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文系の blender 4.1 マテリアル | 名作チェア
すこし意外かもしれませんが、それまで、ほとんど木、革、布でできていた椅子の素材が一気に多様化したのは、比較的最近(ここ100年くらい)のことです。
ここでは、そのころ製造された、材質に特徴のある名作椅子のマテリアルを素材別に作成してみました。
環境 Blender 4.1.0 , Mac Mini M1 OS 14.4
Blow Chair (1967)
イタリアのデザイングループ DDL による「空気で膨らませるチェア」。素材はPVC(ポリ塩化ビニル)。
ちょっと懐かしい雰囲気のあるチェアだが、素材も劣化が早く「使い捨て」だったため、一部のコピー品のほかは今ではほとんど見ることはないかもしれない。
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塩化ビニルは、ガラスではないので、アルファを 0.6 と半透明にし、粗さを 0.1 となめらかにしたのみ。
ディスプレイスメントに接続されているのは、ノイズテクスチャをすこし引き伸ばして作った「シワ」部分。
ディスプレイスメント(Displacement) は、形状が平らであっても、画像やテクスチャで細かい起伏を擬似的に表現できる。
Panton Chair(1968)
デンマークのヴェルナー・パントンによるデザイン。素材は当初FRP(繊維強化プラスチック)、現在はポリプロピレン。
当時プラスチックは最先端の素材で、さらに一体成型という最新の技術を用いた「未来の椅子」
プラスチック一体成型の椅子には、いまでもカフェなどでよく見られるイームズのシェルチェアや、サーリネンのチューリップチェアも有名。
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デフォルトのままでも問題ないが、ここでは、粗さ 0.1 のコートを若干適用し、光沢を気持ち加えた。
コート(Coat)は、物質表面のワックスなど塗膜の質感を表現する。カラーやノーマル、粗さなども別途適用できる。
Wassily Chair(1925)
バウハウス一期生、ハンガリーのマルセル・ブロイヤーのデザイン。鋼管組みの椅子(いわゆるパイプ椅子)はいまでは陳腐化し安物椅子の代表のようだが、この時代は最先端。飛行機さえこの構造だった。
名前の由来は、同僚で友人だった画家のワシリー・カンデンスキーに、初期のプロトタイプが贈られたことによる。
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縫い目の表現はさまざまな方法はあるが、ここでは、縫い目用のUVマップを別に用意し、そのマテリアルは、メインの革画像と縫い目画像をカラーミックス(加算)で合成した。
縫い目画像はバンプ(Bump)に接続し、白部分を盛り上がって見えるようにしている。
Bubble Chair(1968)
吊るす椅子。現在も販売されているが、写真ではよく見るものの、実物はみたことがない。フィンランドのエーロ・アールニオのデザイン。本体はアクリル樹脂製。
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本体はアクリル樹脂だが、みためはほぼガラスなので、伝播のウェイトを 1.0 とした。
伝播(Transmission)は、ガラスなど光の屈折を伴う透明物質を表現する。EEVEEの場合、EEVEEグラスマテリアル設定を参照。
LCW(1945)
イームズ夫妻によるラウンジチェア。これも現在はありふれた素材だが、レイ・イームズが独自に開発した成型合板加工のパーツで構成されている。当時は安価で、アメリカの若い家庭の必需品だったとか。今は高いけど。
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木目はノイズテクスチャを引き伸ばし、カラーランプで着色。パーツによって位置や細かさをUVマップで調整した。
もちろん木目画像でもよいが、ノイズなどの生成テクスチャはかんぜんにシームレスで、また、どれだけ細部を拡大しても、通常の画像によるテクスチャと異なり、解像度による劣化がない。
Botolo armchair(1973)
イタリアの建築家、工業デザイナー、チニ・ボエリによる。金属の3本足と、ファブリックあるいはファーの座面がフェミニンな雰囲気と、現代的な印象を与えている。
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ファーは、パーティクルヘアを適用した。ほぼデフォルトに近い。
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中央「子パーティクル」の「表示数」は、下の「レンダリング時表示数」と同じにすると、プレビューでレンダリング時の様子を確認しやすい。PCの性能によってはやや処理に負担はかかる。
参考
世界の名作椅子ベスト50 デザインミュージアム エクスナレッジ
椅子は好きなのですが、おいそれとデザイナーチェアを買えるような懐はどこにもなく、ただ、今座っているのは、イームズのシェルチェアです。座面は、modanica(初期の繊維強化プラスチックで製造されている)製で、脚はキャスター付きのHerman Millerの中古(現在は製造されてない)を探して取り付けました。少しきしみますが、しばらく座り続けます。
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