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のらねこ旅日記 ≪忘れ物≫

  私は、よく出先で手荷物を置き忘れます。
  他の人がどれくらいかは、知りませんが、私の場合は過去3回、カメラを旅先で置き忘れています。
  幸いにも、3回とも手元に戻ってきましたが、かなりヒヤヒヤな状況でした。
  1つ目のカメラは、大学3年の時の北海道旅行で忘れました。
  同級生6人で、根室から入って、途中は各自バラバラに行きたい所に行き、最後函館に集合して帰る12日間の旅行で、ほとんど鉄道での移動でした。
  私のとったルートは
根室→阿寒湖→斜里→浜小清水→サロマ→層雲峡→札幌→積丹→洞爺湖→函館でした。
  使う路線の中には、日に7本しか運行していないものもあり(現在は廃線)、1本乗り遅れるとその先が続かなくなるかなりタイトなスケジュールでした。
  それなのに、私は浜小清水のユースホステルにカメラを忘れてしまいました。
  気がついたのは、網走に着いてからで、取りに戻ったとしても、ユースまで行くと、その先の列車には間に合わず、その日のうちに次の宿にたどり着けません。
  浜小清水のユースホステルは当時、館内ルールが厳しい所だったので、
『わ~ん!こわいよぉ』と思いつつ、電話で謝り倒して 、駅までカメラを持ってきてもらいました。
  そしてカメラを受け取ると、TOUCH AND GOで列車に飛び乗り、無事に、その先列車にも間に合いました。
  浜小清水駅での猶予時間はたった5分。危なかったです。
  ユースのマネージャーさん、どうもありがとうございました!(叱られたけど)

  2台目のカメラは、沖縄の東南植物楽園のレストハウスに忘れました。
  どうも、私には『ひとつ手荷物が増えるとひとつ忘れる』癖があるようで、
この時は、急な雨にバッグから折り畳み傘を取り出して使いました。
  その後、入ったレストハウスで、それまで手にぶら下げていたカメラを忘れて傘だけ手に下げて、植物園を出てしまったのです。
  その日が旅行最終日で、カメラがないことに気がついたのは、那覇空港でした。
  急いで植物園に電話をして、カメラがあることを確認し、また謝り倒して、着払いで自宅に送ってもらうことになりました。
  植物園のスタッフさん、お手数かけました!

  3台目のカメラは、初めての海外旅行、バリ島のツアーバスの中でした。
  この日は、オプショナルの市内観光で、1台のマイクロバスに現地人ガイドさんが1人、数件のホテルから、順繰りにツアーのお客さんをピックアップして、寺院や市場を回りました。
  市場で、同じツアー客の熟年ご夫婦が
マンゴスチンを数個買おうとしたら、
「オキャクサン、ゼンブ、センエン」と、1かご全部買わされてしまい、あまりにも大量だったので、私たちにお裾分けをしてくれました。
  で、マンゴスチンの入ったビニール袋が増えたがため、バスの中に手に下げていたカメラを置き忘れてしまったのです。
  ホテルに戻ってから、「アッ!!」と気がつきましたが、バスはすでに次のホテルに向かった後でした。
『次のホテルに連絡して、なんとかしてもらおう!』
  私はホテルのフロントへ行くと、大きな声で
「日本語解る方、いませんか!」とスタッフさんに声かけしました。
(英語で説明できる自信がなかったので)
  でも、対応してくれたフロントマンさんは、英語だったので、こちらもシドロモドロな英語で説明していると、
  ホテルの入り口から、ガイドさんが入ってきました。その首には、私のカメラがぶら下がっていました。
  ガイドさん、ありがとうございました!
  今思えば、お礼のチップでも渡せばよかったですね。気が利かなくてごめんなさい。
 
  旅先での一番大きな(物理的に)忘れ物は、北海道の旭山動物園でやってしまいました。
  その日は、ひとり旅の最終日、念願の旭山動物園へ行って、そこから旭川空港経由で帰る予定でした。
  そろそろ、空港行きのバスの時間が近くなったので、園内でトイレをすませ、出口の所にあった動物フィギュアのガチャをひき、バス停にならびました。
  バスを待ちながら、『なんかやけに身軽だな?』と思った私は、自分が3泊4日分の荷物をつめたリュックを背負っていないことに気がつきました!
  慌てて動物園入口に引き返し、
「すみません!中に忘れ物をしました!」と、入口を通してもらって、最後に入ったトイレに走りました。
  その間、『万が一、バスに間に合わなくても、タクシー飛ばせば飛行機に間に合うか?いくらかかるかわからんけど…』など頭の中がグルグルしていましたが、トイレの個室に置かれたままのリュックを無事発見!
  がんばって走ったので、バスにも間に合いました。
  実は、飛行機のチケットもリュックの中だったので、あのまま気づかずバスに乗ってしまっていたらと思うと、今でもゾッとします。
  
  日常でも、たまに駅ナカのカフェのテーブル下に手提げ袋を置き忘れて、改札を出てしまい、慌てて戻るなんてことをやってます。  
  最近では、加齢とともに記憶力がアレで、手に提げていることを忘れて、置いてきてしまった!と、焦ることがありますが、『まぁ、置き忘れるよりは、いいか!』と思っています。
  


  
  

#創作大賞2024 #エッセイ部門



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