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kawaii yamori

うちのyamori

うちにはよくヤモリが出没する。
今朝も早い時間窓のシャッターを開けた妻が振り返るとちっちゃなヤモリがリビングのフロアーをひょこひょこと歩いていたそうだ。
妻が気付いたことにヤモリが気付いたのか、慌てた様子でしかしひょこひょことさっき開けた窓とは対面の壁の方へ逃げていった。その壁の端まで行くとすでにシャッターを開けてあった大窓があるので、すぐにその窓を開けてそちらへ追い込んだらそのままひょこひょこと出ていったということだ。
やれやれ何事もなくて良かったと思った。

ヤモリ=家守り?

ヤモリは別に何も悪さはしない。
なんなら蚊などの虫を食べてくれるらしいからどちらかと言えばいい奴だ。
ヤモリ=家守り?というくらいだから神様の使いかも知れないくらいのことを思っている。
だが娘たちは爬虫類としか見ていないのだろうかよく見もせずに嫌がる。
しかし私はこいつらが好きでたまらない。

その魅力とは

一見トカゲと似たシルエットのようにも見えるがよく見ると全く違う。
トカゲのようなシャープさは全くなく愛嬌たっぷりなのだ。
おっきなクリクリしたおめめとぷっくり膨らんだまあるい指先。
胴体もお腹のあたりがぽってりメタボ気味。
見れば見るほどかわいらしいのだ。

ある夏の日

夏の夜、うちの家族は皆クーラーをつけることがあまり好きではないので網戸にした状態のまま照明を点けていることが多い。
そろそろ寝ようかとシャッターを閉めるためにカーテンを開けると、おなかをこちらへ向けて網戸に張り付いている奴に出くわす。
明かりに寄って来る小さな虫を狙ってきているらしい。
それ自体は全く構わないし、むしろありがたいのだがその後が少し困ったことになることがあるのだ。

うちの窓には巻き上げ式のシャッターを付けていて、毎日夜寝る前に閉めて朝日が昇るころに開ける習慣になっている。

ある朝リビングでコーヒーを飲んでいる時に何やら鼻を衝く生臭いにおいがする。何の臭いだろうとそこらを見ても別段何も変わったことはない。生ごみの臭いが漏れてきちゃったかなくらいに思っていたのだが、そうでは無かった事が判明した。

事件は発生していた

その後のある日、シャッターを降ろしたときにカリカリになったヤモリの干物がコロンと落ちてきたのだ。

なんということだ!シャッターを開けるときにヤモリも一緒に巻き込んでしまっていたらしいのだ!

かわいそうなヤモリは、その肉体を圧し潰されリビングに悪臭を放っていたのだ。
そしてカリカリに干からびた彼の肉体はシャッターから解き放たれて我々の前に再び姿を現したのだった。南無阿弥陀仏。

新しい習慣

その日からうちでは、深夜だろうが早朝だろうが「ガンガン」「バンバン」と窓やらシャッターやらを叩きまくって、そこらに潜んでいるかもしれないヤモリを追い出してからシャッターを開け閉めするという習慣が追加されたのだった。

まぁ言うても部屋にヤモリが出るほどの田舎やからそんなに近所迷惑にはなってないハズとは思っているのだが。

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