見出し画像

「スリー・ビルボード」のここがスゴイ&次に観るなら

"犯人逮捕はまだ?" 娘を惨殺した犯人が逮捕されず、警察への怒りを募らせた母が町外れの3枚の広告看板を借りて抗議文を掲げるというお話。

この映画を端的に言うなら「目がスゴイ」です。周囲と衝突することで何かを掴もうともがく母を演じたフランシス・マクドーマンド、短絡的で差別主義者の若い警官を演じたサム・ロックウェル、それぞれの気持ちがとにかく目に凝縮されています。刻々と変化する目の演技、 ここまで目に惹きつけられる映画はそうそうあるもんじゃないです。

限界ギリギリの崖っぷち、境界線の上での葛藤の末に人はどうなるか分からないと思わせる映画で、深く多面的な余韻はまさに傑作のそれでした。

この多面的な余韻という意味で、次に観て欲しい映画としてポール・ハギス監督の「クラッシュ」をあげたいと思います。交通事故を起点に人々が交錯するヒューマン・ドラマです。特定の主人公はおらず、事故に関わった人のそれぞれが物語られます。境界線上の最後の一歩はどうなるのか、ぜひどうぞ。


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?