のらねこ日記 ⑯
猫餌事情
うちの両親世代は、『ねこまんま』と言えば、ご飯にみそ汁ぶっかけて、かつおぶしをパラリだったので、アパートにいた頃は、キャットフードは買わずに、人間の食べ物ですましていました。
最初の頃、みー太郎や、玉かあちゃんたちは、煮干しに大喜びしていましたが、だんだん贅沢になり、固い煮干しの頭と、苦いはらわた部分を器用に残すようになりました。
夏になると彼らは蝉を取ってきて、お腹の部分だけ食べるようで、よくアパートのドア前に蝉のバラバラ死体が散らばっていました。(蝉はエビのような味だそうです。)
引っ越してミケさんとボーちゃんを、ちゃんと飼うようになってからは、獣医さんの勧めでドライフード中心の生活になりましたが、人の食べ物の味を知っている彼女たちは、たまに餌嫌いをおこし、文字通り猫っ可愛がりの母は、ついハムやお刺身を与えてしまうのでした。
2匹は、食の好みも違っていて、
ミケさんは、白いもの(牛乳、練り物、ハム)、ボーちゃんは、赤いもの(マグロ)が好きでした。
ある日、食卓に置いてあった煮物の器にかかったラップに猫の手が入るくらいの穴が開いていて、回りに爪痕のついた人参が4つほど落ちていました。たぶん煮物の鶏肉を取りたかったのに、爪にひっかかったのが全部人参だったのでしょう。さぞがっかりしたんだろうな、と思いつつミケさんとボーちゃんの顔を見ましたが、2匹とも知らんぷりでした。
ちなみに、父は『にゃんこのごはん』と書かれた猫缶(プライベートブランドで猫の絵なし)を『こんにゃくごはん』と読み間違って、食べようとした前科があります。
父曰く、「ダイエット食品かなにかと思った」と。
お腹がすいていると何でも食べる父なのでした。
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