豊かにする音
去年は箱にしまったままだったので、今年は6月から早めに風鈴を出した。
日中は家にいなかったり、風があんまり吹かなかったりで音はならないけれど、夜は意外と風が吹いて、チリンチリンと鳴いてくれる。
「涼しげな音」というのは、頭で考えると変なことだけれど、実際に音を聞くと確かに涼しい音をしている。自分は頭ではなく感覚で生きているのだと再確認する。
風鈴の音が聞きたくて、なるべく窓を開けている。7月も半ばに入ろうとしているのに、今年はまだ一度もエアコンをつけていない。
エアコンで体調を崩すこともあるので、最小限の使用にとどめて、暑さは耐え凌ぐものだという意識があった。しかし、今年はそれとは違う視点で過ごせている。つまり、心地良い音色を聞くためだ。
なにか一つでも楽しみを見出そうとする姿勢は、生きるのを豊かにしてくれる。
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