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弱小吹奏楽部を追いかけた軌跡 第15話 検温の関

ついにコンクール地区予選当日。カメラや予備バッテリーもフル充電。準備は万端。
早朝からの練習が始まり、最終の確認演奏が続く。保護者もゾロゾロ集まりだした。
いよいよ始まるんだな、という雰囲気が漂ってきた。先生も子供達もリラックスしている。ガチガチなのは保護者だけ。

子供達は移動のバスに乗り込み始めた。皆んなでお見送り。私も撮影のためにバスに乗り込み、子供達の表情を撮影。皆んな笑顔!そして子供達は出発した。

コロナ禍の非常事態での開催のため、会場入り口では検温が行われる予定になっている。
体温が37.5℃以上の場合、入場できないルールとなっていた。

私の平熱は高めで37℃前後。健康状態は良好でも、何らかのイレギュラーで検温に失敗したら最悪の事態となってしまう。
健康で絶好調な体にも関わらず、バファリン投与(0.5℃程度下がることは実験済み)、頭だけミイラか?と思われるような風貌で、熱さまシートを貼る・貼る・貼る!

入り口付近は検温チェックの行列が続いている。行列に並べば検査までの待ち時間、直射日光の熱で頭部のおでこが熱くなる。誰も並んでいない入り口の検温体制ができるまで、駐車場からチャンスを待つことにした。

それにしても熱さまシートは強力である。一箱丸々使用して貼ったが、クルマのエアコンとの合わせ技で寒くなってきた。
頭が寒い・・。まるで冷凍庫の中に頭だけ突っ込んでいるかのような感覚だ。

検温行列は3名ほどに減ってきた。私のアタマは寒さで限界になり、覚悟を決めて入場口に走った。
少し待って即検温。
『はい、検温します。ピッ。』
『ピッ・・・ピッ』
何で私だけ何度も何度も再測定なんだ・・

『はいどうぞ〜』

入れた!

後で冷静になって考えてみたが、検温時におそらく頭が冷たすぎてエラーが出ていたのだと思われます・・

平熱高め私にとって、最大の難関をクリアした。子供達は別室で音出しやチューニングを始めている頃だと思う。

昨年のコンクールとは違い、全ての団体を鑑賞できるようになった。
昨年は自分達の団体を関係者のみが鑑賞できて、演奏終了後は速やかに会場を退出しなければならないルールだった。
それに比べたら良くなったのかもしれない。でも結果発表は相変わらずインターネットでの発表。

娘達が登場する前に2団体の演奏を客席から見させてもらった。なぜかわからないが、とても上手に聞こえる。これは後のアンコンでもそうなんだけど、他の団体の演奏がいつも上手に聞こえるのはなぜだろう・・・

いよいよ娘達がステージへ入場し始めた!
皆んな笑顔で笑っている。多分これはイケる。
数名だけ真面目顔になっているけど、集中力が高まっているのだと信じたい。

演奏が始まる。
流れるように自然な感じで良い感じの演奏。
多分、過去一の出来!!
これは期待できるかもしれない。
今回のコンクール曲はパーカッションが主体となった曲。
打楽器の子供達がいつもよりも大人しい感じがしたけど、まずまずOK。

地区予選の演奏が終わった。会場から出てきた子供達、顧問の先生、そして保護者の方々。
大半は安心感で一杯の様子。
でも先生は指揮で大きなミスを犯したらしく、沈んでいる。パーカッションの1人の子はチューニングで失敗して泣いている。それを周りの子達が慰めている。
皆んなそれぞれの想いが交錯する中、帰りのバスは学校の音楽室へ向かって出発した。

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