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問題にしない

 他者の話を注意して聞くようになってから、人の話を聞かない人に対して、奇妙な苛立ちを覚えるようになった。

 己ができることを他人ができないことに対して、不寛容な自分を見つけた。

 幼稚園児を見ているとわかるけれど、彼らは好き勝手に喋って聞いていないけれど、周りの友達が自分の話を聞いてなくても怒らない。単に気にしていないだけともとれるが……。

 なぜそれをしないのか?
 話を聞かずに損をするのは自分なのに、と僕は心で呟いている。

 いや、本当に口にしたこともある。けれど、相手には響かなかった。
 目の前に突きつけても認識できていない問題は、修正されない。

 問題は問題として認識されるから、解決しようと動き出す。
 でも、それは僕が問題だと思っているだけで、相手にとってはそうではないかもしれない。

 それがわかると苛立ちはだいぶ収まった。
 実はいちいち問題扱いしないことがお互いにとって一番楽なのかもしれない。

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