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blender 4.1 写真を模写する | インテリア キッチン

フォトリアルレンダリングを目指すには、やはり写真を真似するのが近道ではないでしょうか。そこで、よさそうなお手本を選び、いくつか模写修行に出ています。


環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4



お手本


お手本は、Japandi スタイルのキッチン。

引用元 : Making A Green Life by Lily
Exploring Wabi-Sabi, Minimalist, and Modern Japandi Designs

とてもよくできた CG である可能性もあるが、細部をみるかぎり(すこし気になるところはあるが)、おそらく実写。


モデリング


広めのひと部屋を作り、光の入る窓部分のみ開放した。窓の映り込みもないようなので、ガラス窓は作っていない。

カメラの焦点距離は、ほぼデフォルトの 60 mm。室内シーンの値としては標準的だろう。

背景は画像を適用した平面オブジェクト。放射を 1.0 としてすこし発光させている。

後述のサンライトを遮らない程度に、部屋から離して設置
どうしても光を遮る場合は、オブジェクトプロパティ 可視性 > レイの可視性 影をオフに



マテリアル


ほぼすべてのマテリアルは、素材に応じてテクスチャ画像を貼り、適切と思われる「粗さ」に適宜変更したのみ。ショールーム的な整った雰囲気なので、バンプなどの起伏もバスケットなど一部以外、設定していない。

もちろん一部は、ガラス(伝播 1.0)や金属(メタリック 1.0)素材も混在する。

テクスチャ画像の入手先については、AmbientCGARTXSketchupTextures などがおすすめ。


中央のアレンジメントについては、樹木生成用のアドオン「Sapling Tree Gen」を使用し作成した。

木のモデルをお手軽作成 [Sapling Tree Gen]

  • ジオメトリ > Load Preset 「Callistemon」

  • Branch Radius > 範囲の大きさ 0.2

  • Leaves > Show Leaves にチェック


葉のマテリアル

お手本のアレンジメントは、葉(花)が細かいので、ここでは葉のオブジェクトを細かくするのではなく、ボロノイテクスチャをアルファに接続し、一部を透過させることで、細かい表情を出してみた。

ポリゴン数の節約に
ボロノイテクスチャの黒のエリアは透明になる。


ライティング


背景光はデフォルトのまま。背景オブジェクトの発光のみの状態。


Sun


メインの照明としてサンライトを設置。お手本の右手前のテーブルの影から推測し、ライトの回転角度を設定する。

左 真上 右 真横 サン 強さ 3.0 角度 20(プロパティ内の値で、上の回転角度ではない)
プロパティ内の「角度」の値は、大きいほど影がやわらかになる。

ここではお手本があるので推測しやすいが、太陽光の強さ、回転角度によってシーンの表情ががらりと異なる。インテリアシーンではとても重要なライティング要素だ。お手本がない場合も、参考画像などから光の入る角度などを真似するのもよいかもしれない。


Area

通常はこのままでも悪くはないのかもしれないが、お手本のようなカタログ風写真では、全体に光が届いていることが多く、天井などにも明るさを加えるため、窓際にエリアライトを設置した。

強さ 60W インテリアシーンにはよくある補助照明
天井や右壁など全体が比較的自然に明るくなる


追加照明


左 ポイント 8W 右 エリア 10W 発光の形状 > 広がり 20

奥の壁にウォールウォッシャーを設置。および、テーブルの奥とチェアがすこし暗いので、背後から光源があると仮定して、ポイントライトを当てた。


画像修正


お手本と比べ、暗く、色合いも異なるので、Photoshop で調整。基本的な調整なので、コンポジットノードや、Gimp 等フリーウェアでも可能。

トーン(RGB)カーブ カラーバランス 色相/彩度
かなり明るめに調整。カラー関連はごく微調整。

また、Photoshop のシャープネスフィルター(スマートシャープ)を控えめに適用している。画像がシャープに、細かいラインなどが明確になる。


完成


ポストプロダクト後。下はオリジナルのお手本。

cycles 1024 samples 
お手本オリジナル 引用元前述


まとめ


小物などの細部がかなり甘くなってしましました。様々なアングルや、クローズアップなどもあるシーンでは、もうすこし作り込まないといけないでしょう。またやはり、ライティングがひじょうに重要な要素で、まだまだ改善の余地がありそうです。

ただ、全体的な雰囲気としては、このような流れで、比較的、フォトリアルな雰囲気は実現できているのでは。参考まで。

今回は必要ないかと思ったのですが、エリアライトの代わりに HDRI 背景光を適用したほうがよりリアルになったのかもしれません。大きくは目立ちませんが、照明に微妙なノイズ(不均一性)が入ります。


インテリア関連で、すこし前から目にするようになった、Japandi ですが、Japanese Scandinavian を合わせた造語で、和北欧風、と訳すのか、ナチュラルテイストでミニマム志向のインテリアデザインを指すようです。ただ、われわれからみると、単にモダンインテリアにみえなくもないのですが、外からみるとすこし独特なのでしょう。お手本も「Wabi-Sabi」スタイルとのことですが、まあそうみえなくもない、という感じです。


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