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忘れた初心を取り戻す

初心忘れるべからず、という言葉をよく耳にするけれど、同じ環境に長い期間いれば初心は忘ます。

新卒でIT企業に就職して1年目の時は、何もかも知らない事ばかりでしたが、志は高かったように思います。業務外の時間でもかなりの時間を勉強に費やしていた。休日になれば書店に足を運んでプログラミングやIT系の入門書を購入してひたすら読んでいた。毎月結構な額を書籍代に費やしていて、就職してから一人暮らしを始めたことも合間ってお金が全然貯まらなかった記憶があります。休日に読書でインプットした内容を会社に出社している時にアウトプットして確かめる、というサイクルを繰り返し、すごい勢いで知識や技術が身についていたように思う。このままの勢いで勉強し続けたとしたら、5年後10年後、一体どれだけの技術力が身についているのだろうとワクワクもしていました。けど、やはり思い描いていた通りにはなりません。

就職してから最初の2年くらいは休日も結構勉強していたけれど、3年くらい経つとある程度仕事にも慣れてきて、既存の知識や技術でもある程度の仕事ができるようになってくる。そうなると成長意欲というのは徐々に下がってきて、まさに初心を忘れた状態という感じになりました。勉強が嫌いなわけではないし、新しい知識を得たい気持ちも常にあって、読みたい本は日々増えていくけれど、その理想に自分の学習意欲が追いつかず、積読本がひたすら増えていきました。

最初の会社では7年ほど働いた後に転職し、講師に転職しました。人前で話す技術、わかりやすく教える技術、などなど、自分に足りないスキルを補うために本を読みまくって、技術の勉強も改めてしなおしたりもしていました。教育に関する本も色々と読みました。けど、やはり3年くらい経ってくるとある程度慣れてきて、自分の理想に学習意欲が追いつかず、またまた積読本が増えるというデジャブが訪れます。

初心とは、別の言葉に置き換えるなら「目標」と「危機感」ではないかと思います。新卒で入社した当時、ITやプログラミングの知識がほとんどない状態だったので、結構な危機感がありました。周りの同期にプログラミング経験者が多かったことも大きな理由の一つ。また、自分が本気で取り組んでいる分野に関しては負けず嫌いな性格なので、同期や先輩に負けたくないという気持ちで、勉強を頑張ることができていたように思います。目標という点においては、当時からこれといった目標はなかったけれど、新人の頃の私は技術力さえあれば毎日残業せずにストレスのない毎日を送れるという淡い夢を抱いていたので、自分が快適な生活を送るために早いうちに身につけるべきものを身につけておこうという気持ちで勉強を頑張っていました。

転職後も、今までにやったことがないことをやるという点で、やはり危機感がすごく大きかったです。その危機感をなくすために必死に行動することである程度成長することができたように思います。

明確に自分のやりたいことがあって、常に目標を掲げながら何かに挑戦している人は、初心を忘れずに行動を続けることができるのかもしれません。私の場合、長期的な目標を持ったことがなくて、この先もきっと持つことはないだろうと思っているので、初心を忘れないためには危機感を感じる状況に身を投じなければいけないのだろうと思います。そのためには、きっと定期的に新しい環境を変えることが必要なのでしょう。

別に、初心を忘れたからといって何か問題があるかと言われれば、それほど大きな問題ではないような気もします。けど、成長を止めてしまったらもうおしまいだな、とも思うので、やはり初心は大事かも、など、色々と考えます。

研修の教え子の1人で、休日や業務時間外の時間でプログラミングの本を読んだりプログラムを作ったりして勉強しまくっている人がいます。その人と話をしていると、自分が昔同じように勉強していたことを思い出して、あぁ、自分は完全に初心を忘れてしまっている、と実感しました。

若い人に負けてられない、というとすごいおっさんくさいし、多分まだそういうこと言う歳でもないけれど、なんかそういう気持ちも大事なんだろうな、と思ったりした。教え子には追い越してもらいたい気持ちの方が強いけれど、自分自身もまだまだ成長して、その上で追い越されたい。そのために初心を取り戻そう。

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