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百幅拝見

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2020年4月からInstagramで書きはじめた軸についての記事をまとめます。
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#稽古

掛軸 十六幅目から二十幅目

掛軸 十六幅目から二十幅目

十六幅目 圓同大虚無欠無餘

圓なること大虚に同じ、欠ること無く餘ること無し。

太虚は大空・宇宙を意味します。
円は宇宙と同じで欠ける事なく、余ることも無い。

欠けると言うことは、必要としている。
余ると言うことは、必要としていない。
そのどちらもない。
必要という考えすらない。
それが宇宙であり、円である。
という深い解釈もあります。

十七幅目 竹上下節清風起

1年の節目に門松で竹を飾り

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掛軸 六幅目から十幅目

掛軸 六幅目から十幅目

六幅目 和敬

互いに心を開き合わせ、互いに敬う。
という解釈です。

合わせることを和える(あえる)と「和」の字を当てます。

ですから、料理で食材と食材を混ぜ合わせた食事を和え物といい、数学で足し算の結果でも和といい、「和」の字を当てます。

和とは、そもそも、争いなくおさめる。仲を深めるなどの意味をもっているそうです。

そこから、和らぐ(やわらぐ)和む(なごむ)と字を当てて優しい意味をもっ

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掛軸 一幅目から五幅目

掛軸 一幅目から五幅目

一幅目 直心是道場

言葉の由来は釈迦の時代、古代インドで光厳童子が、騒がしい毘耶離城下を出て修行をするのに適した閑静な場所を求めようとしているとき、釈迦の在家弟子である維摩居士と出会います。

光厳童子は「どちらへいらしていたのですか」と挨拶をすると。
維摩居士は「道場です」と答えます。

維摩居士が修行する道場となると大変素晴らしい道場のはずです。
すかさず、「その道場はどちらにあるのですか」

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