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本棚のおしゃべり1『一つの花』 

 お盆で実家に帰省していました。

 実家の本棚を眺めていてこの一冊を‥あ、と
 見つけました。

 母が小さい時から持っている本で、経年劣化で
 中身がすっかり茶色くなっていました。

『一つの花』 今西祐行 作


 確か、私が子どもの頃手にした時にもう既に、
 茶色くなっていた気がします。

小さい私はこの本を静かに本棚から取り出して
ひとりで読んで、よく分からないけれどなんとなく悲しくなったのを覚えています。

今、大人になりこの本を読み返すと涙がこぼれてしまいます。そして、こんなに短いお話の中につまっているものの大きさに驚きます。
 今西祐行さんの優しい目を通して書かれたこのお話はいつまでも読み続けられてほしいと願います。


本には『教科書に出てくる本』と、シールが貼ってありますが、今はどうなのかな?自分の子ども時代は教科書でこのお話見たかな‥ん‥‥覚えていない‥

ちょっと調べてみたところ、四年生の国語の教科書に載っているようです。

四年生にはまだこの短いお話の中に沢山のことが
込められていて、全てを理解することは難しいかと思います。ネットではこのお話に対する批評が多くてびっくりしました。悲しい‥
作者の今西祐行さんは学徒出陣経験のある戦中派の作家さんなので、戦中・戦後の庶民の暮らしを知っている方だそうです。ちいちゃんのかげおくりのように悲しくて悲しくてたまらない本ではなく、最後に希望を持たせてくれるこのお話には今西さんの未来への希望や子どもたちへの願いが込められているように私は感じます。(あ、ちいちゃんのかげおくりも戦争のことを伝える大切な本だと思います。ちいちゃんのかげおくりは3年生の国語の教科書に載っているそうです。)

4年生の子どもたちも大人になって読み返した時に
あぁそういうことか‥と、お父さんがくれた
一つのコスモスの意味がきっと分かると信じます。

 このお話のことを素晴らしく丁寧に記事にされている方がいたので、そちらの記事ものせておきます。学校の先生がしっかりと意味を捉えて、こういった授業を大切にしてくれるとありがたいですね▽


8/15は終戦記念日でしたね。同じ間違いが繰り返されませんように‥他の国の戦争も終息しますように。

 長くなりました。お付き合い頂きありがとうございました。本のことまた書きにきたいと思います。



森田はぐみ

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