03.アンラーン実体験
自分には、なにが足りないのだろう?
僕達は課題に行き詰まると、しばしばそう考えます。
けれど、むしろ余分なものをたくさん抱えているから上手くいかないことも多いのではないか?
そんな疑問を持ちました。そのための一手として「アンラーン」が求められていると考えました。
そんなアンラーンに関する連続記事です。
今回は、第3回です。なるべく単体でも読めるようにはしていますが、前回を引き継ぐ内容になっていますので、未読の方は以前の記事を先に読まれることをお勧めします。
01.まえがき
02.アンラーンとは?
03.アンラーン実体験(このページ)
04.量的な体験と記録
05.振り返り
06.他者の力を借りる
前回は、アンラーンとはどういうことなのかを説明してきました。
しかし、アンラーンするとどういうことが起きるのかまだイメージがつかみづらいかもしれません。そこで、僕自身の体験を通して見ていきたいと思います。
らくだメソッドから見るアンラーン体験
僕は2015年から2024年の4月までらくだメソッドという学習プリントをやっていました。
そのプロセスについては3ヶ月ごとに書いていた振り返りで詳しく書いていますので、そちらをご覧ください。
らくだメソッドは、元々は教科学習のために作られたプリントですが、僕は1日1枚プリントをやることを決めて、その記録をつけてきました。
それが一体なにになるのか?
アンラーンとは関係ないように思えます。プリントをやることで、自分の思考が変わるとは一見すると考えられません。
しかし、些細なプリントへの取り組みも丁寧に見ていくと、非常に自分らしい一面が現れていました。
たとえば、1日1枚と決めていても、プリントをやらない日があります。疲れているから仕方ない、と自分に言い訳しながらも罪悪感に苛まれていました。
やらないのは自分なのに、プリントをやらない日が続くと「ダメな奴だ」と責めていました。
そして、丸つけをしていて、「これは正解しているはずだ」と思いこみ、間違っている問題に丸をつけていました。
それらの傾向は、僕の日常にも溢れていました。
こうあるべきだ。
こうしなければならない。
だれも責めていないし、だれにも迷惑をかけていないのに、なぜ自己嫌悪に陥ってしまうのだろう?
プリントに取り組みながら、僕はその問いを胸に抱えるようになりました。
山あり谷ありでしたが、向き合い続けたところ、徐々に自己嫌悪は薄れていきました。
面白いのは、その時も別に毎日プリントに取り組めていたわけではありません。
つまり、現実に起こっている事実としてはさほど状況は変わっていないのに、自分の内面はかなり変化していました。
自信がなければいけないのか?
かつての僕は、自信がありませんでした。
自信がないから自分は行動できないのだと思っていました。逆に言えば、自信さえ身につければ全てが解決すると考えていました。だから、自信をつけるために行動しようとして、行動できない時は歯痒い思いをしました。
しかし、どれだけアンラーンをしても自信は身につきませんでした。今もありません。
ただ、自信を必要としなくなりました。
「自信があればなんでもできる」とは幻想に過ぎません。
人間はなんでもかんでも結びつけたくなるものですが、「行動できない」は自分の思い込みです。身体を拘束されているわけでなければ、ただ「行動しない」だけです。それをなんらかの外からの力によって妨害されたかのように考えてしまうのです。
その方が楽ですから。
けれど、自信の有無とは関係なく、行動しなければいけない瞬間が人生には訪れます。生きていく自信がなくたって、僕達は生きていくでしょう。
今では、勇気とか自信はどうでもいいのだと思うようになりました。
淡々とやるだけです。やらない日があったとしても、できなかったのではなくやらなかったというだけです。次は行動できるようにしたければ、自分を責めることよりも、そのための段取りをしていく方が効果的です。
もし疑うのであれば、あなたが自信を持っていると思う何人かに話を聞いてみてください。
天性の楽天家や自信家は存在しますが、非常に少なく、そもそも自信があるかないかなど気にしていません。それ以外の人は不安を抱えたまま行動をしていて、たまたま自信があるように見えるだけです。
「見えるだけ」ということは、相手が演出しているのでなければ、自分が色眼鏡をかけています。アンラーンは、この色眼鏡を認識できるようにしてくれます。
まとめ
アンラーンをしていくと、「現在認識している課題」が解決するとは限りません。けれど、直接的な解決をしなくとも、課題と認識している思考の枠組みそのものがずれて、あまり気にならなくなる現象が起きます。
古い思考の枠組みの中で物事を捉えた時に問題だっただけで、枠組みが変われば捉え方も変わります。
その代わり、また異なる課題が自分の目の前に現れます。
その課題は、以前よりも自分の中心に迫る問いを投げかけてくるでしょう。そして、やってくる問いに向き合い続けていけば、また新たなアンラーンが必要になるタイミングが訪れます。
一般的なサクセスストーリーであればゴールが用意されていて、それを達成するまでがむしゃらに頑張っていくのでしょう。
その結果を得た後は全く用意されておらず、燃え尽き症候群のようになります。
上記の振り返りでも書いたのですが、「理想」とか「やりたいこと」とはあくまでも目印みたいなものです。まだ体験していない状態から見える青写真で、本当に理想であるのかは出たとこ勝負です。辿り着いてみたら、大したものではなかったと感じるかもしれません。
しかし、少なくとも現在の自分は魅力を感じているのですから、目印にはなります。スカイツリー近くの飲食店に行きたければ、まずスカイツリーを目指すでしょう?
近づいてきたら、そこを起点にまた次の目印を見つけていけばいいのです。
さて、アンラーンするとどのようなことが起こるのかを書いてきました。壁にぶつかっている人にとっては、必要だと感じてくれた人もいるのではないでしょうか?
それを踏まえて、次はアンラーンはどのように行っていくのかについて考えていきます。
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