見出し画像

アーカイブズ紹介 冷戦再考-アジアの草の根の経験-

シンガポール国立大のオーラルヒストリーアーカイブズ、「冷戦再考-アジアの草の根の経験-」が徐々に公開され始めました!最終的には、アジアに拠点を置く数十人の研究者たちが集めた数百本のインタビューがこのサイトで公開される予定です。私もポスドクとしてプロジェクトに参加し、フィリピンで集めた約30本のインタビューを貢献しているのでとてもうれしいです。今回は検索方法を中心にこのオンライン―アーカイブズを紹介します。

概要

まずはホームページへのリンク↓

右上の”About”からプロジェクトの説明、”Browse Archives”から史料検索、”Glossary”から用語説明、”Workshops”から過去のワークショップでの議論やプレゼンテーションの要旨、プロジェクトに参加・貢献したい人は”Contact us”からプロジェクトの連絡先などを見つけられます。

以下に益田肇教授のプロジェクト説明を抄訳しておきます。

従来「冷戦」は、第二次大戦後に始まり1991年のソ連崩壊に終わる米国とソ連の国際的な外交戦だと考えられてきた。しかし、社会という観点からそれを見つめなおしてみるとどうだろうか。もしそれを「ひとつの国際紛争」と想像されるものの、一般の人たちを含む多様な主体が参加した無数のローカルな社会戦争として再考してみるとどうだろうか。世界中の様々な場所で、社会や文化の在り方を問う一般の人々の毎日の闘争として見直してみるとどうだろうか。

https://rcw-asia.com/about

今回紹介するアーカイブズは、このような共通の問題意識において、東・南・東南アジアのさまざまな国や地域で集めた一般の人たちを対象にしたオーラルヒストリーの集成ということになります。

”About”の下の方にスクロールすると、プロジェクトに貢献した研究者のリストが出てきますが、メンバー的にも地域的にもかなり多様だということがわかると思います。

史料検索

史料検索方法は今のところ3種類あります。

コレクション


一つ目は、ホームページの”Collections”からテーマごとのコレクションを見ていくという方法です。

例えば。

上の画像の左側に「1965年にインドネシアにおける虐殺」、「1942年から54年までのフクバラハップとの日常的遭遇」などのコレクションがあります。例えば、最初のコレクションをクリックすると、1965年のインドネシアにおける虐殺に関連したインタビューの概要、(ほぼ)全文、場合によってはインタビュー時の音声にアクセスできます。

1965 Indonesian Massacre


地図で検索


Browse Archivesにカーソルを合わせると、”Search maps”と”Search archives”の二つの選択肢が出てきます。”Search maps”をクリックすると、場所に従ってインタビューにアクセスできます。

地図で検索

↑今はこんな感じで、国ごとになっています。例えばインドは空白になっているのですが、地図上でインドの位置をクリックするとちゃんとインタビューのリストが出てきます。

キーワードで検索

Browse archivesからSearch archivesをクリックすると、キーワードからインタビューを検索することができます。

試しにSmuggling,「密輸」で検索してみると、私のミンダナオ北部でのインタビューが何本も出てきました。インタビュワーの名前で検索しても、「ジェンダー」などのテーマで検索しても大丈夫です。

雑記

多くのインタビューは、現地語で行われて、英語で内容が要約されているのではないかと思います。インタビューの概要を読んで興味を持たれたら、音声まで聞いてみるとけっこう内容が違うということもあると思います(経験談)。

これからの20世紀史の発展に寄与するためにぜひこのアーカイブズを使っていただけるとうれしいです。


よろしければサポートお願いします。活動費にします。困窮したらうちの子供達の生活費になります。