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文系の blender

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物理/光学シミュレータとしての側面も持つ blender は、理系の専門用語が頻出し、ときどき文系の頭を揺らします。そんな文系のわたしが理解できる範囲で、ライティングやマテリアル…
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#マテリアル

文系の blender 4.1 | Principled Volume プリンシプルボリューム

シェーダーノードのひとつに、雲や煙、霧などのマテリアルに用いられるボリュームシェーダーがあります。通常は、あまり利用頻度の高いシェーダーではないかもしれませんが、本来の用途のほかにも、透明、半透明のマテリアルに、ひと工夫加えたい場合にも使えそうです。 ここでは、統合ボリュームシェーダーのプリンシプルボリュームの各値とその用途についてかんたんにまとめてみました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 ボリュームの散乱 吸収 霧や煙な

blender 4.1 写真を模写する | 商品 グラスウェア

フォトリアルレンダリングを目指すには、やはり写真を真似するのが近道ではないでしょうか。そこで、よさそうなお手本を選び、いくつかの模写修行に出ています。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 お手本 お手本は、IKEA のグラス商品写真。やはりすこし北欧風。 モデル お手本にしたがい、各オブジェクトを作成。 グラス 氷 | モデリング 氷は重なりができるとレンダリング後、黒みがかかったりするので、重なりが出ないよう、リジッドボ

blender 4.1 シェーダーの Geometry ノード

すこし紛らわしいのですが、ここでの Geometry ノードは、モディファイアを自作できるジオメトリノードではなく、シェーダーノードのなかの「ジオメトリ」ノードのことです。 やや見慣れないノードかもしれませんが、すこしおもしろい使い方もできますので、紹介します。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 Geometry Node ジオメトリノードは、シェーダー(マテリアル)ノードのなかのひとつで、その名の通り、オブジェクトの形状に

文系の blender 4.1 マテリアル | 寿司

シリコンなどで食品サンプルの寿司をつくるひとは少なくないと思いますが、CGでというシチュエーションはなかなかないかもしれません。 そんな寿司のマテリアルを試作してみました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 たまご焼き いくら 伝播(Transmission)を 0.8 とし、ほぼ、ガラス玉と同様。ボロノイテクスチャでカラーにややノイズを加えている。 中トロ 長くみえるが、基本的には、波テクスチャで作成した模様を、ベー

blender 4.1 基本のパーティクルヘアで作るボタニカル

キャラクター造形以外でも、なにかと使い途の広いパーティクルヘアシステムですが、設定項目が多く、すこしわかりづらいところもあります。 そこで、ここでは、ごく基本の設定を使い、小花などを作りながら、パーティクルヘアの基礎を確認しています。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 準備 パーティクルヘアのベースとなる球を作成する。 半径 0.05 m の ICO球を追加 レンダープロパティで、レンダーエンジンに Cycles を選択

文系の blender 4.1 マテリアル | 28年後..

はじめて、映画「スターウォーズ」をみたとき、登場するホバーカーや宇宙船が汚れていて、「すごい、リアルだ」と思った記憶があります。それまでのSF映画の乗り物といえば、ピカピカなのが当たり前だったからです。 そのようなことで、ここでは、経年劣化用のマテリアルを作ってみました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 Happy Birthday 誕生日プレゼントの Villac 社 幼児用プッシュバイク、クラシックレースカーバージョン。

文系の blender 4.1 マテリアル | 名作チェア

すこし意外かもしれませんが、それまで、ほとんど木、革、布でできていた椅子の素材が一気に多様化したのは、比較的最近(ここ100年くらい)のことです。 ここでは、そのころ製造された、材質に特徴のある名作椅子のマテリアルを素材別に作成してみました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 Blow Chair (1967) イタリアのデザイングループ DDL による「空気で膨らませるチェア」。素材はPVC(ポリ塩化ビニル)。 ちょっと懐か

blender 4.1 はじめてのフォトリアル

「はじめて」とつくと、やはりローポリーからはじめることが多いようですが、ここではあえて、フォトリアル系のモデリングからレンダリングまでをタイムラプス風に紹介してみようと思います。 すこし迷ったのですが、フォトリアルは「はじめて」とし、まったくの初心者ではなく、基本操作はすでにマスターされてるかたを想定し、こまかな操作の説明は省きました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4 01. モデリング コーヒーカップ 頂点 18 半径

文系の blender 4.1 マテリアル | 陶器 磁器 土器

コーヒーカップのマテリアル作りにじっくり時間をかける機会はあまりないかもしれませんが、すこし手間をかけると比較的リアルなそれらしい雰囲気が出ます。 ここでは、焼きもののタイプ別に、器のマテリアルを整理してみました。 環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.2 陶器 陶土、いわゆる粘土を用いた焼きもの。 デフォルトのプリンシプルBSDFから、粗さを 0.1 となめらかめに設定したのみ。これだけの設定でほぼ焼きものに見える。 釉薬の雰囲

文系の blender 4.0 マテリアル | ケーキ

CGでフォトリアルなたべものを作るというのは、すこし難題で、丁寧な設定なしでは、なかなかCG感を拭い去ることができません。 これは、モデリングの良し悪しにもあるとは思いますが、鍵は、よりマテリアルにあると思っています。わたしなりに、これまでのノウハウを動員し、ケーキ周りのマテリアルを作ってみました。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 ストロベリーショート クリームのマテリアルが意外にむつかしいので、主役のイチゴを効果的にみせる

文系の blender 4.0 マテリアル | フルーツ

草花などとならんでインテリアシーンの雰囲気づくりによく貢献する果物ですが、適当にマテリアルを当ててしまうと、つくりものの置物にしかみえないことがほとんどです。 そこで、形状はあまり作り込まなくても、マテリアルのみで比較的リアルにみえるフルーツを、いくつかのタイプ別に整理し作成してみました。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 タイプ 1 表面がなだらかで、ベースカラーを本物らしく設定することで、比較的フォトリアルにみえるタイプ。

文系の blender 4.0 プリンシプル Principled BSDF 全解説

すこし偉そうなタイトルですが、ここでは、blender のマテリアル作成の中心機能である Principled BSDF について索引的にすべての機能を整理してみました。 なるべく専門用語を避け、可能なかぎり平易なことばで説明することを心がけました。 ただし、あくまで理系能力の極端に乏しいわたしの理解範囲内になります。間違いがある場合はお知らせいただければ幸いです。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 プリンシプル BSDF

文系の blender 4.0 マテリアル | グラス ガラス

グラスマテリアルは cycles の得意分野で、比較的かんたんな設定で実現できますが、それだけに応用範囲も広めです。 ここでは、グラスマテリアルを、おもにプリンシプルBSDFのプロパティ別に整理してみました。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 基本 プリンシプルBSDF、粗さ(Roughness)を 0 、IOR を 1.5 、伝播(Transmission)のウェイトを、 1.0 とした。これを基本とします。 cycles

文系の blender 4.0 マテリアル | 布

CGは、メカニカルなものよりも不定形なものの表現が苦手だという固定概念があるせいか、きれいな皺のよった布が一枚置かれているだけで、シーンにリアリティが増す気がします。 ここでは、プリンシプルBSDFのプロパティを中心に、布/ファブリック系のマテリアルについて整理してみました。 環境 Blender 4.0.2 , Mac Mini M1 OS 14.2 基本 デフォルトのプリンシプルBSDF の ベースカラーを #877E77 とし、粗さ(Roughness)を 1.0