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「ここはあなたの来る所じゃないわ。帰って」 井之方がアリスのバーに訪れた時、最初に出た…
三日三晩続いた吹雪はついに四日目の夜に突入しようとしていた。こんな吹雪の日に出歩けるの…
その建物は雪を抱く峻険な山の中腹で、山肌にへばりつくように建てられていた。黒ぐろとした…
今日も客は一人きり。深海のカプセルバーは静かだった。 アリスはカウンターの内側で黙っ…
店内はいつもどおり静かだ。気にならない程度の音量でジャズが店内を満たしている。ボーカル…
扉の向こうから転送エレベーターが到着したベルの音が聞こえた。 深海バーの扉は一見重厚…
犬がバーの入り口に向かって唸り声を上げた。 アリスはふと思った。 人間はなぜ犬に名前をつけるのだろうか? それが友情のしるしなのかもしれないが、アンドロイドからすれば不要なタグの一つにすぎない。 この犬はふとしたきっかけからここに住み着いてしまった。追い出す理由も見つからず、困りもしないのでそのままにしている。困ることが無い代わりに良いことも特に無い。強いて言えば、犬がいいると滅多に来ない客の表情が和らぐという程度か。 その犬が唸っている。 数秒後に
アリスはグラスを磨く手を止めて、自らが経営する深海バーの入り口を少しの驚きと共に見つめ…