kitakuya

起伏のない日々を縫う旅

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起伏のない日々を縫う旅

マガジン

  • 山行(2020)

    自然環境、適度な運動を楽しむハイキング。

  • 帰路(2019-2020)

    東京へ引っ越してきて以来、年に一度、正月に北海道の実家へ鈍行列車で帰省している。3度目となる今回は、一度行ってみたかった道東で新年を迎える事に決めた。

最近の記事

十月二十五日

高幡不動からの初電で京王線高尾駅へ向かう。中央線に対して高架で作られているこの駅へ列車が近付くにつれ、曙の空が一面に広がり、この日の山行への期待が高まる。爽快感あふれる眺めを求めて機を窺っていた、大菩薩峠から南の小金沢連嶺縦走へ向かうのだ。 登山口の上日川峠へのバスの初発は8:10だが、同じ気持ちで週末の天気予報を眺めてきた人も多いことだろう。混雑を避けて確実に乗車できるよう、一足早く、と言ってもバスが来るまで1時間半ある甲斐大和駅へ降り立った。 駅前の料理屋の前に現れ

    • 九月二十二日

      9月の4連休、初日の御座山への日帰り19時間半(内山中での行動時間は8時間半)の山行の疲れが少し癒えた最終日、懲りずにまた日帰りで長野へ。しかし今回はコースタイムで3時間足らずのお手軽ハイキング計画で、一度訪れてみたかった北八ヶ岳へ向かった。 好天に恵まれることの少なかった今夏、この日も午後から雲が出てくる予報であったけれど、朝は爽やかな光が入ってくれた。目に馴染んだ大月周辺の風景を抜けて、現れた南アルプスの巨大な山容を眺めながら、茅野駅まで3時間。 茅野駅からバスで

      • 九月十九日

        【山行】御座山日没が日々早くなり、日帰りで遠出するにはラストチャンスかと、そわそわしながら計画してきたこの9月の連休の山行。「佐久の幽巒(ゆうらん・奥深い山という意味だそう)」御座山(おぐらさん)へ、『山と高原地図 西上州』破線ルートの山口コースから登ることとした。 最も一般的なルートはマイカーでアプローチする「長者の森コース」のピストン。このコース以外は村営バスでアクセス可能で、山口コースの他には2つあり、一つは北相木村の北側から舗装路の登りが1時間半続き、山頂への道は長

        • 八月三十日

          【山行】ハンノキ尾根から鶏冠山-柳沢峠8月頭の大菩薩嶺への山行から一月と経たず、今度は計画中登山地図で気になっていた、大菩薩嶺の北側、鶏冠山へ向うことにした。 『山と高原地図 大菩薩嶺』コースガイドに記載されている鶏冠山のモデルコース通り歩けば、コースタイム3時間40分の短い行程。 山上からの見晴らしを楽しみたくも決まって週末に天候が悪くなるこの夏。午前中は快晴で夕方から雨予報のこの日、短い時間でも眺望を求めるにはうってつけの行程だった。(下記リンク先登山計画) 塩山駅から

        十月二十五日

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        • 山行(2020)
          9本
        • 帰路(2019-2020)
          7本

        記事

          八月二日

          【山行】大菩薩嶺-大菩薩峠-丹波大菩薩道 7:38甲斐大和駅着、駅を出るとすぐ待ち構えていたバスに意表を突かれ(8:10の予定だったが、臨時便が出ていたようだ)、周囲を見渡す間も無く乗り込む。巻いた道を力強く登るバスに揺さぶられながら、標高1580mの上日川峠へ向かう。 久し振りの山梨、そして今回は大菩薩嶺、初めて日本百名山のひとつを目指す。 【登山計画】 上日川峠BS 9:00 -9:25 福ちゃん荘- 10:45 雷岩 -10:50 大菩薩嶺 -11:45 賽ノ河原

          八月二日

          六月七日

          【山行】大岳山・御前山今年は登山をしっかりやり始めると決めて以来、山に登る前、山行の計画もまた楽しみの一つとなっている。 地図やガイドブックを見ながら行程を想像し、装備の準備などを進めるうちに、知らない体験へ向けてわくわくする気持ちが湧いてくる。ちょうど旅行のスケジュールを組むようで。 しかしそれも現実味があるからこそ楽しめるというもの。 4、5月は感染症流行により身動きが取れず、現在も出口が見えない中での社会的な活動再開という状況に対し、いかに対応して登山を楽しむことがで

          六月七日

          三月二十一日

          【山行】檜洞丸 睡眠が好きだ。休日の朝、窓から差し込む陽気に包まれて眠るのはまた格別で、用事のないときはいつも昼過ぎまで寝ている。 ただ山行の日はそうはいかない。ましてやまだまだ日の短い季節、貴重な日照時間を目一杯使えるように、まだ日の登らない頃が起床時間だ。しかしおかげで普段見ることのない、最も好きな朝焼けの空を眺めることができているのだから、良い動機付けというものだ。 今回は電車とバスで片道3時間、西丹沢の檜洞丸へ向かう。バスでの登山口へのアプローチは初めてで、この季

          三月二十一日

          二月二十三日

          【山行】本社ヶ丸・清八山登山道からの見晴らしは、やはり山登りの愉しみの中でも大きなもので、今はわかりやすくそれが期待できる「富士山の見える山」に惹かれている。 中央線沿線の駅からアプローチしやすい山も多い、山梨県大月市が選定した秀麗富嶽十二景が良い目標となり、これまで高畑山・倉岳山、扇山、滝子山と登ってきている。今回は12番山頂である本社ヶ丸・清八山へ。 【笹子駅(598m)-清八山(1593m)-本社ヶ丸(1631m)-笹子駅(598m)】 笹子駅から出発。滝子山の際も

          二月二十三日

          二月二日

          【山行】 甲州高尾山 多摩地域へ引っ越した一昨年、自宅から高尾駅へのアクセスが良く、山梨県へすぐ出られることから、中央線沿線の駅からハイキングを始めていた。 登山装備を揃えながら、レベル上げを意識して取り組み始めたのは昨年秋から。人の少ない静かな山々へ、電車で一時間程で小旅行気分で、気に入って計画している。自宅は高尾山まで電車で30分程の距離だけれど、まだ高尾山に登ったことはない。 今回も京王線で高尾駅まで、中央本線へ乗り換えて、山梨県甲州市にある「甲州高尾山」へ向かう。

          二月二日

          一月三日

          帰路 7日目(2020.1.3): (-青森)-岩手(-宮城-福島-栃木-埼玉)-東京【八戸線-青い森鉄道-IGRいわて銀河鉄道-東北本線-埼京線-武蔵野線-南武線-京王線】 5時前に八戸港へ着き、バスで本八戸駅へ。日の出前の本八戸駅ホーム。1時間後、南下して行く青い森鉄道の車窓、田を覆う白雪が昇りゆく朝日の黄金色を写す。9時ちょうどに盛岡着。宮沢賢治『注文の多い料理店』の版元であり、今は民芸品販売の「光原社」へ。開店直後もカフェは満席。古風ながらモダンな建物、普段遣いの

          一月三日

          一月二日

          帰路 6日目(2020.1.2): 北海道[船中泊] 朝はおせち料理をいただき、昼前に来た弟夫妻のお手製双六で遊ぶ。 午後からは公園から千歳川沿いに散策へ出る。 雪が全くと言って良いほどなく、本当に冬なのか疑わしいほどだったけれど、生き物たちはしっかりと冬らしかった。 大きな枯葉のようなものを咥えたエゾリス。 シロハラゴジュウカラは結構近くに寄って来る。フォルムや動きに愛嬌があり、鳥見を始めた当初から好きな鳥だ。 今回は千歳川でカワアイサを結構見かけた。 森の忍者

          一月二日

          一月一日

          帰路 5日目(2020.1.1): 北海道[千歳泊] 温度低下の警告が止まない携帯電話を手に 農地を 白み始めた空を背に歩み 舗装路の途切れる 曲がり角を越えた先へ 踏み入る 固く締まった砂利の浜 海面に立つ蒸気は まだ淡い陽光を浴びることにより 波跡に張る氷は 空の気色を滑らかに映すことによって その実体が表される オホーツク海から巻貝の殻がひとつ 足元に差し出され 薄氷の台座へ据えられたそれを 右手で掴み 指先へ僅かに力を込め 手首を返した 以久科原生花園で初

          一月一日

          十二月三十一日

          帰路 4日目(2019.12.31): 北海道[斜里泊] 朝、宿のベランダにベニマシコが来ていた。冬に来るのは珍しいのだという。 前日の予報通り、この日は朝から雨。冬の北海道で雨なんてそうないぞ、と、せっかくのロケーションで残念ではあったけれど、なんとか外には出られそうなので、美味しいパンとチーズの朝食をいただいた後、出発。 良い宿だった。今度は宿が開いているカヌー体験にも参加したい。 釧路湿原とうろの宿 「釧路湿原とうろの宿」は湿原を望む小さな宿です。 小さな町から大

          十二月三十一日

          十二月三十日

          帰路 3日目(2019.12.30): 北海道[塘路泊] 夜明け前に苫小牧西港へ到着、バスを待ち苫小牧駅へ。住んでいた頃は気にならなかったから気のせいなのか、北海道に入ると一段と寒さを感じた。寒さの質が本州とは違うのは明らかに感じているけれど。 【千歳線-石勝線】 いつもは苫小牧から実家のある千歳まで乗っていくのだけれど、今回目指すのは道東だ。北海道上陸後、二日かけて実家へ帰省する。 北海道は広い。住んでいたのは道央圏で、また旅行でも遠くて富良野までしか行ったことがない

          十二月三十日

          十二月二十九日

          帰路 2日目(2019.12.29): 山形-宮城(-岩手)-青森[船中泊] またしても朝寝坊。電車の接続で予定していた弘前へ向かうには間に合わないことがわかり、ルート変更を決め、楽しみにしていたホテルの朝食をゆっくり味わう。山形名物の芋煮は勿論、カレーも美味しく、つい食べ過ぎた。 料理も評判通り、サービスも余計なところがなく心地良い挨拶で、良いホテルだった。 【陸羽東線】 予定変更で向かった先は鳴子温泉。宮城は毎回仙台でずんだを食べるのみで、はじめてゆっくり観光する

          十二月二十九日

          十二月二十八日

          帰路 1日目(2019.12.28): 東京(-埼玉-群馬)-新潟-山形[新庄泊] 前日の夜は会社の忘年会で、二次会でまったりしていたら終電に。4時半起きのつもりが案の定寝坊し、7時に出発。 今回は過去2回と異なり、まず新潟へ向かった。 【京王線-南武線-中央線-武蔵野線-京浜東北線-高崎線-上越線-信越本線】 実家が関東からそれなりに近い人は新幹線なども使わないようで、在来線の普通列車も帰省客でとても混み合う。特に東北本線は大変だったため、なるべく迂回路を探し、今回は

          十二月二十八日