東京出張日記② ~100日後に渡英するKish #49~

どうも、Kishです。
昨日に引き続き、東京出張日記書いていきます。

時刻は午後1時30分。
思ったよりも打ち合わせが早く終わったので、次の予定である展示会場へ向かう。
3時からデザイナーとアポイントをとっているので、1時間ほどはカフェで作業の予定だ。

上司と付き合いの長い、ブランドを0から創り上げた凄腕デザイナーは、僕が入社してからずっとお世話になっていて、ありがたいことに僕の仕事っぷりを買ってくれている。
現職で積み上げてきた中で、一番嬉しいと言っても過言ではない。
今回の出張はそのデザイナーの展示会が表のメインだが、その裏は(最も重要なことだが)そのデザイナーに僕の退職を伝えることである。

頭が上がらないほどお世話になっている上司としては、昨年10月に先輩(7年目)の退職もあり、半年間で2人も同じブランドの営業担当の退職を伝えることに対して、何か緊張や不安の表情が伺える。
実際、「今日言う?」と移動中に3回聞かれた。

目的地周辺に着き1時間ほど余裕があったので、近くのTully'sで作業をすることに。
上司の使命感?からか、ランチ等、一緒になった際はいつも支払ってくれていたので、飲み物だけでもと思い、「ここは出します。」と上司へ言った。
プライドが高い上司の性格ゆえに断られた。
なんなら逆に出すとまで言われてしまった。
断ってやったが、なんのやり合いだ。

レジにて上司はチャイミルクティー(アイス)を注文。
僕は上のメニューにあったデカフェを注文したが、何か聞き取れない言葉を返された。
承諾はされていないということは察したので、下のメニューを見ると、まさかの"Sold Out"の文字が。

それにしても言われた横文字が気になる。
何か横文字で別メニューの提案をいただいたのか?
よくはわからなかったのでとりあえず「はい」とは言わず、ロイヤルミルクティーのホットを注文。
採番されたレシートを捨ててしまったが、問題なく受け取りができた。すみません。

ノートパソコンを開いてメールを確認しつつ、打ち合わせの振り返り、方向性のアドバイスを頂いた。
事実の報告ベースで話しつつ、たまに意見を挟み、話を進めていくのが(現職の立ち位置では)評価されるポイントだ。

しばらくしてスモーカーの上司は店内に喫煙ルームがないことを知り、喫煙エリアを探すため、荷物を持って先に退店。
5分後に店の前で集合と決め、退店の準備をしている最中に再度一言、「今日言う?」

用を足し、店の外へ出るタイミングで上司も帰ってきた。
結局公園で吸っていたらしい。
気持ちが落ち着き、覚悟が決まっていたら嬉しい。
午前に打ち合わせした別のデザイナー達は遅れると連絡があったので、先に入った。
案内された先は思っていたよりも小規模のスペースで、営業さんもいた。
午前に打ち合わせしたデザイナー達には、退職するは伝えていない。

遅れてきたデザイナー達と合流し、製品のチェックと試着が始まった。
しっかりとした雰囲気ではなく、かなりカジュアルな雰囲気で、雑談や背景を交えながら時間が過ぎていった。
上司も製品とデザイナーに集中している。
この雰囲気は今日は言えないなと思いつつ、会話の空気を乱さないよう、立ち位置を調整していた。

製品をある程度確認し終え、余談が始まった。
まるで学校の廊下での立ち話のような、小さい輪を無意識のうちに形成していた。
本当に未来に何にも関係のない、過去の昔話や噂話である。
隣の上司が言い出せそうにないと訴えるような視線を送ってくる。

そういった余談は暗い、愚痴のような話になりがちだと思っているのは僕だけだろうか。
案の定、尻窄みの流れで"Bad News"の話題に。
上司はアイコンタクトで「きた!」と目を輝かせ、恐る恐る切り出した。
「実はこちらもBad Newsがありまして、、」
僕もバレないよう深呼吸。覚悟を決めた。

上司が切り出したところ、尻窄みになりかけていた雑談が勢いを取り戻したように、全員が聞く体勢に入った。

上司「あの〜非常に残念ではありますが、OO(僕)がですね、、」
その他「えぇぇぇ!」
(声に紛れながら)上司「自分の夢を叶えるために退職することになりまして、、」
凄腕デザイナー「ほんと?夢ってなんなの?」
僕「イングランドに移住したいと思っています」
デザイナー「えぇ!イングランド!それはいつ出発の話なんですか?」
僕「2ヶ月後くらいです」
凄腕デザイナー「まじか、それはほんとBad Newsだわ」

デザイナー達は普段のメールのやり取りで、確かに後輩の出番が多く、僕の影が薄れてきていると若干違和感を感じていたようだが、その背景がたった今解決した。

凄腕デザイナーは窓口がずっと僕だった為に、そういった様子は全く知るはずもなく、(有難いことに?)本当に悲しそうな様子だったが、「頑張ってね」と勇気づけてくれた。
タイミングがタイミングなので特に凄腕デザイナーには申し訳ない気持ちになったが、自分の道を歩むと決意したので、自分で決定したことを貫くことができた。

その後、服飾に関しては有り得ないほど知識を持つ営業さんから有難いコメントをいただき、その場を後にした。
凄腕デザイナーと上司が一服しに行くとのことで、非喫煙者の僕も「タバコミュニケーション」に参加するのことにした。
その場はいつもデザイナーの独壇場である。
ひたすら話を聞きつつ、相槌を入れるのは得意分野である。
10分ほど話して、会場を後にした。

東京出張日記③へ続く。
一旦今日は以上でーす。

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