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先輩は億年単位

「土の声」というマガジンを立ち上げたもの、ほとんど家庭菜園をさぼっているのでTwitterで簡単にアップするだけになってしまっています。たくさん植えていますがあまり手入れをせずほったらかし農法。
私の性分、すべてにおいて持続性がないこのポンコツぶりよ。


今年の収穫済み&失敗したもの&成育中の野菜たちはニンニク、わさび菜、パクチー、にんじん、サツマイモ、トウモロコシ、トマト、いちご、苦瓜、スイカ、とうがらし、ブルーベリー、他ハーブ(5種類)&薬味いろいろ。
(父担当は山芋、なす、きゅうり、おくら、じゃがいも、ネギ)
今年もバタフライピー は販売する予定なので、育てています。

通販はしていなけど 必要な方へ届け

栽培方法はほとんどネット情報。調べ始めると別の情報へ・・・とネットサーフィンでよく見かけるようになった、世間の識者の方が無農薬・無肥料・不耕起栽培を賞賛するコメントや記事。
識者の方以外にも、SNS上で”農薬って&除草剤って必要?誰のため?”と問いを投げかけているポストをよく見かける。スーパーの野菜が劣っている!有機・自然農の野菜が本物!とも読める投稿もあり驚く。(誰々さんが作った野菜が一番おいしい!とか言える方が本物、というか豊かな気がする)
みなさん、良かれと思って発言されていることだと思うし、Save Earthだったり質の良いものを食べていく意識のためにはごもっとも。
でも何かがもやっとする。違和感。

さらに調べていき、そこで知った静かな農業の・農法の分断のような対立。(日本語ちょっと変)

収穫時期をまちがえた、早まった(泣)


”問うところ・見る視点を変える”
農薬や化学肥料のことを知ることは大切、けど・・・ピンポイントで問うのはどうかなあ?とずっともやってます。

今回の記事は、
私の文章力、知識力等が足りないために他意はないけど誰かを批判することになるかもしれない、と1ヶ月近く何度も書き直しました。
それでも結局は言いたいことは変わらないので、
”農業ヘルパー&家庭菜園ちょー初心者代表として” 正直に今思っていることを書くことにします。


バランス
みんな農業をちゃんと知っての発言なんだろうか?
私のたった数年の経験だけで言うのもなんだが、農薬も除草剤も必要だと思っています。ざくっと大きく慣行農業(作物の収量増産や形などをそろえるために農薬や化学肥料を使用する農業。スーパーに並んでる野菜や果物はほとんど慣行栽培)というだけのカテゴライズだったら農薬はどうしても必要です。端的に乱暴に言うと市場ニーズがあるかぎり。

2019年に愛媛のみかん選果場のバイトを始めてから、季節ごとに農業ヘルパーで畑やいちごハウスの現場にいたり、果実以外に野菜の選別作業、食品低温物流センター(ニチ◯イ)で農家さんから入ってきた作物を加工して国内外に出す現場などで働いてきました。
今年だけであげると、冬は地元鹿児島で近所のいちごハウス、春は奈良県で柿の摘蕾。今は家の近所のお茶農家さん(緑茶)でお世話になってます。すべて慣行農業で、ほとんどJAに出荷されています。一部の方々は別の物流に出荷。

単純に農業と一括りに言っても、出荷先や目的に応じて様々な農法・種類が存在するということがわかってきました。
芝農家さん、花農家さん、畜産農業 etc


抹茶スティックケーキ



慣行農業は単一的と言われていますが、例えば集落営農でその地の人たちが同じ作物の農家さんだったとしても育て方はまったく違います。防除や除草のやり方も違います。使う肥料ややるタイミング、技術。すべて考え方がちがう。もちろん有機農業・自然農も生産者さんも同様。


影響ある方が無農薬・無肥料・不耕起栽培のことを言っていたからといって誰かの知識と経験で問題を出していくのではなくて、自分で無農薬で作ってみてください。プランター栽培でもいいと思います。しばらく土と向き合って下さい。そこから自分の言葉が出てくると思います。
じゃないと、少し表現はきついですが
”農業”という一括りでの肥料や薬の問題定義は(知ることはとても大切だけど)、素人が人の仕事のやり方に口出して否定することに近い気がします。

いつもお世話になっているいちご農家さんは3年目ですが、JAが正解ばかりを言うわけではないことをわかっているので、技術等は自分で試行錯誤されています。とにかく毎日観察を徹底する。
ハウス栽培は病気が出たら一気に広がります。行政も責任は負いませんので、結局農家さん負担。だからバイトの私もおもわず観察の目が光るのです。

「農薬って&除草剤って必要?」という究極な選択ではなく、消費者として「どう向き合っていけばいいのか」という問いがこれからは必要なんじゃないかと思います。

(なんというか、バランス)


初めてニンニクを育ててみた、たぶん肥料の問題かな?一部腐ってた


土を知る
たぶん、問うべきところはというか知っていくべきところは、農法とか農薬も大切だけどもっと根本的なところ、作物がなにからできているか?
土からできている。そこからだと思います。植物工場(水耕栽培)、土を使わない栽培方法あれど多くは土からできている。その土のことを知ることが先決な気がしてならない。そして土壌汚染は農薬だけではないことを知る。

とはいえ、すべての生産者さんが土のことをよく知っているかといえばそれも疑問で、おそらくちゃんと説明できるかたはいないとあまりいないと思います。
みなさん(家庭菜園を極めている方含む)”土づくりが一番大事!”と当たり前のように言いますが、私もいっちょまえに言ってましたが、土を作るって・・・。

この本を読んで、土を作るってさあ、めっちゃ上から目線的な言葉?表現?って思っちゃいましたよ。土、人間よりパイセン!
なんだろう?なんて表現したらいいんだろう。

おもしろいです。「大地の五億年」
まだ読み始めたばかりですが、
人間に同じ人間がいないように、土にも同じことが言えそう。それくらい土の成り立ちは尊いことがわかります。気候と地形で変わってくるけど偶然からの必然のような。それでもざっとかなり大まかにわけると、世界で12種類に土は分けることができるらしい。
え、それってなんか西洋占星術みたい!(すいません、私占いが好きなんです)人間の性質をかーなーり大まかに12種類の星座で分けるわけですが、あとはさらに細かくチャートを出して深く読むことができます。
なんだか土と人間の共通点を見つけようとしているけど、いや待てよ。土の方が断然パイセンだ!だって誕生から五億年

宮沢賢治による石灰肥料の販売エピソードは知らなかったです。セールスマン賢治。

著者の藤井一至さんは土の研究者で現場主義の方。NHKのサイエンスゼロという番組で知りました。

なんでしょう、お会いしたこともないのに藤井さんから伝わる「土LOVE!!」度がすごい。たぶん、変◯・・・。だからこそ伝わるものがある。
別書も読んでみたいです。


わたしたちは土は「土」と教わってきた。
いや、土のことなんて教わってもいないw。土を触ったら「ばい菌が付くよ〜」という始末。ばい菌っていう菌なんているんだろうか?
そのばい菌は人間には悪だったとしても、土には必要なものだったりするかもしれない。
なにから作られていて、なにが生息していて、いったいどんな生活をしているのか。そうしろとは言わないけど、まずが土から知ることをオススメします。その上での農業とはなにか?生産者としてやることはなにか?消費者として何を問うのか?


農業の本は技術だったり、
自然農の本も土壌のことは書いていますが、専門ではないので当たり前だけど著者の経験のお話。
こちらも土入門としてはおもしろかったけど、ちょっと内容が偏っているかな。 


私が農業というか畑に興味を持ったのは中尾佐助さんでした。

だいぶ前に出版されていますが、いつ読んでもセンセーショナル。
中尾さんの本はほとんど読んでいます。


・除草剤

同じ畑でも一緒に住んでいる父と私は考え方が違うので、みごとに一目で畑の境目がわかります。父は化学肥料を使うし、農薬も使います。草は敵なのですぐに抜きます。
私は無農薬だけど肥料は有機か一部無肥料。土の保水を考えて草はそのままにしたいのですが、いつのまにか母が抜いたり、何も育てていない敷地は私が長期で留守の間父が耕運機をかけるんです。なんどやめてくれと言っても、もう染み付いているのでしょう&二人とも80オーバーなのですぐ忘れちゃうのでしょう。
私も自分が家庭菜園を始めたり、農業ヘルパーをやる前は農薬って”悪”でした。本当は今でも嫌です。

うちの近所の方が除草剤をまくんですけどね、すごくイヤなんだけど農耕地の現場だとどうしてもそりゃ使うよなあって思ってしまいます。

今、お茶の畑管理のバイトに行っていますが、ほとんど草取りです。カットしたお茶の葉に異物として雑草が入らないように細かく取る必要もあるんですが、茶畑に機械が入りやすく、動きやすいようにする目的も。
草たちの勢力が増すこの季節、ものすごいスピードで草たちがあっという間に茶の木を覆います。お・い・つ・か・な・い。
とはいえ、お茶は農薬をたくさん使うと言われていますが、出荷するときに薬の残量検査が厳しいので藪から棒に使うわけではないです。

6月まで行っていた柿の山ではイネ科の植物が一面を覆ってて、花粉症持ちのアルバイトの方々は呼吸はしづらく、顔がむくれ、目も開けれなくて本当に気の毒でした。ある農家さんは症状を抑えるために強い注射を打ちに行くほど。
その上かなりの傾斜がある山で脚立に乗っての作業。膝上まで高さがある草をかきわけ、脚立を立てるのは危険なので手っ取り早く除草剤を!とチラリとよぎります。
パイロット地なら草刈機も入りやすいけど、傾斜での除草は想像しただけで大変やろうなと思う。もちろん除草剤は使用されますが、農家さんごとに考えは慎重で草をある程度まで残す・残さない、とやり方がちがいます。

柿がこんな感じで栽培されてるなんて知らなかった、命がけ!



農耕地だけのことじゃなくて、他の現場でも除草剤が使われているのは理解できます。人口が減ってきて疲れていない山・田畑を管理する人もおらず、草刈機でやるにしても広範囲すぎる上、高齢化社会。たちまち一夏で雑草に薮に覆われる、というか飲み込まれ廃墟化。

最近、急傾斜や人が入りにくいところでの使用可能なリモコン式の除草ラジコンカー?が出てきましたね!ドローン使いがうまくと操作は簡単かな?私はまったくダメなんですけどね、ドローン操作。

・不耕起栽培
これ、疑問が多いのです。
アメリカで始まったものだけど、日本で行われている自然栽培の不耕起栽培とはちがうためまちがった知識で”不耕起栽培”=環境に優しい、市場支配にならないもの、と前のめりにならないよう、やはりここでも”土”の知識と理解が必要だと思います。
アメリカでは流行ってきている、とのことですが果たしてあの広い畑で可能なこと?

福岡正信さんの耕起しない自然農法も有名だし、sonyが始めた協生農法のWSを受けに行ったけど、上記にあるように我が家では草はすぐに抜き取られる。栽培経験がなのできちんと語れないのですが、これ日本に必要かな?もしくは適しているかな?もちろん適している土地もあるだろうけど、そこの土壌を見ながらがいいんじゃないだろうか。という気がしてならない。
だって、メガファームだってどこから始まったものかわからないけどおそらくアメリカの真似でしょう?いろんな定義を抜きにした、その土地・土壌ごとの不耕起栽培というならいいかもなと思ったり。
(と、素人がでかい口叩いておりますけどもw)

だからきちんと土を知る必要がある。

無農薬・無肥料・不耕起栽培&有機栽培はいろんな影響が少なく良いかもしれないが、それら一色になってしまったらきっと職を失う人が大量に出てきたり日本では野菜自給がより大変なことになるんじゃないだろうか。
慣行農業とそもそものスタート地点がちがうし、出荷先もちがう何もかも違う点が多いのでもちろん農家さんの意識も異なるので比較はできないのではないでしょうか。「農業が生業である」という点は一緒だけど。

自分で育ててわかる、スーパーでお手頃価格で野菜が買えるありがたみ。

しかし、かなり体が敏感で農薬・化学肥料&食品添加物で反応してしまい、食べれるものをが限られている方々もいらっしゃるので、自然農法の無農薬の野菜たちはどうしても必要ということは理解できています。私が育てているバタフライピーも安心して飲んでもらいたいので無農薬です。肥料は有機ですが極力使わずに、レイキヒーリンングを使ったり土に話しかけたり(と言うと、え?あんたが一番やばくね?と思われそうですが、このやり方が今の私のベストです)、あとは水やりのタイミングなど。

無人販売、ありがたし


誰のための
猫も杓子もサステナビリティの流れになっており、根本的なところを見ようとせず、調べようともせず(私もすべては理解できてないけど)
わかりやすいところだけを拾って問題としてクローズアップされていることに、私なりの警笛のつもりで書いてみました。

慣行農業&JAの肩を持ちたいわけではなく(農薬の使わせ方も気に食わないところがあるし、あげればキリがないけど何より農業がJA一辺倒であることが疑問。農業はもっと自由であっていいと思う)
何が言いたいかというと、「有機・無農薬は安心」「農薬は毒」という根拠薄弱な言葉がすっかり浸透している。けど 消費者である私たちは、いろんなデータ等の読み方や情報の信憑性を判断する力をもう少しつけないと、不毛な分断に加担しちゃってるということもあるのかもしれません。

誰が言ったか、一番最初の地球環境破壊は農業である、と。
うちの周りはほとんどの家畜があり、それらも”農業”の分類です。
養豚・牛・鶏・鰻・魚 ほとんどの養殖はあるんですが、すべての現場を実際に見たわけではないけど聞こえてくる話は、とても環境を配慮しているとは思えません。土壌や汚水問題etc。
でも私たちはそれらをいただいていますし、つまり、人間が生きてるだけで環境破壊であって、何かを殺生しているのであれば人間同士で分断や対立、争いなんてやってる場合ではない。


いただいたサポートはこれからも来双船がよい出会いができるよう、心から感謝しながら使わせていただきます!