教育のジレンマ

教育の仕事をしている中で、教え子がどのような人材になって欲しいかをよく考えます。
今の私の考えは、教え子には自発的に考えて行動できる人になって欲しいと思っています。
でも、自発性を育てるのは難しい。
偶発的に自発性のある人になることはあっても、高い確率で自発性を育むことができる方法論は存在しないのかもしれません。

元々自発的な人は、教育者が細かく指示したり教えたりしなくても、自分自身を成長させるために進んで行動します。
よって、教育者はあまりやることがない。
自発的に動ける人たちに対しては、何かを教えることよりも、雑談することや、対話することの方が重要だったりします。

逆に自発性がない人に対しては、どうすれば自分で考えて行動できるようになるのかを試行錯誤しますが、結局はこちら側が考えた指示やルールで動いているだけので、行動を変えることができたとしても、ほとんどの場合それは自発性の向上には繋がっていない。
結局、期待した効果はあげられない場合がほとんど。

自発的に動ける人は放っておいても勝手に成長するし、自発性がない人は何をしても思考停止の指示待ち人間のままだったりするので、教育者の役割っていったい何なのだろうか、、と思ったりします。
そして、学校の教師や、それ以外の教育者の人達はこのジレンマをどうやって自分の中で消化しているのだろうかと思ったりもします。

まあでも、学校教育で自発性を育てたいと考えている人はそこまで多くないのかもしません。
あるいは、教師一人一人が色々と考えていても、組織としての方針に逆らえずに、黙って規律に従うことを良しとするレガシーな教育が残ってしまっているのか。
真実は分かりませんが、学校を卒業して社会に出たばかりの人たちを見ていると、誰かの指示がないと動けない人が多いと感じるのは事実。
偉そうな立場で色々と書いていますが、私自身、普段生活している上で思考停止に陥っている(陥っていた)なと思うことが非常に多く、自分で考える訓練をしてこなかったのだなとよく後悔しています。

学校教育が変わっていかなければいかないな、と思いつつ、変わったところで自発性を育てるのが難しいという事実は変わりません。
このモヤモヤは、教育に関わっている間はずっと抱え続けるのでしょう。

サポートいただくとめちゃくちゃ喜びます。素敵なコンテンツを発信できるように使わせていただきます。