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第39回環境感染学会に参加して

楽しく学ぼう感染対策 集え!京都へ!をテーマに第39回環境感染学会が国立京都国際会館で開催されました。
 
京都国際会館は左京区岩倉にあり宝ヶ池に隣接しています。宝ヶ池は、当院のある一乗寺や高野の村々の水不足を解消するために江戸時代半ばに開拓されました。水不足から解放されたお百姓さんにとって、宝物のような価値のある池という意味から名付けられたそうです。そんな歴史に思いを馳せながら学会会場に入りました。
 
2024年幕開け早々に能登半島地震が発生しました。現地の感染対策支援を目的とした日本環境感染学会災害時感染対策チーム(DICT)というものがあります。現在もなお、避難所・保健活動支援、被災地の医療機関への継続的な支援が行われています。本学会のメインテーマは災害医療における感染対策とCOVID―19だと感じました。
 
まずは、院内感染防止につながる環境消毒薬について聴講しました。標準化がすすんでいる抗菌薬に対し、消毒薬は標準化が遅れており、有効性評価が承認されていないとのことでした。
また、一般演題のノータッチ環境除菌法という薬剤ミスト噴霧除菌装置についての研究発表も興味深い内容でした。清掃だけではとりきれないウィルスを除去する方法でメリットデメリットともにあるものの有益であるとの結果が報告されており、当院においても採用を検討する必要性を感じました。
 
パネルディスカッションでは『病院機能の第三者認証制度を感染制御の視点から考える』というテーマで、院内外の医療感染に関する情報が十分に収集・分析がされておらず、自院の感染防止策に活かされていないという点が指摘されていました。この点についても当院においても協議していきたいと思いました。
 
学会参加を機に、さらなる感染対策の情報をスタッフみんなと共有したいという思いが高まり、多くはないのですが参考書を購入しました。
今後、環境感染学会で発表する機会をいただけるならば『チーム医療と感染対策』や『多職種で考える感染対策』など感染対策が病院全体で取り組まれているという内容を実践推奨していきたいと、いま思い描いています。
これはリハビリテーション病院として取り組むべき内容であり、患者さんの安全がはかられる医療看護の提供を推進する一助となるよう私自身も取り組んでまいります。
 
学会参加によりたくさんの学びがありましたが、以前、看護協会の新興感染症研修の実習先でご指導いただいた方が発表されていて嬉しい再会があったり、能登半島地震復興応援企画で石川県の人気のジェラートやアニメのコラボ企画があったりとイベント感満載で楽しむこともできました。
 
宝が池を臨む京都国際会館で、宝物のような価値のある時間を過ごさせていただきました。
発表者の皆様、運営スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
 

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