マガジンのカバー画像

アンドロイド・イン・ワンダーランド

100
5分で読める短編SFを掲載しています。 AIが管理する超管理社会の片隅でバーを経営するアンドロイド・アリス。そこが政府管理外区だからか、アリスの特殊能力のせいか、いつもバーには厄…
運営しているクリエイター

#不思議

安らかなディメンジョン

「ここはあなたの来る所じゃないわ。帰って」  井之方がアリスのバーに訪れた時、最初に出た…

kitaryuto775
3年前
1

最果ての隣人

 三日三晩続いた吹雪はついに四日目の夜に突入しようとしていた。こんな吹雪の日に出歩けるの…

kitaryuto775
3年前
1

意識の足跡

 その建物は雪を抱く峻険な山の中腹で、山肌にへばりつくように建てられていた。黒ぐろとした…

kitaryuto775
3年前
4

短編小説:医者はいずこ

 今日も客は一人きり。深海のカプセルバーは静かだった。  アリスはカウンターの内側で黙っ…

kitaryuto775
4年前
1

短編小説「シニガミとウィスキー」

 店内はいつもどおり静かだ。気にならない程度の音量でジャズが店内を満たしている。ボーカル…

kitaryuto775
4年前
1

寂しい友達

 扉の向こうから転送エレベーターが到着したベルの音が聞こえた。  深海バーの扉は一見重厚…

kitaryuto775
4年前
3

ロック、ダブルで。

 犬がバーの入り口に向かって唸り声を上げた。  アリスはふと思った。  人間はなぜ犬に名前をつけるのだろうか?  それが友情のしるしなのかもしれないが、アンドロイドからすれば不要なタグの一つにすぎない。  この犬はふとしたきっかけからここに住み着いてしまった。追い出す理由も見つからず、困りもしないのでそのままにしている。困ることが無い代わりに良いことも特に無い。強いて言えば、犬がいいると滅多に来ない客の表情が和らぐという程度か。  その犬が唸っている。  数秒後に

犬もあるけばアンドロイドに当たる

 アリスはグラスを磨く手を止めて、自らが経営する深海バーの入り口を少しの驚きと共に見つめ…

kitaryuto775
4年前
3