のらねこ旅日記≪淡路夢舞台≫
十数年前になりますが、ライブで淡路島に行きました。
神戸三宮駅からツアーバスに乗り、明石海峡大橋を渡り、会場の『淡路夢舞台』に行きました。
その時は『変わったデザインの野外劇場だな』ぐらいの認識でしたが、後で調べたら建築家の安藤忠雄氏の手によるものだったので、あの時もっとよく見ておけばよかったと思いました。
この時のイベントはインディーズ系のバンドさんが集まったフェスだったのですが、雨が降ったり、止んだり、突然晴れたりの、天気が全然読めない状態でした。
野外劇場は後方に海が臨める舞台を半円形の客席が囲む、素敵な会場でしたが、雨が降った後にカッと晴れてると蒸し暑く、白いコンクリの照り返しが強かったので、なかなかしんどかった記憶があります。
なので、私は時々ライブ会場から離れて、お土産屋さんなどがある建物の中で小休止していました。
そこには、一般の観光客さんもいて、年配のご婦人から
「どちらかいらしたの?」と話しかけられました。
「横浜からコンサートに来ています」と答えると、そのご婦人は
「学生さんですか?」と聞かれました。
「いえ、社会人ですよ(おまけに学生の倍の年齢ですが)」と答えると
何故か缶コーヒーをおごってくれました。
そんな感じで、ステージと休憩所を行き来しながら、ゆるゆるとライブを楽しんでいました。
ラスト2組目のバンドさんの時、雨が激しくなり、雷も鳴り始めました。
それまでの演奏の時は、雨よけの透明テントをステージに設置して急な雨に備えていましたが、そのバンドさんの時は、何故かテントなしにした直後の豪雨でした。
雨の中の演奏は、鬼気迫るものがありました。叩くたびドラムからしぶきが上がりました。
びしょ濡れの若者たちも大盛り上がりでしたが、年長者の私は
『機材大丈夫か?』と心配していました。
「落雷で感電したら、これがホントのエレキギター」なんてMCがありましたが
『洒落にならんぞ』と思いました。
最後のトリのバンドさんの時は、雨はピタリと止みました。
「自分たちも雨の中のでやろうと思っていたのに、オイシイところを持っていかれた」とバンドリーダーさんが言っていましたが
『これ以上の雷雨は正直勘弁』と思いました。
ライブ終了後、皆、雨と汗でドロドロ状態でツアーバスに乗り込みましたが、補助席まで使う満席のバスの中は、若い男性が多かったせいか、とてつもなく汗臭く、冷房しているけど窓全開にしたい状態でしてた。
おまけに、三宮に到着したのに、補助席前から2席目のお兄さんが爆睡していたため通路がふさがっていて、なかなか臭いバスから降りられませんでした。
『私も汗臭いだろうな』と思った私は、さっさとホテルに入ると、シャワーを済ませて、夕食はコンビニご飯にしてしまいました。
翌日、昼の新幹線で帰る予定だった私は、蛸壺風の陶器に入った駅弁『ひっぱりだこ飯』を買って車内でいただきました。
その蛸壺は、まだ家にあります。
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