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北村有
2018年3月19日 10:52
真夏なのに雪が降る夢をみた僕は、疲れてるんじゃないのと笑う恋人を横目に無視しながらいつもの濃いコーヒーを淹れる。苦い。とびっきり濃くて苦いやつをだ。そうすると一気に僕の目が覚める。頭の中にはまだあの不思議な真夏の雪の幻影がちらついていて離れてくれない、拭い去るには恋人よりも濃いコーヒーが要る。 ねえ、とめげずに恋人が言う。 今日どっか行くの? と不要な確認をしてくる。 何処かへ行かない