様のもとに早くお届けすることが、店側と客側の双方にとって1番いいやり方だと思います。

 山口:実際にチキンオーバーライスも、1品作る時間が7分から1分に短縮できましたよね。

 田村:Mr.CHEESECAKEのようなD2Cの場合はSNS上でお客様とコミュニケーションをとりながら継続に繋げますが、 デリバリーでも同じ考え方が大切です。

お客様にフィードバックがもらえる環境作りが大事なので、QRコードを載せたカードを同封することやコメントを残せるフォーム作りなども行いましたよね。

 

チキンオーバーライスと一緒にお届けしているサンキューカード


チキンオーバーライスの道のりと次に向けた試み

 

有村:色々な改善を経て大ヒットしたチキンオーバーライス、今までの経緯や最近完成した新ソースについて教えてください。

 
武田:私はキッチン運営責任者を兼務する形で商品開発に取り組んでおります。初回につくったチキンオーバーライスの後にも、数多くの商品開発を担当させていただきました。直近ですと、「TOKYO POKE MAKERS =トーキョーポキ= 」のPOKE丼シンガポールの定番料理ラクサを開発し、販売をはじめました。


TOKYO POKE MAKERS   
【エビ出汁エスニックスープ】Ya! LAKSA


チキンオーバーライスは、手作りのサルサソースやトッピングにゆで卵やチェダーチーズ、トルティーヤチップスやパクチーなどを加えながら少しずつアップデートを重ねてきました。 

お米の硬さについてご意見も多く、本場のパサついたものよりも日本人好みの水分の多いライスに変えました。先ほど田村さんがおっしゃっていた通り、SNSやサンキューカードなどを通してお客様のご意見をしっかり見て、できる範囲で要望にお応えするようにしています。

 
そして今回は1.5周年ということもあり、ソースを新たに開発しました。激辛!!ハバネロソースハニーマスタードソースジェノベーゼソースの3種類で、激辛!!ハバネロソースは、既存のHOTソースよりも辛いものを求めるお客様の声を反映してつくりました。ハニーマスタードは甘さとジャンクさを、ジェノベーゼは濃いバターソースとハーブの爽やかさを合わせたものでナッツの食感も楽しんでいただけます。


 

有村:今回は3種の新ソースを田村さんにもご試食いただきました!ご感想はいかがでしょうか?ぜひ厳しいご意見もお願いします!笑 

 
田村さん:ありがとうございます、ソース毎に私の感じたことをお伝えしていきますね!


・・・と各ソースごとに細かいアドバイスをいただいたのですが、それは企業秘密!
新ソースも改善していきますので、お楽しみに。

 
武田:金言の宝庫すぎてメモを取る手が止まりません・・・のちほど録音した音声も聞き直し、早速改善してみます!

 

商品開発のヒント


山口:田村さんはなぜ食に対してそんなに解像度が高い考察やコメントができるんですか?

 
田村さん:自分が本当に美味しいと思うもの以外はすべて何らかの違和感を感じるので、いつもその原因を考えています。集中することで、味覚や嗅覚が研ぎ澄まされているんです。

 昔から食べるものには注意していて、20歳頃からは週1回はレストランに行き何が心地いいかを意識して食事をしていましたし、フランスに渡った時も食べるもの一つ一つに集中して過ごしていました。1食3品料理が出たとして、1日で約20種類もの食材が使われているとすると、本当に多くの食材を口にしているんです。意識を向けることで、味のデータ量が違ってきます。その感覚を棚卸しして、言語化して人に伝えるようにしているんです。

 

山口:いつも思うのですが、田村さんの食材への愛を感じますよね!


田村さん:
産まれが海の町で市場があり、父の実家が農家だったので、食材に囲まれて育ったこともあるかもしれませんね。例えば、トマト一つにしても地域や時期で美味しさが異なるので、どう加工したら1番美味しくなるか、どの食材を合わせたら最適かを考えています。食材が好きなことに加えて、食材に詳しいことは料理人の必然的な武器だと思います。

 チキンオーバーライスを例にすると、例えば使用するマスタードの調査や食べ比べをして試行錯誤することで、深く語れる商品になる。その小さな積み上げで料理が美味しくなります。


有村:”ストーリーのある商品作り”というお話がありましたが、Mr.CHEESECAKEのプロダクト開発についても教えていただけますか?

 
田村さん:ミスチはいろんなフレーバーがありますが、基本的には自分が作りたいものをベースにしています。お客様からの要望と季節感が一致してつくることもありますね。最近はマロンはチーズケーキに合わないと思いつつ挑戦してみました。一見合わないかなと思う素材も、実際に組み合わせてみることで分かることもありますね

 

期間限定で発売された、Mr. CHEESECAKE  MARRON

 今は既に来年秋の商品を考えていて色々な食材を加工してキープしています。どの生産者が、どのタイミングで、何をどう作って、彼らとどのようなコミュニケーションをとるのかは会社の中でも自分しか知らない領域です。数も多くなってくると調達する原材料を把握しておくことが重要で、来春の食材も1月には決めていきます。

数ヶ月前に資材を発注するとなると、その前にフレーバーを決める必要がありますよね。

 
山口:たしかに言われてみるとそうですね・・・

 
武田:我々はまだそこまで計画的にできていないのが課題でもあります。お話を聞いているだけで学びになることばかりです!

 

今回はチキンオーバーライスの誕生から1.5年を振り返りながら、魅力的な商品をどのようにつくるのかを語っていただきました。

〈後編〉でも引き続き、長く愛されるブランドづくりKitchenBASEの今後の展開についてお伺いしていきたいと思います。お楽しみに!

 

▶︎ デリバリーキッチン「KitchenBASE(キッチンベース)」とは?

デリバリーキッチンとは、オンラインで注文を受けるデリバリー専用のキッチンです。KitchenBASEでは1つの空間を区画で分けて複数の店舗でキッチンをシェアするため、デリバリーキッチンと呼んでいます。

KitchenBASEでは飲食店開業のハードルをグッと下げ、デリバリーという分野からテナントオーナーの挑戦を手助けするサービスを提供しています。

テナントオーナーが同じキッチンのメンバーともコミュニケーションをとりながら、より良い環境で楽しく自分の料理づくりに打ち込めるようにサポートしていきます。

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