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文系の blender 4.0 コンポジットによるイラストレーション
イラストレーションの作画に blender を使っている方も少くないと思いますが、ここではおもに、通常のセットアップでレンダリングした画像を、コンポジターを使い、イラスト風に加工する方法を紹介します。
環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2
cycles
イラストレーションには、EEVEE でのレンダリングが通常だが、ここでは最初に cycles のレンダリング画像のイラスト化を試みる。
ほぼデフォルトでの cycles でのレンダリングから、ワールドプロパティの背景光をホワイト 100% とし、レンダリングプロパティ - カラーマネージメントのビュー変換を「filmic」とした。
![](https://assets.st-note.com/img/1710398690204-CaNQ7JAfGJ.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1710403142549-cYwKBZBhjo.jpg?width=800)
この画像をコンポジットノードで加工する。
![](https://assets.st-note.com/img/1710568653610-UbLBd64C6i.jpg?width=800)
コンポジットノードを表示するには、上部メニュー「Compositing」を選択し、「ノードを使用」をチェックし、レンダーレイヤーとコンポジットノードの間に、各ノードを接続する。
水彩画風
Kuwahara
kuwaharaフィルターは、ブラー効果のひとつで、油彩や水彩画のような雰囲気が出る。Photoshopのフィルターなどでもよくみかけるタイプ。
kuwaharaはおそらく桑原道義 京都大学教授。計測・制御工学が専門。
![](https://assets.st-note.com/img/1710398928981-IfH1wPPwUl.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1710403876254-zGW1zOknQ1.jpg?width=800)
Diamond Sharp Filter
線画レイヤー。アウトラインをつける方法は、グリースペンシルやフリースタイルなどがあるが、ここでは、フィルター(ダイヤモンドシャープ)で表現した。細かいラインがつきやすい。
ラインの太さや強弱などは、RGBカーブやカラーランプで調整する。
![](https://assets.st-note.com/img/1710398974035-EmpEnq66SD.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1710403580013-OvPQ4ku4pn.jpg?width=800)
合成
上の2タイプの画像を、ここでは、カラーミックス(オーバーレイ)で合成した。
![](https://assets.st-note.com/img/1710398899485-D0k0SI5YAL.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1710405238398-lZ00DsHxxg.jpg?width=800)
水彩画風 2
よりイラスト風にするため、洋ナシや、コーヒーカップなどの表面の凹凸(バンプによる)を無効にし、ベースカラーを単色に設定した。また、ライトによる表面の濃淡をなくすため、粗さは 1.0 とした。
![](https://assets.st-note.com/img/1710399070334-ANQjbcLt1T.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1710399221520-jLoupRTmZ2.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1710405990722-AovQtpYES0.jpg?width=800)
コンポジットによる加工は、1とほぼ同様。よりイラスト風になる。
ラインを加える方法は「ダイアモンドシャープ」の他に、「ボックスシャープ」、「ソーベル(Sobel)」がある。ソーベルの場合は、カラーランプで白黒を反転させる。太めのラインが出やすい。
EEVEE
そのままEEVEEに切り替え、Toonシェーダー風のイラストに加工する。設定はほぼデフォルト。レンダープロパティのカラーマネージメントのみ、下のように変更した。よりコントラストが明瞭になる。
![](https://assets.st-note.com/img/1710406775753-h10PeXx63W.jpg)
水丸
ライトは影を作る左側からのサンライト 1 灯。コンポジットによる合成はない。
![](https://assets.st-note.com/img/1710400008130-fvKhcYfcwF.png?width=800)
下は洋ナシのマテリアル。「シェーダーのRGB化」ノードを経由し、カラーランプでハイライト(明色)とシャドウ(暗色)の色をそれぞれ指定している。
![](https://assets.st-note.com/img/1710406961856-5U2n4ioJcD.jpg?width=800)
ブルーナ
画像ファイルのオブジェクト以外は単色とし、それぞれベースカラーを変更、加えて、ここではグリースペンシルを使用してアウトラインをつけた。
![](https://assets.st-note.com/img/1710727762665-ofgil1XiF1.png?width=800)
メニュー「追加」 > グリースペンシル > シーンラインアート を選択
LineArt(ラインアート)レイヤーが作成され、モディファイアプロパティから、ライン幅等を調整。
![](https://assets.st-note.com/img/1710466967724-S6MGFPDGUg.jpg)
コンポジットのアウトラインよりしっかりとしたラインが出る。ここでは、ライン幅以外は調整していないが、エッジタイプなどさまざまな調整は可能。
草間
すべてのマテリアルにボロノイテクスチャを貼った。
![](https://assets.st-note.com/img/1710727206402-OgpiLvtsIA.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1710727529861-bKENxBjZRh.jpg?width=800)
ペン画
ベースカラーにハッチング画像や、波テクスチャを貼り、上の cycles の場合と同様のコンポジットによる合成を行った。
左からのサンライトで、影と、テクスチャの濃淡を作っている。
![](https://assets.st-note.com/img/1710553024935-Uyt0gCcqcV.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1710567979189-pXHyNskdmJ.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1710568231110-mtHFReuKiw.jpg?width=800)
まとめ
上からも、ごく普通のレンダリング画像から、すこし手間をかけるだけで、さまざまな雰囲気のイラストを生成できることがわかります。
絵はかけないけど、モデリングはできます、という方に最適かもしれません。作品を手軽にイラストレーション風に仕上げたい場合に便利です。
参考になりますでしょうか。
先日、中学生の姪から「外国のひとがわたしがAIで作った絵を買いたいっていってるよ、アカウント作れっていってるけどどうしたらいい?」というメールがきました。最近よくある詐欺なんですね。いまどき中学生が作ったAI画が売れるほど世の中がズーズーしいとは思えません。
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