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「歴史=ジェンガ」説

こんにちは。ジェンガ世界選手権アジア予選ベンチ入りのれきしたつです。
今日は私が思いついた「歴史=ジェンガ」説という奇説についてお話します。

ジェンガについて

「ジェンガについて」などと大層なタイトルをつけましたが、多くの方はジェンガをご存知だと思います。そう、組み上げた積み木を抜いて倒れたら負け、というあのゲームです。

実は、歴史とジェンガは非常に似ているところがあります。少なくとも私はそう感じています。どのようなところが似ているのか説明しようと思います。

歴史は積み上げとリセットの繰り返し

これまで人類が辿ってきた歴史を振り返ってみると、積み上げとリセットを何度も繰り返していることが分かります。

有名なところで言えば、明治維新です。
明治維新とは、250年以上続いた将軍を中心とした江戸幕府が倒され、天皇を中心とした明治新政府に政権が渡った日本史の転換点となる出来事です。

この出来事が起こった直接的な要因としては、黒船来航など様々なものがありますが、今回はもう少し構造的に見ていこうと思います。

江戸幕府の仕組み

1603年、徳川家康が征夷大将軍になったところから江戸幕府は始まります。当時は戦国時代末期で、武力が重要な時代でした。そのため、多数の兵士を動員でき、戦略的にも上手く立ち回って戦に勝利していった家康が支配者となったのです。

政権の座についた家康やその後継者の秀忠、家光といった将軍たちは、支配権を確立するために様々な制度を整えていきます。例えば武家諸法度という大名向けの法律を定めて、大名が武力で幕府を倒せないように工夫します。他にも、武士を頂点とした身分制度も固めていきます。これらの工夫により、江戸時代は戦国時代と異なり、大きな戦いのない平和な時代になりました。

平和な時代になると、武力よりも経済力の重要性が増してきます。そうなると、武士よりも商人の方が力を持つようになりますが、身分制度としては武士の方が高い身分という、ある意味矛盾した状況が起こります。

また、幕府や大名が長く支配を続けたことで、賄賂が横行するなど、政治の腐敗が進んでいったり、職業や住む土地が固定されたことで格差が大きくなったりと、同じ政治体制が続くことの弊害が大きくなっていきました。

そのような社会状況の中で、黒船来航に代表される、欧米諸国からの圧力が加わり、それに対抗する必要性に迫られました。しかし、現状の仕組みでは武力や経済力が分散していてかつ偏りがあるという非効率な状態でした。幕府は自身が築いたその仕組みを変えることができず、薩長勢力を中心とする新政府に倒されることになります。

この話はこちらの記事もぜひご覧ください。

明治維新から敗戦まで

そのようにして起こった明治維新により、国民が平等化される、廃藩置県で国が一つになる、徴兵制度の開始により統一軍隊が設立される、といった改革が行われました。このおかげで、日本は大きく成長し、世界でも有数の大国になっていきます。

しかし、次は大名や武士に代わる新たな権力層として、財閥やその中で働くサラリーマン、大地主などが台頭してきます。彼らは政府から払い下げられた一等地や、資源の権益、独占的な商売権などを活かしてビジネスを行い、大きな収益を上げるようになります。その一方で、当時の日本人の多くは貧しい小作人や工場労働者でした。この格差が拡大していきました。

その結果、政府や財閥に不満を持った人たちは軍隊に期待するようになります。そして五・一五事件や二・二六事件といったクーデターを起こします。その過程で軍部は政府内の権力を掌握していき、やがて日中戦争、太平洋戦争を起こしていきます。

1945年、それに敗北したことで日本は焼け野原になりました。軍隊は解散し、政治家は選挙で選ばれるようになりました。
その他にも財閥解体や農地改革など、これまで既得権益を持っていた層が一掃されることになりました。これにより格差が縮小し、日本は高度経済成長へと進んでいくようになります。

現代の日本

1950年代以降、日本経済は大きく成長し、世界第2位の経済大国にまで上り詰めました。その仕組みとしては、モーレツに働くサラリーマンが大量のモノを作り、海外に輸出するというものでした。

しかし、1990年代のバブル崩壊以降はこの仕組みが上手く機能しないことが増えました。諸外国も成長したことで日本のモノが売れにくくなったり、日本の人口が減少することで市場も縮小したりしたことなどが原因です。

社会情勢が大きく変わっているにもかかわらず、国家の基本体制は終戦時から大きくは変わっていません。政党や経済団体が既得権益化している中で、社会矛盾が大きくなっています。

過去の歴史を見ると分かるように、これまでもその時代に合った制度が整えられ、最初はそれで成長するも、時代が変わると共にその制度が上手くいかずに大きく転換(明治維新、敗戦など)し、また新たな社会制度が構築されていく、という循環があります。
現代社会もそろそろ制度の大転換期にきているのではないかと感じています。近代日本の大きな変革のきっかけは、黒船来航や敗戦といった外国に関することでしたが、次はいったい何がきっかけになるのでしょうか。

海外の事例

詳細の説明は割愛しますが、海外ではフランス革命やロシア革命、経済面では世界恐慌などがこれに該当すると言えます。
どの事例を見ても、社会矛盾が徐々に溜まっていき、限界を超えたところで何かの引き金がきっかけで一気に社会変革が起こっています。

まとめ

このように、歴史は構築しては崩壊し、新たに構築しては崩壊し、を繰り返していると言えます。これはまさにジェンガです。どんどん積み木を抜いていってグラグラになり、限界がきたところで一気に崩壊する、これが歴史でも起こります。

今の日本は大きな社会変革から80年が経過し、そろそろジェンガがグラついてきているのではないかと感じています。

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