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なんでもないをしていこう

「いや、お礼を言われるほどのことではないよ」

 困り事の相談をしたら解決をしたので、お礼を言ったらそう返されました。相手にとっては、本当に大したことはなかったのでしょう。

 僕はこれだ、と思いました。

 他者に親切にする時、しばしば自己犠牲する人がいます。本来やりたかったことの時間を割いてまで奉仕して、本人も気づかないまま消耗してしまう。だから、親切にすればするほど元気を失ってしまう。あるいは、不満が溜まっていく。

 そういう親切はおかしいです。与えた方ももらった方も、より元気になるようなやりとりがしたいものです。

「自己犠牲にならない範囲でお願いします」と伝えればいいのですが、それでは解決しません。なぜなら、その範囲がわからないからやりすぎてしまうのです。否定での指示は、結局どうしてほしいのかが伝わりにくいです。

 だから、「このくらいなんでもない、と思える範囲で親切にしましょう」でいいのです。
 自分にとっては取るに足らない労力が、相手にとっては喜びになる。そういう構造で親切を循環させていくことが長続きさせるのでしょう。

 料理が苦手な人が料理を振る舞うのはしんどいけれど、好きで得意な人にとってはストレス発散にすらなります。そうやって自分の持っている「なんでもない」を与えていけば、周囲に笑顔が増えていくのでしょう。

 もしかしたら、自分は特別なものはなにも持っていないと思うかもしれないけれど、それは思い込みです。だって、不要だと感じているものがメルカリで売れるわけです。取引の要素があるとはいえ、1つの親切ではないですか。

 なんでもないことをやっていきましょう。

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