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海のうた

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海のうたを鑑賞します
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記事一覧

身体の痛みを越えてゆく

わたしは泳げない。 水に顔が濡れるのが苦手で、水中で目を開けることもできない。足が地面に…

kitayama
11日前
13

人魚スーツを脱ぐ

働く女子を詠んだ歌。 憂鬱な月曜日、なのに、すごく自由なエネルギーを感じる歌。 それは「…

kitayama
2週間前
12

波が従きくる

写実や発見の歌に対して「よく見ている」と評したりするけれど、この歌は「ぼーっと見ている」…

kitayama
4週間前
8

雷が海に落ちたね

この夏に左右社が刊行したアンソロジー『海のうた』を読んでいて気になった歌。 「雷が海に落…

kitayama
1か月前
3

骨組みだけの海の家

5月の「さまよえる歌人の会」に参加したときに好きな歌として挙げた一首。 晩夏光……夏が振…

kitayama
1か月前
10

オットセイでも飼はむ

この青竹踏みをしている父は病んでいる。 「肺胞の線維化」がすすむ難病にかかっていることが…

kitayama
3か月前
7

とんぼになっても

「とんぼになつて」ではなく「とんぼになつても」であることが大事だ。 今、人間の生を生きているわたしは海からの風に吹かれている。 これまでも折にふれて海へやって来たわたし。 浜辺では野球部の少年たちがトレーニングしていたり、棒きれが一本突っ立っていたりする。 わたしはここで悩んだり、すっきりしたり、海から何か大事なものを学んだりしてきた。 秋の少し涼しい風が吹いてくる。 生まれ変わったらとんぼって、どうだろう。 けっこう苦労して生きているんだから、来世ではもう少しいい思いを