見出し画像

行く年にする2022年

昨年に引き続き、withコロナでの年末年始となった。
今年は「幸先詣で」という言葉をメディアであまり耳にはしなかったが、12月31日に熱田神宮へ参拝をする。こういったことが日常になっていくのだろう。個人的には、圧倒的に時間を有効に活用することができるため、「分散」はよいと考えている。目の前に起こっている物事は自身の捉え方で大きく変わるものである。とはいえ、大変な思いをされている方々もたくさんいらっしゃる。一日でも早く穏やかな日常が戻ることを心から祈るばかりだ。

私事だが、昨年12月、全身麻酔を伴った手術を行い、しばらく入院する機会があった(これについては、稿を改める)。おかげさまで痛みもなくなりつつあり、快方へ向かっている。

あの日、術後の痛みや不自由さは想像を絶しており、身をよじりながら苦悶し、寝ては起きて、起きては寝て、を繰り返す。

(このままで、夜を、越せるの、だろうか。。。)

少々大げさだが、その晩は、静まり返った病室で不安と恐怖に苛まれた。しかし、気が付くと、暗い夜は明けて清々しい朝を迎えていた。今、考えると、点滴に睡眠導入剤とか入れてもらっていたのかしらと思うが。

この朝を待っていた。

兎にも角にも、あの日、病院の窓から見えた朝日は忘れられない。苦しみを乗り越えられた安堵と「生きているんだ」という実感、さらに、純粋にそのことに対する感謝の気持ちが溢れ出てきた。

平凡な人生こそ、実はとても価値があるのだと。

さて、今年2022年のテーマに選んだのは、

22年のテーマ

昨年は、「号砲 ~Fanfare!~」としたテーマだったが、多くの取り組みや仕込みしてきた。成果物については、ぜひ楽しみにしていてほしい。「行」には、「先にすすめる」「おこなう」という意味の他に、「つらなる」という意味もある。

私たちキタムラは、愛知県三河地方からの綿布の買い付けを祖業とし、やがて寝装品の製造を始め、枕の専門メーカーとなり、おかげさまで本年、白寿(99年)を迎える。

これまでに多くの方々に支えられて、様々な試行錯誤と紆余曲折を繰り返してきたが、初代・貞吉の時代から、お客様の目線に立ち、その時々の課題に対して、真摯に立ち向かってきたからこそ、ここまで続けられた(歴史が連なってきた)のだと自負をしている。

初代・貞吉

今、世界規模で広がった感染症をきっかけに大きな岐路に立たされている。そして、私たちは膨大な情報の中から、可及的速やかな取捨選択を常に迫られている状況だ。情報過多による心と身体の疲弊を感じずにはいられない。

そんな中、「キタムラは、このビジネスで世界を変える!」などと大それたことを申し上げることは控えたい。それは、ムリだからだ(笑) ただ、そんなヒリヒリするような現代の「刺激」を少しでも減らすことはできないだろうか。と考える。

他者との差別化によって、自身の優位性を訴える世の中になりつつあるが、私たちは、自分たちの大切にするものを、できる限りを尽くして関わる人たちと共有して紡いでいくことで、自らの「あり方」を示していきたい。毎朝、朝日を拝み、自分にそう言い聞かせて、日々、楽しみながら挑戦を続けていこう。

ちなみに、「行」には、「いけてる」や「いける口」といった、美しさや粋、なかなかいいもの、という意味も含まれている。イケてる商品やサービスで、元気な「おはよう!」のあいさつを、世界に、ひとつでも多く。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

今年は博多織の帯を新調。

まくらのキタムラ
北村圭介


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?