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【読書】「自己矛盾劇場」気づいていない矛盾に気づく

分かりやすくて読みやすいし、読み物としてとても面白いです。

自己矛盾とは、文字通り自己の中で矛盾が生じている状況を指す言葉です。

本書で例として挙げられているのは、

・視野が狭いやつは許せない
⇒その発言が視野が狭い
・一丸となって多様性を推進する
⇒多様性を受け入れない人も多様性の一つでは
・全く気にしない
⇒その発言が気にしている
などなど。

他にも色々な自己矛盾している言葉の事例が載っています。

自分の視野を広げるきっかけにもなりますし、メタ認知の訓練にもなります。思考実験の本として非常に面白く、読んでいて「なるほど」となる場面が多くありました。

本書を読むと、多くの人が、自分では気づかずに自己矛盾の発言をしてしまっているのだなー、と感じます。

自分自身、自己矛盾した発言がないかなーと考えていると、ぱっと思いつくものが一つありました。

それは、「他責にするやつは伸びない」という発言です。

今講師の仕事をしていて、同じく講師をしている人と話すときに、「他責にする人は伸びない」という話をすることがあります。
他責とは、何か起きた時の責任を他人のせいにすることで、確かに、うまくいかないことを他の人や環境のせいする人は成長が遅いです。
ただ、講師の仕事は人を成長させることなので、「他責の人は伸びない」と発言するのは、講師がその人を成長させられなかったことを他責にしている、と捉えることができるなー、と思いました。

同様に、「言い訳するやつはダメだ」という発言もよく耳にするのですが、これも自己矛盾の発言かもしれません。
自分にはどうすることもできなかったことを、「言い訳するやつはダメだ」という言い訳で責任を逃れています。

たぶん気づいていないだけで、自分自身でも自己矛盾の発言はもっとありそうな気がします。

自己矛盾した言動で他人から滑稽だと思われないように、メタ認知を鍛えていく必要があるなと感じました。

個人メモ

「気づいた人」と「気づいていない人」
気づいた人は言いたいが、聞きたい人はそれほどいない。
それがひずみになる。

人類の知の発展は、横方向と縦方向の拡大で、三角形の面積が広がってく。
一つは、知識。
もう一つは抽象。
これにより、一を聞いて十を知ることができるようになった。
抽象化によって、個別事象をあっという間に知的体系をモノにしてきた。

自己矛盾の対象にあるのが、メタ認知。
自分自身を客観視すること。

なるべく多様な世界を経験することが自己矛盾を回避するためには重要。

自分からは気づきにくい、という自己矛盾の第一の特徴は、
自らメタの認知を持つことの難しさに起因している。
頭の固い人の最大の課題は、自分の頭が固いことに気づいていないこと。

自分の頭で考えろ、は自己矛盾。
その発言はやめる。
自主性が大事。


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