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センス良く空き家・古家を変えるには 「侘び寂び」が必要という話


いざDIYをしようと思っても、何から手を付ければ良いのか検討も付かない事、有りませんか?

どこを
どんなデザインで
どんな方法で
何を使えば良いのか

分からない事だらけで、思考は停止。

そうなると「高いお金を出して、そっくり作り変える」という楽な方法を選択しがちです。

勿論、構造躯体やインフラに関する工事は、お金を出してプロにやって貰う必要が有ります。

しかし、内装を変えるだけの場合におススメしたいのは、古い所を壊して新しくしてしまうのではなく、趣のある箇所を「残す」という選択をする事。

残した物を際立たせる事で「今までと違った見え方」にする事が出来ます。

言うなれば「残すDIY」です。

私達は、古い家や和室・中途半端なデザインの家が嫌いなのではなく、薄暗く汚れた物や、シンプルさとは程遠い雑然としたデザインの組み合わせを嫌っているだけなのです。

この2つを解消すれば、どんな家でも好きになれるはずです。

何故なら、旅館に行けばやっぱり和室は落ち着くな、と思ってみたり京都の古い建物の街並みが素敵だと感じる。

訪れた神社やお寺の雰囲気は素敵だと思う気持ちが有るのです。

それは、そこに掃除が行き届き、無駄な物を置かないシンプルで簡素な日本の木造建築の美を感じるからです。

そこに「侘び寂び」を感じるからです。

わびさびとは、不足していたり、貧相であったりする所から、豊かさや深さを感じるような美しさの事をいいます。

ごみごみしていたり、派手なもの、新しいものからは、なかな感じにくいものです。

長い時間が経過し、劣化しているもの。
あるいは、何か物足りないと不足や不完全を感じるも、そこから素晴らしさを感じさせてくれるもの。

不足感を感じる事に、はじめは抵抗が有るかもしれません。しかし、そこにこそわびさびが生まれるのです。

大切なのは、「不足感を恐れない事」です。

余白が有りすぎてバランスが悪いのでは無いか?

家具や小物を、もっと飾らなければ見すぼらしいかな?

そんな事はありません。
なぜなら足りない事=美しさだからです。
これがまさに不足感から生まれるわびさびです。

海外の人が日本に美を感じるのは、この侘び寂びの考え方に自国との違いを感じるからです。

大量消費と対比にあるこの考え方、在り方にカルチャーショックを受けるのでしょう。

そんな日本的な「美意識」を住まいの手直しに取り入れる。

「趣があるか」を基準に取捨が行われる事によって、最終的に「シンプルで統一感のある空間」に削ぎ落とされていきます。

それは本質を洗い出す作業です。

畳を残す。

障子を残す。

痛んだ柱や梁を削り、オイルでメンテナンスして残す。

今まで当たり前の様に解体撤去していた物を残し、逆に古さを隠そうと必死に増やした物を無くす。

そうする事で、また違った見え方になる。
嫌いだと思っていた物が「好き」になる。

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