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なぜ寄生?

職場の方や友人に、友人家族の家に住んでいると話すと大抵驚かれますので、最初にこの生活のきっかけ(理由)を。
理由は、おそらく次の4点です。

1 物(家財道具)がなかった
2 お金(初期費用)がなかった
3 長期的に自分がどこに住みたいかわからなかった
4 一人になるのが寂しかった

2016〜2018年、私は仕事の関係でアメリカに住んでいました。
社会人になってから、アメリカに行くまでの約6年間は大阪の街の中で一人暮らしをしていたのですが、6年間の生活でその小さなアパートには家具や電化製品、衣類、そのほか自分で買ったことすらも忘れるいろんなモノが溢れていました。

「アメリカから帰ってきたら、心機一転新しい生活をするぞ!」と思って所有していたほとんどの物を廃棄。必要最低限の衣類だけスーツケースに入れて渡米しました。

私がアメリカで生活を始めた頃、小・中時代の友人であるジェームスが兵庫県の田舎にパートナーのナギ子と家(5LDK)を購入。(ジェームスとは、高校・大学は別でしたが、社会人になってもずっと遊んでいましたし、ナギ子、子どもたちともしょっちゅう会っていました。)家を購入した時、ジェームスから「帰ってきたら、ここ住んだら?部屋あるで」みたいなメッセージがきました。

最初は「職場から遠いし、都会暮らしに慣れすぎてそんな田舎にいけない」みたいな気持ちだったのですが、「よく考えたら、それってめちゃくちゃ経済的だし、楽しいかも」と思うようになり、冗談みたいなその話が盛り上がっていきました。家賃3万円で家具付き(将来の子ども部屋用にベッド・クローゼット有り)。私も住居費を浮かせることができて、ジェームスも住宅ローン返済の足しになるのでは?と話が具体化。私の同居についてナギ子も「別にええよ」。←この部分、人に説明しても理解されない(「なんで奥さんOKしたん!?」って言われます)のですが、そう決まりました。

渡米前に所有物をほぼ勢い的に全て断捨離し、アメリカで貯金をたくさん使ってお金もなかった私にとって、初期費用0で面倒な手続きも不要で、基本的な家具もあって、とにかく暮らせる場所があることは、ありがたいことでした。それに、今後ずっと日本で暮らしたいかもわからなかったので、家財道具を揃え直して生活を固めたくないという気持ちもあり、とりあえず仮住まいできることはとても魅力的でした。

このようないくつかの条件が重なって一緒に住むことを決めたのですが、経済的な事情よりも、この生活に心が動いたのはきっと誰かと暮らしたかったからなのだと思います。渡米前は一人暮らしを楽しんでいましたが、アメリカでのルームシェア生活などを通して、誰かと居る生活の安心感や充足感も体験しました。帰国時に私に良いパートナーがいたらその人と同居したいと思ったのでしょうが、そういう人もいませんでした。日本に帰国し、暗い部屋に一人で帰るより、1日の終わりに誰かとその日の出来事を話せる生活がいいなとも思いました(その選択は後に大正解と思いました)。そして、それがジェームスとナギ子とみらいとかのんとの生活だったら、きっと安心・楽しいだろうと。

2018年8月、アメリカから帰国。
ジェームスが空港まで仕事帰りに迎えに来てくれて、家へ。
寄生生活の幕開けです。