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複数の場所から書く歴史:ティモール、ポルトガル、東京

<写真はリスボンの国立図書館で>

フィールドワークについての書評の依頼

昨年のことだけれど、ケンブリッジ大学の東南アジア研究ジャーナルからティモール島でのフィールドワークに関する本の書評を頼まれてて書評を書いた。書評のリンクは貼っておく。

https://www.cambridge.org/core/journals/journal-of-southeast-asian-studies/article/timorleste-fieldwork-in-timorleste-understanding-social-change-through-practice-edited-by-maj-nygaardchristensen-and-angie-bexley-copenhagen-nias-press-2017-pp-xiii-261-maps-plates-notes-bibliography-index/36B7C4B8EA7D95E3F2C1E60BC9C5BF19

この本は、ティモール研究に貢献してきた往年の学者と共に若手の研究者も最近のフィールドワークの経験を語ることにより、社会科学のベールによって神聖化された「ティモールはこうだ」という学会の認識を脱神聖化する試みだ。いわば、専門書が映画館で見る映画だとすれば、この本はメイキング映像のようなもの。

ここで書評を写すようなことはもちろんしない。けれど、この本を読みながら、私自身のフィールドワークやアーカイブスでの仕事を振り返る機会があったので、そのことをノートにとってみたい。

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アジア研究、特に東南アジア研究の前線の話がかじれます。 それから、大手の出版局・大学出版局から本を出すことを目標にしてる人たちには参考になる内容があると思います。良い研究を良い本にするためのアドバイス、出版社との交渉、企画書の話など。

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