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エッセイ『“大阪物語“という映画を観た』

池脇千鶴が好きでね。

こんな暇ならばせめて好きなものを見よってんで、池脇千鶴が出ている作品狙いでレンタルDVD屋にいそいそと行くわけですよ。

そこで『大阪物語』という映画を見て何故自分が池脇千鶴に昔からずっと魅力を感じていたのか何となくわかったわけですよ。

“ 声 “ ですな

鼻声ともまた違う、あの少し引っかかったような声質が僕の心をチロチロとくすぐっていたのだとコレを見て分かりましたよ。

いやぁ、しかし、うまいね。アッパレ。

あんなデビューして間もない、しかも多感な時期に、あんな役柄演じたらそらアナタ、それ相応の地肩はつきますよ。そこに元々のご自身が持つ才能が相まったらそらアナタどえらい覚醒を遂げますよ。そうゆう意味では能力がグーンと伸びるのは運であり、その運を持ってして掴んだ環境なのだな。ったく、ついてねーなぁ吾輩。

しかし、あの映画終盤のミヤコ蝶々の演技は全く演技には見えなかったね。役者を本気で極めるならばあそこまで行かないとイカンね。あの芝居を頂点とするならば現時点で自分は二合目にも達していないね。トホホ。

ジュリーと田中裕子は本物の夫婦なのに夫婦漫才師の役を演じるというドキュメントとドラマの間。僕変態なのでそうゆうの好き、贅沢すぎて鼻血が出そうだわよ。

そして大阪で人気絶頂期の千原兄弟ね、いとしこいし師匠とか坂田師匠とか新喜劇の原哲男さんとか、大輔さんも出てたしトゥナイトも居たし、もう当時のNGKの空気そのまま再現みたいな、ファンには堪らんね。後半町田康も出てきたし何という豪華さだ!コレぞまさにカリスマオールスターズ!

僕自身西成のあいりん地区周辺に4年ほど住んでいたからどうしてもノスタルジックにもなるの。あの汚い空気感とか新世界のリアルさ、すべてにおいて自然過ぎてただビデオカメラ回しているだけに見える。通天閣のとこで出てきた「自転車500円で買うてーなー」のあのオッサンが俳優だったとしたら、あんな芝居やる俳優は化け物だ。どうか弟子にしてほしい。

あの汚いアンモニア臭漂う西成特有の空気感と絵面をバックに真心ブラザーズの曲流されたら、カッコ良過ぎて、早く夏が来ないかなぁなんて久しぶりに希望が持てたりなんかしてね。


映画って良いです。


池脇千鶴もやっぱり良いです。


これからも一番好きな女優さんとして堂々と宣言していきますよ。


しかし好きな女優さんを見るためだけに借りた作品の中にこれほどまでに自分が好きな、自分の人格を形成してきたようなものがふんだんに盛り込まれているとなると、好きになったのはただの偶然ではなく必然のような気がしますな。

久々にそんな中学生の頃のような妄想をしながら寝ることにします。z…

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