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文系の blender 4.1 マテリアル | 寿司

シリコンなどで食品サンプルの寿司をつくるひとは少なくないと思いますが、CGでというシチュエーションはなかなかないかもしれません。

そんな寿司のマテリアルを試作してみました。


環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4



たまご焼き


たまご焼き画像をベースカラーと、ディスプレイスメントに適用した。
畳んでいるプリンシプルBSDFは下に記載

ディスプレイスメントは、表面の凹凸を擬似的に表現する機能。画像の暗めのエリアが低く、明るめのエリアは高くみえる。

プリンシプルBSDF。サブサーフェスですこし蝋のような質感を出し、
油のてかりは、コートで表現した。

サブサーフェスはひとの肌のようなかすかに透光する有機的な物質の表現に適している。また、コートは、表面を覆う膜の表現に適し、上では「コート粗さ」をゼロに近くし、油膜のようななめらかでよく光を反射する質感を表現した。


いくら


伝播(Transmission)を 0.8 とし、ほぼ、ガラス玉と同様。ボロノイテクスチャでカラーにややノイズを加えている。

伝播は、ガラスや水などの液体を表現する機能。ガラスや水では、通常、伝播ウェイトは 1.0 とする。


中トロ


ベースカラー用(Base Color Group)
ディスプレイスメント用(Displacement Group)起伏はごく微量
全体

長くみえるが、基本的には、波テクスチャで作成した模様を、ベースカラーとディスプレイスメント(表面の凹凸)に適用したシンプルな構成。
有機的な質感をサブサーフェスで、若干のてかりをコートで表し、さらに透明感を加えるため、あまり透けない程度にアルファを加えた。

アルファはビニールなどの物質の透明度を表現する機能。ゼロにすると、まったく見えなくなる。


サーモン


マテリアルは、上の中トロとほぼ同じ。波テクスチャの「スケール」をやや大きくし、波模様の間隔を狭めた。


烏賊


サブサーフェスと、伝播(Transmission)で、全体に透明感を表現した。

サブサーフェス半径は、RGBの割合をあらわし、上では黄色。端にすこし、黄色がかった内部からの散乱光が出て若干リアル。

紫の辺は、辺 > 辺のクリース(Edge Crease) で溝を鋭角にした。



生海老


ボロノイテクスチャで作ったパターン
B は 上の烏賊とほぼ同じマテリアル

A はボロノイテクスチャによるマテリアル。本体の下(底)のエリアにもすこし混ぜたかったため、テクスチャ座標(Texture Coordinate)ノードを利用し、A と B のマテリアルを上下に分けて混合させた。

カラーマップからの出力。白と黒のエリアで、A B のマテリアルを分けて適用


シャリ


ぱらぱらな酢飯の感じがよく出なかった。むつかしい。

これまでのマテリアルと同様に、サブサーフェス、伝播(Transmission)で構成した。放射(Emission)も気持ちだけ加えた。

放射は通常、LEDのような照明に用いられる。強度をあまり強くすると明るく光ってしまうが、ごく微量ならば、若干の透明感の強化になるかもしれない。

ディスプレイスメントのような起伏ではリアルな感じが出なかったため、ポリゴンは増えてしまうが、ここでは、ジオメトリノードで、米粒のオブジェクトを上のように散布した。


まとめ


ナマモノは、サブサーフェスや伝播、アルファなどの透明感の組み合わせと、やはり、起伏やカラーに加えるノイズがキーでしょうか。

ちょっとでも均一な感じになると、玩具の食品サンプルのようになるので、どうしてもノードは複雑になりがちです。ただ、イカなどは、マテリアルもシンプルですし、どこかに応用できるでしょう。参考まで。



マテリアル関連などでよく頼りにしているアメリカのYouTuberがおり、先日、3回に分けて、スシの作り方を紹介していました。ただそれは、おにぎりとカリフォルニアロールの中間のような Sushi であり、「オレならもっとうまくできるぜ」、とそのときだけ意気込んだのですが、すでにシャリの段階でつまづき、なんとかよろよろとたどりついたのが上になります。少なくとも「寿司」になってますでしょうか。

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