金沢工業大学 五十嵐威暢アーカイブ

五十嵐威暢アーカイブは、感性教育の拠点としてオープンした新しい学びの場です。彫刻家・デ…

金沢工業大学 五十嵐威暢アーカイブ

五十嵐威暢アーカイブは、感性教育の拠点としてオープンした新しい学びの場です。彫刻家・デザイナーの五十嵐威暢氏から寄贈された5000点もの作品や資料を所蔵し、多様なコレクションを活用した独自のプログラムを通じて学生が独自の視点で世界を感受し、創造する力を引き出す活動を推進しています

最近の記事

ミライバの授業レポート

金沢工業大学では、STEM教育にA(アート)を加えたSTEAM教育の導入を進めています。その一環として立ち上げられたリベラルアーツ系の新科目「金沢工大ミライバ(以下、ミライバ)」の授業が、この夏、1、2年生を対象に始まりました。教室となるのは、大学の講義室だけでなく、石川県内の美術館や博物館、資料館。今年度は34名の学生が履修しており、7か月にわたって開催される授業では、訪問施設での鑑賞やワークショップ、レクチャーなどを通じて、知識や体験を蓄積し、新しい学びへと転換していきま

    • OPEN DISCUSSION.03

      OPEN DISCUSSIONは、金沢工業大学にある五十嵐アーカイブで開催されるラーニンングプログラムのひとつです。アーカイブのスタッフがファシリテーターとなり、毎回異なるテーマに対し参加者が様々に意見を交わします。 第3回目のテーマは、「身近なデザイン(工夫)について話そう」です。ディスカッションの前にNHKラーニングで放送されている建築家の乾久美子さんの「無名の工夫の集積にデザインを見る・静岡」という番組を視聴しました。番組では、乾久美子さんが自然の中を探索して“小さな

      • 交換留学生向け鑑賞ワークショップ

          7月1日に、本学に交換留学しているローズハルマン工科大学、ロチェスター工科大学大学の学生ら6名が五十嵐威暢アーカイブに来館しました。  施設内を見学後、学生スタッフによる簡単なアーカイブ紹介が行われ、鑑賞ワークショップに参加しました。  前半に行ったのは、「にたものつながりゲーム」です。このゲームは、事前に渡された作品カードと、机の上に置かれた作品カードの関連性を探し、似たものを見つけてつなげるというもの。客観的に作品を見ることで、色や形、描かれているものの特徴をとらえ

        • OPEN DISCUSSION.02

          OPEN DISCUSSIONは、金沢工業大学にある五十嵐威暢アーカイブで開催されるラーニングプログラムのひとつです。アーカイブのスタッフがファシリテーターとなり、毎回異なるテーマに対し参加者が様々に意見を交わします。 第2回目のテーマは、「AIと芸術」です。「Artificial Intelligence」の略であるAIは、一般に人間の知覚や知性を人工的に再現するシステムと理解されています。しかし、改めて調べて見ると「人間の頭脳活動を極限までシミュレートするシステム」や「

          OPEN DISCUSSION.01

          OPEN DISCUSSIONは、金沢工業大学にある五十嵐威暢アーカイブで開催されるラーニングプログラムのひとつです。アーカイブのスタッフがファシリテーターとなり、毎回異なるテーマに対し参加者が様々に意見を交わします。 第1回目のテーマは、「トイレのピクトグラムについて話そう」です。今回のディスカッションは、「ピクトグラムって何?」というスタッフの問いかけから始まりました。参加学生が各々少し考えているなか、1人の学生から「2020年の東京オリンピックの開会式の演出で用いられ

          藤塚光政のPoint of View

          五十嵐威暢アーカイブのWEBメディアPOINT OF VIEW。第二回となる今回は、先日行われた写真家・藤塚光政氏のトーク「写真家の視点:建築とデザイン」についてご紹介します。藤塚氏は半世紀以上にわたり、倉俣史朗氏や伊東豊雄氏、毛綱毅曠氏など数々の建築家やデザイナーの仕事を写真に収めてきたほか、五十嵐威暢氏との協働も数多く行っています。なお、このトークは企画展「見ているか?」の第二期開催に関連して、ラーニングプログラムの一環として行われました。   わたしたちは建築やデザイン

          五十嵐威暢アーカイブ授業活用事例  プロジェクトデザイン入門

          金沢工業大学(KIT)では、プロジェクトデザイン教育を行っています。プロジェクトデザインは、KITのカリキュラムの支柱であり、教育目標である「自ら考え行動する技術者の育成」を目指し、問題発見から解決に至る過程・方法をチームで学び、実践します。 1年次の前学期に行われるプロジェクトデザイン入門は、学科ごとに行われるプロジェクトデザインの導入授業で、検証・評価のために必要な実験プロセスと技術を学びます。4月末に行われた情報工学科のプロジェクトデザイン入門では、新入生340名が五

          五十嵐威暢アーカイブ授業活用事例  プロジェクトデザイン入門

          五十嵐アーカイブのPoint of View

          五十嵐威暢アーカイブの活動において、「見る」ことはとても重要な意味を持ちます。なかでも所蔵作品や資料の展示を通じて、「見る」ことの可能性を探りたいと考えています。視覚は人間の知覚の大部分を占めているとよく言われますし、重要な情報源であることは明らかですが、不思議なことに私たちは幼いころから大人になるまで「見る」練習をすることはありません。誰かに「よく見なさい」と言われたことがある人は、少なくないでしょう。しかし、よく見るって一体どういうことなのか、なにをどう見たらよく見ること