北木 鉄

海が怖かっただけです。 小説を書いています。 https://twitter.com/kitanoippik1
    • 短短編集
      短短編集
      • 17本

      すぐ読めるすぐ終わる短編集です

金色

なにかを美しいと思うとき、自らの美しさにようやく気づくこともまた、あるのだ。 あなたは苔の匂いを吸い込み、片目だけつぶる。つぶっていないほうの目も細めて、昨日の…

若草という男がいる。 引っ越しをした際、下戸なりの知識で購入した日本酒をお猪口に注ぎ、玄関の土間に置いて 「よろしくお願いします」 と頭を下げるような男だ。 その…

団地での日々 【掌編小説】

小学生低学年の頃の話をする。だれかに話したくて、聞いてほしくて、という気持ちはあまりないので、わかりやすくまとめることはできないかもしれない。 小学校低学年まで…

アイオカさん 【掌編小説】

何を捨てているんだろう。 何で捨てるふりしてるんだろう。 何で、こっちに気づかないんだろう。 そういう人なのだ。アイオカさんは。 コーヒーマシーンから出来上がりを…

人生で一度は、眠れない寒い夜に外を歩くといい【掌編小説】

人生で一度は、寒い夜に、寝るのを諦めて外を少し歩くといい。お気に入りのコートを着て、服はパジャマのまま。コートの丈が長いのは、パジャマを隠すためだって知ってた?…

サモトラニケのニケ【掌編小説】

 サモトラケのニケのことを、26歳までサモトラニケのニケだと思っていた。サモ、トラ、ニケのうちのニケを指すのだと。それは猫の名前のようである。もし猫のことを指して…